Nさんはその後、人工凍結胚移植を2回されましたが、
いずれもマイナス判定でした。

もう凍結胚がなくなってしまったので、また採卵しなければなりませんでした。
そこで、担当ドクターはアンタゴニスト法での採卵の提案をされ、
採卵することになりました。

その時に相談を受けたのですが、Nさんにはクロミッドで自然周期の採卵が
合っているように思うのだけど・・・ドクターの指示に従って下さいと言いました。
卵胞のグレードの悪い人にアンタゴニスト法はどうかな・・・と思うからです。

患者さんにいろいろと病院の方針や治療法を聞かれることが多いのですが、
提案はしますけど、最終的に病院の方針に従って下さいとお願いしています。

ただ、「へぇ~、そんな方法もあるんですか」と言われることも多く、
提案後にご自身でドクターに相談され、採卵の方法や治療方法を
変更される方も少なくありません。
その結果、妊娠につながったということも多いです。

最終的にNさんはアンタゴニスト法で採卵することになりました。
卵胞は7個育ち、採卵できたのは4個。そのうち2個が良好でした。
あとの2個は授精したものの不良でした。
ですが、5日目まで分割がすすみ胚盤胞凍結できました。
以前は授精3日目までもつかどうかだったのが、5日目まで分割して
胚盤胞になるようになったのは進歩でした。

ただ、グレードがBC評価で決して良くはありません。

2ステップで新鮮胚移植が決まり、授精3日目と5日目に2回に分けて
胚移植されましたが、結果はマイナス判定でした。
受精卵のグレードが基本的に悪い人に、2ステップで胚移植する時は
もう一つが5日目の胚盤胞にならなければ、3日目の移植だけになってしまいます。
今回は鍼灸治療を受けられるようになってから、胚盤胞まで育つようになってきましたが、
それでも妊娠に至りませんでした。

胚盤胞になった2個の凍結胚を1回ずつ人工周期の凍結胚移植されましたが、
判定はマイナスでした。

もう5年ほど同じクリニックに通っているので、転院しようかどうか相談を
受けました。
気分転換もあるし、治療法を変えるのもいいと思うよ・・・と背中を押したのは
良いのですが、Nさんが転院を考えていたのは子宮内膜を再生させる方法の
クリニックでした。

「先生、どう思いますか・・・?」
「ん~、微妙だね。それだったら、○○クリニックの方がいいと思うけど」
「良く考えてみます」
・・・と話をしました。

Nさんは不妊治療でいろいろ考えてしまい、どうすればいいか判断ができなく
なっていたようです。
それでも望みを託して、2013年から子宮内膜を再生させる方法にチャレンジされることになりました。

to be continued
Omura