やっと妊娠できました19-7
やっと妊娠できましたNo.19-7(最終回)
47歳で初めて出産しました!
最後の胚移植。
凍結2日目の受精卵を
1日培養して3日目の受精卵にして移植。
Aさんは45歳になっていました。
この年、凍結している胚を戻していくことに
専念することにしました。
45歳で胚移植できたのは、
たったの2回だけでした。
1回目はプレマリンの服用と
エストラーナテープを腹部に貼って、
エストロゲンを補充して子宮内膜を
厚くしようとするものでした。
人工凍結胚移殖のことですね。
この周期に、まず卵胞は育ちません。
月経が始まって11日目の診察で、
Aさんの子宮内膜は6.3ミリ。
15日目の診察で、7.8ミリにまで厚く
なっていました。
Aさんにすれば、かなり順調です。
18日目に2日目の凍結胚を移植することが
決定。胚移植当日の子宮内膜は9.2ミリにまで
成長することができました。
胚移植までの鍼灸治療は月経がはじまって
7日目と胚移植当日でした。
胚移植後3日目と7日目。
判定はマイナス。
ホルモン値は問題ありませんでしたが、
受精卵の力が無かったのでしょうと
ドクターのコメント。
その後、子宮鏡検査をドクターからすすめられて
実施。問題なしとのことでした。
Aさんは45歳の時の胚移植2回目。
胚盤胞の凍結胚が1つ残っているとのことでした。
当院の記録では胚盤胞の凍結胚が無かった
ようだったので、Aさんに確認したら、
胚盤胞を1個凍結しているとのことでした。
そして、45歳の時、2回目の胚移植。
人工周期の凍結胚盤胞移植にのぞみました。
結果はマイナス判定。
Aさんは期待を込めていた、胚盤胞の移植が
マイナス判定になってかなり落胆されて、
3ヵ月ほど鍼灸治療もお休みされました。
Aさんは46歳になって約半年が経過しようと
するとき、使える凍結胚は2回分になっていました。
人生最後に採卵して凍結してあるのは、
4G3のグレードが1個で、妊娠の可能性は余り高いとは
言えません。フラグメントがたくさんあったからです。
その前に採卵して凍結していたのは、受精2日目の
4G2~4G3のグレードの凍結胚が2個ありました。
この2個の凍結胚が、実質、Aさんの人生最後の
胚移殖になったのではと思います。
この周期、自然に卵胞が育っていたので、
様子を見ることにされました。
いつもなら、人工周期で卵胞を作らず、
子宮内膜を重点的に厚くしようとしてきましたが、
今回は違いました。
鍼灸治療の効果もあったのではと思います。
もう出てこなくなっていた卵胞が育ち、
月経から12日目で自然に排卵しました。
ですから、残っている2日目の凍結胚を
3つ融解して胚移植にのぞむことにされました。
1個は融解の時点で変性して使えなくなりました。
今回の胚移植の作戦は、融解できた2日目の凍結胚を
1日培養して、3日目の受精卵に育てて、
胚移殖するというものでした。
胚移殖したのは月経が始まってから15日目の
計算になります。
とっても、日数的に自然なのです。
鍼灸治療は胚移植当日と8日後。
この時は、当院の安田先生と山崎先生が協力して
Aさんの治療をさせていただきました。
私はこのとき、出張で居なかったのです。
判定は、プラス。
プラス判定以降の流産予防の治療は、
妊娠11週くらいまで、私がさせていただきました。
鍼灸治療の効果もあり、つわりの時期は
かなり辛い吐き気や、だるさの症状が軽減された
ようでした。
本来なら、妊娠12週~14週くらいまで、
流産予防の鍼灸治療をさせていただくのですが、
Aさんにはちょっと事情がありました。
46歳という高齢での妊娠でしたので、
新生児集中治療室(NICU)の設備のある病院へ
転院されることになったのです。
今回、Aさんが46歳で妊娠されたポイントは、
2点あるのではと思います。
1.
鍼灸治療で出てこなくなっていた卵胞が育ち、
排卵して自然周期で移植したこと。
2.
2日目の凍結胚を融解して1日培養して、
3日目の受精卵を移植できたこと。
自然周期で移植できたのは、とってもメリットが
あったのだと思います。
Aさんはいつも人工周期じゃないと、
子宮内膜が厚くならなかったから・・・。
人工周期の移植の時でも、子宮内膜は7ミリあるか
ないかのギリギリでしたから。
Aさんは妊娠20週を過ぎてから、
安産のお灸の練習のために、一度来院されました。
その後、出産したらメールくださいねと
言っていたのですが、いっこうに連絡がなかったので、
随分心配しておりました。
もうとっくに、出産しているはずなのに・・・。
もしかしたら、何らかの原因で流産されたのか?
もしくは、出産後Aさんは亡くなられたのでは・・・。
約束したのに連絡が無かったからです。
こちらから、どうですか?と連絡するわけにもいかず、
出産予定日から1年が経とうとするときに、
Aさんからメールが来たのです。
大きくなった赤ちゃんの写真を送ってくださいました。
高齢出産ということもあり、産後の肥立ちが
悪かったりして体調がすぐれないなか、
子育てに奮闘していたようです。
出産して1年が経ち、体調も回復し、少し
子育ての余裕もできたのでメールを下さったのです。
47歳で初産までの道のりは、約8年にも及びました。
Aさん、本当に良く頑張りましたね。
Omura