やっと妊娠できましたNo.19-5
47歳で初めて出産しました!

リュープリンの注射をして、
偽閉経状態にしてみるが・・・

痩せすぎると、カラダが枯渇して、
卵子の力も弱ってしまいます。

無理なダイエットで生理が止まってしまった・・・
という話を聞いたことないですか?

10代~20代の無理なダイエットや
強いストレスが原因で生理が止まってしまい、
お薬を飲まないと自力で生理を起こせない方たちが、
ときどき患者さんとして来られます。

このような状態の方の治療はとても大変です。
時間もかかってしまいます。
鍼灸治療を始めて、自力で生理が来るようになり、
卵胞が育つようになる方もおられます。

そして、自然妊娠される方もおられます。
人工授精や体外受精で妊娠された方もおられます。

ですが、現実の問題として鍼灸治療をしても、
治療の効果が認められないこともあります。

話はAさんに戻ります。
Aさんは最初の1年はしっかりと治療に来られました。
そして、翌年、9ヵ月してから鍼灸治療を再開。
この年は、10月と11月に採卵し、3日目の
新鮮胚を移殖。
マイナス判定。

翌年、Aさんは41歳になっていました。
Aさんは卵胞は育つのですが、採卵して受精させ
培養しても、受精卵のグレードはほぼG3レベル。
受精してから2日目や3日目から変性したり、
分割がストップすることがしばしば。

胚盤胞になることが、とても難しい状態でした。
それに、子宮内膜がいつも薄く、胚移植前に
5ミリ~7ミリだったりして、凍結胚があっても、
子宮内膜が薄すぎて、胚移植を中止することも
あったのです。

人工周期にして、プレマリンを服用したり、
エストラーナテープを貼っても子宮内膜の質の
改善はできませんでした。
エストラーナテープを貼って、子宮内膜を
厚くしようとしても、胚移植前に出血してしまうことも
あったのです。

そこで、Aさんが通院しているクリニックでは、
リュープリンの注射を使って、
偽閉経の状態を作って、子宮と卵巣を
休ませてみましょうと提案されました。

リュープリン(1.88ミリグラム)は月に1回、
2周期続けられました。

Aさんはリュープリン注射の副作用で、
吐き気、だるさ、ホットフラッシュと体調は
悪くなるばかり。
それでも、赤ちゃんを産みたいという熱意で、
辛抱強く我慢されていました。

私の治療は、リュープリンの副作用を
緩和することと、これ以上、Aさんが痩せないように
体力をつける治療を心がけました。
Aさんの嫁いだ先の家族のストレスも、
彼女の心を傷つけ蝕んでいましたので、
鍼灸治療に来ている間は、心が落ち着けるように
しました。

リュープリンの注射を2周期して、
その後、プレマリンを服用し、人工周期で
1つだけ残っていた5BB’評価の凍結できていた
胚盤胞を胚移殖しましたが、
結局、結果はマイナス判定でした。

それでも彼女は涙を見せませんでした。
とっても気丈な方です。

マイナス判定後、生理中の治療で、
Aさんは、私にゆっくりと言われました。
「先生、私、まだあきらめませんから」
「宜しくお願いしますよ」

余り感情を表に出さないAさんの、
少し低めの静かな声は、彼女の決意が固いことが
伺えるのでした。

私はちょっとAさんの言葉にビビりながら、
「そうだね。私もできる限りのことはするから、
一緒にがんばりましょう」と言いました。

そして、Aさんは再び採卵に臨むのでしたが・・・。

to be continued
Omura