M さんの不育症の検査結果は・・・やはり引っかかりました。
プロテインS活性が低いことがわかりました。

切り傷で出血して血液が固まるのは、血液中に血液を固める物質
(血液凝固因子)と細胞(血小板)が含まれているからです。
じゃぁ何で血管の中の血液は固まらないの・・・という疑問がでませんか?
それは、血液は常に早いスピードで流れているからです。
もし血液の流れが遅くなってしまったら・・・血液は固まってしまいます。

体内で特に血流が遅くなりやすい場所があります。
それは子宮。特に胎盤は血流が滞りやすい場所なんです。
特に絨毛は血液凝固因子が集まりやすい環境であるとも言われています。

プロテインSは血液凝固系の因子で、他にプロテインC、第12因子があり、
これらの3つの因子は血液を凝固させてしまう因子の代表です。
基準値は40%~60%。低くなると血栓ができやすくなってしまいます。

受精卵が着床してどんどんと胎盤から新鮮な血液をもらわなければいけないのですが、
このときの血管は非常に細く血栓ができると詰まってしまいます。
そして血液の供給がストップすると流産の原因になります。

MさんもプロテインS活性が低いことが分かったので、
次に妊娠した時は、血栓ができないようにバイアスピリンとヘパリンの
薬物療法をすることになったのです。

もしかしたら一度目の流産はプロテインS活性が低くて
流産した可能性が考えられますね。
染色体異常だったかもしれないし、受精卵自体の生命力が
弱かったのかもしれません。
どれが流産の原因だったかははっきりしませんが、
少しでも流産のリスクが回避できるならその方がいいと思いますけど。

特に原因がわからずに偶発的に流産リスクの因子は
65%以上(Fuiku-labo 厚生労働省不育研究班調べ)もありますからね。

次の周期にMさんは胚盤胞の凍結胚の移植にのぞむことになりました。

to be continued

Omura