年が明けて3月にロング法で採卵予定のため、1月と2月は体調を
整えるため月に2回~3回治療に来られました。

3月に入りロング法で採卵するため注射が始まりました。
生理から3日目と7日目に治療させていただきましたが、
卵胞の育ちがちょっと遅めだったので11日目にもう一回
治療をすることになりました。

出てきた卵胞は7個。そのうち4つ採卵。2個を顕微授精。
病院の方針で授精卵を5日間培養し胚盤胞まで育てて、
フレッシュで胚移植をすることになりました。

・・・が、授精はしたものの受精卵は分割停止。
注射もいっぱいしたし、お薬もいっぱい使ったのに
今回のロング法では結局一つも胚移植することができませんでした。

報告に来られた時は、いっぱい泣かれました。
気持ちが落ち着いてから、治療を再開しましょうとアドバイスしました。
実際、ロング法で卵巣を強く刺激しているので、
2ヶ月くらいは卵巣を休ませてあげなければなりません。

4月と 5月の2ヵ月間は病院も鍼灸治療も休まれて、
6月に治療再開の予定でしたが、5月の中旬に当院に来られました。
疲れが溜まっていたらしく、先ずは体の疲れを癒すツボを中心に選び、
少し推拿(すいな)のマッサージも加えることにしました。

推拿(すいな)とは、中国伝統式治療法で整体とマッサージを組み合わせた
治療法です。
その手技は100以上にも上り、本場の中国では中医学系の学校で単位を取って
国家試験で免許を取らなければなりません。
中医学系の大学病院には、漢方科、鍼灸科、推拿科、骨傷科などの
科目があるほどです。

中国留学中に上海中医薬大学で鍼灸をメインに漢方と推拿を少し学びましたが、
その手法を取り入れて整体やマッサージも10分程度ですがしています。
柔道整復師の免許もありますので、その知識や日本の柔道整復の手技も
組み合わせて患者さんの治療に生かしています。

スタッフにはその技術を伝授しておりますので、疲れが溜まっているときは、
ちょっと肩や腰の推拿治療で疲れもいやされることと思っております。
30代前半のころは7年ほど鍼灸整骨院も開業しながら
不妊治療の外来に行っていたので多忙だった時代を思い出しますね。

さて、I さんですが一週間後にもう一度ご予約をいただいておりましたので、
もう一度疲れを癒す治療をしましょうとお話をしていると・・・

I さんは「先生、先週に鍼をしてもらった次の日に生理が来ました・・・
・・・と言われました。
「ブラのバールか何か飲んでたかな・・・」と聞くと、高温期を作る薬は
服用していないとのことでした。

I さんは「薬なしで自然に生理が来たんです」と喜んでおられました。
大学生時代に無理なダイエットがたたって以来生理が自然に来なかったのに、
自然に生理が来たことの喜びは何事にも代えがたいものがあったようです。

鍼灸治療で体がリラックスしたんでしょうね。
ただ、続けて1ヵ月後に自然にまた生理が来るとは限らないけど、
2~3ヵ月の間にもう一回自然に生理が来るようになれば、
採卵できる状態になると思いますよ・・・と伝えました。

1ヵ月後、生理らしきものはあったのだけど・・・。

to be continued
Omura