陰陽のバランスを整える。
「陽の気」を補い高温期をキープさせる

前回はMさんの妊娠までの当院の治療で、
1回~3回目までの治療過程をご紹介しました。
今回はその続きです。

◆鍼灸治療

4回目
生理から5日目。人工凍結胚移植(2ステップ)のため、
生理2日目からエストラーナテープを貼られていました。
この日は、しっかりと生理を出し切るツボを選んで治療
させて戴きました。

しっかりと生理を終わらせないと、子宮内に残った血液は
古い血液となり、お血になってしまい着床の妨げになったり、
子宮内膜が発育しにくくなるからです。

5日目
生理から13日目。生理から11日目の診察で内膜は7ミリ。
まずまずです。
この日は、鍼治療ので全身の血行を良くし上半身の
こもった熱を取りました。
お灸を加え下半身の冷えをしっかりと温めて、
子宮内膜がより厚くなるように充実させました。

疲れで朝が起きづらいということでしたので、腰・背中・肩を
推拿療法で軽くマッサージ。

6日目
Day2の凍結胚を移植1日後に鍼治療。
本来ならバッチリお灸をするのですが、Mさんの場合は状態を見て
少なめのお灸をしました。
2ステップの移植と言うことで、メインの移植は胚盤胞になります。

Mさん、今までのイライラが少なくなって、気分的に少し
楽になっていると言われました。
気分が楽になるということは、「気の流れ」がスムーズに
全身を流れ、血液の流れも良くしてくれるのです。

7回目
凍結胚移植(2ステップ)の2回目、凍結胚盤胞の移植直前に
治療させていただきました。
Day2の胚移植した胚の成長も促しながら、しっかりと
子宮の中を温める治療です。
鍼治療で「陽」を補い、前回よりも少し多めのお灸です。

高温期は陰陽でいうと「陽のとき」にあたります。
「陽の気」のエネルギーを充実させることにより、
高温期をキープするのです。

胚盤胞を移植して9日後、プラス判定。

現在、流産予防の治療のために、週に1回、
来院されています。

Mさんは20代後半なので、年齢的に若いということもあり、
治療回数は7回と少なくて済みました。
当院に数年もの間来られている患者さんもおられます。
人それぞれに症状が違ったり、年齢も違います。

いつも思うのですが、当院に来られたからといって、
すぐに妊娠するとは限りません。妊娠率は100パーセントでは
ないからです。
でも、何もしないよりは体を整えて、「妊娠体質づくり」をすると、
なかなか妊娠できなかった多くの方が妊娠・出産されております。
胚移植した方の50~60パーセントくらいの確率です。

現在まで、1131人の方が妊娠されました。
この数字は、ご縁があった方たちの数字だと思っております。

Omura