結婚して5年、妊娠すると思っていたけど・・・
体外受精するとは思わなかった
鍼灸治療に来られて2ヵ月で妊娠。

Sさん(40歳)は結婚して5年。
特に避妊はしてなかった。
だけど、なかなか妊娠しない。

Sさんは妊娠に至るまで8回の治療をさせて戴きました。
約2ヵ月間でした。
無料カウンセリングに来ていただいたのが、
きっかけになったと思います。

Sさんご夫妻はさすがに、何か問題があるのでは、
・・・と思い足立病院生殖内分泌医療センターに
行かれました。
それはご自身たちの意見ではなくて、Sさんのお母さんが
しびれをきらして、
「早く病院に行ってちょうだい」と、何度となく言われたから。

やっと重い腰を上げたのでした。
Sさんは母のプレッシャーがストレスだったようですが、
よ~く考えれば、お母さんが背中を押してくれたのが
病院に行くきっかけになって良かったのではと思います。

2015年の10月のことでした。
タイミング療法に人工授精を3回ほどされましたが、
結果が出ない。

問題と言えば、卵管造影検査でSさんの右の卵管が
閉塞していることと、ご主人の精子の量が少なめということ
でした。
左の卵管が通っているので、通常はすぐには体外受精には
ステップアップしないでしょう。
ですが、Sさんの年齢を考えると人工授精で妊娠すれば、
ラッキーというくらい確率は低くなります。
実際、人工授精の妊娠率は10%以下ですから。

当院に来られたのは、2016年の3月。
無料カウンセリングにご夫妻で来られたのがきっかけでした。
ご夫妻でカウンセリングに来られると、
いろいろと説明しやすいですし、お互いがどのような
健康状態かを把握することができます。
アドバイスもしやすくなります。

Sさんご夫妻は、鍼灸治療に興味をもって来られたのですが、
もう少し、タイミング療法と人工授精を続けようと
思っておられました。

私の提案は、2ヵ月~4ヵ月くらい鍼灸治療で奥様の身体を
メンテナンスしながら体外受精にステップアップされても
良いのでは・・・とご提案しました。

Sさんご夫妻はちょっと戸惑ったようで、
「体外受精しないといけないですか・・・?」と聞かれました。

「上手くいけば、身体をメンテナンスしている2ヵ月~4ヵ月の
間に人工授精で妊娠される可能性はありますが、
やはり女性の妊娠できる時間を考えれば、
体外受精を見据えて、治療に来られた方がいいと思いますよ」と
提案しました。

実際、体外受精をしていてなかなか妊娠できなくて・・・という
患者さんが多く来られます。
次の体外受精の間に当院に来られて、タイミング療法や
人工授精でステップダウンして妊娠される方も少なくありません。

Sさんご夫妻には、こんなこともアドバイスしました。
「体外受精の前に妊娠すればラッキーな方だと思います。
避妊していないのに5年間も妊娠できなかったのは、
やはり何か問題があったのでは・・・」

「体外受精するにあたって、鍼灸治療の2ヵ月~4ヵ月は
体外受精するための身体作りにもなっていますよ」
「上手く40歳で妊娠・出産を経験して、凍結胚が残っていたら
1年半~2年後に凍結胚を戻して42歳~43歳くらいまでには
二人のお子様に恵まれるかも・・・と」。

Sさんご夫妻はちょっと驚かれていました。
まさか体外受精の話になるなんて・・・。

これは提案であって、どうされるかはSさんご夫妻が
決められることです。
でも、Sさんご夫妻のおかれている状況を見て、
少し背中を押すことにしたんです。

それは、東洋医学的に見てSさん(40歳)のなかなか
妊娠に至らなかった問題があったからです。
Sさん、かなりの「瘀血症」(おけつしょう)だったからです。

ですから、鍼灸治療をおすすめしました。
いつもはカウンセリングで鍼灸治療をお勧めすることは
ありません。
ただ、今、鍼灸治療をされた方が妊娠への近道になるのではと
思う方には、良かったらチャレンジされてみてはとは
言うことはあります。
「いつやるの・・・今でしょ!」と言うことでしょうか。

次回は、なかなか妊娠できない方で、「瘀血症」(おけつしょう)の
タイプの方が多いです。
血が濁っているということですね。

じゃあ、何がどう悪いの・・・ということを
次回ご紹介しましょう。

Omura