もう次で不妊治療をやめます

 

久しぶりに、「やっと妊娠できました」のシリーズを
ご紹介することにしました。
毎日バタバタして、ゆっくりとブログを書けなかったので、
ごめんなさい。

さて、今回は「不妊治療をもうこれで最後にします」・・・と
宣言されたSさん(43歳)の大逆転ストーリーです。
「もうこれ以上治療を続けても先が見えてこないし、
いろいろやりつくしたし・・・」ということでした。
Sさんは不妊治療をもうやめる宣言をされたのですが、
こちらとしては、やっぱりプレッシャーかかります。
何とか最後に「おめでとう、良く頑張りましたね」と言って
笑顔で卒業させてあげたいのは、どの患者さんにも思うところであります。

Sさんが当院に来られたのは40歳のころ。
ホームページをご覧になって、予約の電話をいただきました。

彼女はAクリニックで体外受精をされていました。
グレードはほとんどがG3評価。それも、5分割とか6分割。
比較的受精してからのスピードが遅く、採卵しても変性卵や
授精しなかったりとなかなか先に進めなかったようです。

Sさん自身の卵胞の質も良くなかったと思いますが、
ご主人の精子に問題がありました。
採精しても10匹くらいしか見当たらない。運動率も悪く、
顕微授精でしか妊娠の道が無かったように思います。

・・・ですが、クリニックではタイミング指導や人工授精のすすめもありました。
ご主人の精子が10匹程度で、どうやってタイミングで妊娠を望めと
言うのでしょうか・・・。
ちょっと私も理解に苦しみましたが、当院のできることは先ず奥様の
体の状態を良くすることでした。

ご主人の精子の状態も悪いので、悪いなりにも良くなるように鍼灸治療を
おすすめしました。
ご主人はなかなか多忙な方で、定期的には治療に来れませんでしたが、
時間を作っていただいて時折、鍼灸治療に来られました。

当院では男性の治療もしておりますが、奥様からご相談いただいて、
ご主人がご希望であれば治療させていただいております。
ほとんどの方は精子の運動率が上がり、数か増える傾向にあります。

奥様の卵胞の質が良くない、ご主人の精子の数も質も良くない状態から、
それでもSさんは43歳で妊娠されました。

先日、妊娠20週目の最後の治療を終えられ、笑顔で不妊治療を卒業
することができたのです。
Sさんも、本当に良く頑張った患者さんの一人だと思います。

次回はSさんが、どうやって不妊治療を乗り越えたのか・・・
その過程をご紹介することにしましょう。

Omura