長く不妊治療してきたのに・・・妊娠できない。
でも、妊娠のスイッチが入るときがある。
今回はTさん(39歳)のエピソードです。

Tさん(39歳)が当院に来られたのは、
今年、2016年7月でした。
上海に住んでいらして、治療のために日本に一時帰国。
当院に通うのも他県のため、片道2時間以上かかり、
当院に来られるのはクリニックの通院に
あわせてしか来れないとのことでした。

Tさんは3年前に卵管造影されたとのことでしたので、
少なくとも不妊治療歴は3年以上になると思います。

足立病院生殖内分泌医療センターでクロミッドを
処方され、3回くらい採卵されましたが、
採卵できるのはいつも1個。
2個できたときもあるけれど、1個は空胞のことが
多かったようです。
結局、いつもクロミツドを服用しても採卵して
移植できるのは1個。

胚移植は他のクリニックで1回されたとのこと。
足立病院生殖内分泌医療センターでは2回。
1回はフレッシュで、採卵してから
5日目の胚盤胞で移植。
もう1回は胚盤胞の凍結胚移植る
いずれも、マイナス判定。

鍼灸や漢方の本場中国で、鍼灸治療も漢方治療も数回
されたそうですが、何か効果の実感が無かったので、
やめられたそうです。

だけど、足立病院生殖内分泌医療センター内に置いてある、
「ふっくら」という未妊サポート情報誌をみて、
当院のことを知り、来てくださいました。
もう10号まで出ていますが、毎回、同医療センター長の
中山先生と私が対談をしています。
当院のホームページのHomeの左下にPDFファイルに
してありますので、良かったら覗いてみてください。

Tさん(39歳)の初診は生理から9日目でした。
Tさんの不妊の原因は、お血気血両虚
血液の質が濁っていてドロドロの加えて、気のパワーも
少なく、血液の量も少ないので質の良い卵胞が
多く出てこなかったのだろうと診断しました。

Tさんはクリニックの診察後に当院に来られました。
卵胞は3つ見えて、11日目の採卵の予定を組まれました。

気血両虚のタイプの人は、採卵当日に排卵してしまっていて・・・
という話が多いです。
それで、排卵を1日遅らせるような排卵止めの治療をしました。
鍼灸治療で排卵を1日~3日くらいまでなら、
遅らせることが80%~90%のくらいの確率ですが可能です。
当院では、排卵を遅らせる特別な治療法があります。

今回、卵胞が3つ出てきたのは、生理2日目に
フォリルモンPを注射した効果があったのだろうと思います。

鍼治療した夜中にhcg5000を注射。

11日目に採卵できたのは2個。
1個は胚盤胞に育ちました。そして凍結。

次の周期にホルモン補充周期で胚移植の予定になりました。
2回目の鍼灸治療は生理14日目の診察の前。
身体を温め、気の流れを良くする治療をしました。
鍼治療後に診察され、子宮内膜はいつもより厚くなっていて、
胚移植には十分ということでした。

鍼灸治療で骨盤内の血流が良くなり、エストラーナテープの
効果が上がったのだと思います。

診察後に通水。そして、採血。
ホルモン補充周期ですが、生理から21日目に胚移植。
直前に鍼灸治療とスーパーライザーをお勧めしました。

判定はプラス。
プラス判定後、流産予防の治療を1回させていただきました。
Tさんの妊娠までの鍼灸治療は3回で済みました。

少ない回数でしたが、効率よく治療できたことが、
妊娠のスイッチが入ったのではと思います。
子宮の中の血流を良くするのに、
鍼灸治療はとても効果的だと思っています。
だから、20年以上不妊治療専門で鍼灸治療をしてるんだけどね。

鍼灸治療も気になるな、どうしようかな・・・と、
思っていたら、トライしてみてもいいのではと思います。
痛くないし、リラックスできて気持ちいいもんだよ。

Omura