不妊治療でよく使われる漢方とツボ①
前回は、京都の足立病院生殖内分泌医療センターで発行されている
最先端医療と未妊サポート情報誌の最新号「ふっくらNo.8」より、
着床障害の原因と克服法を3回シリーズでご紹介しました。
今回は見開き中面の対談、
「不妊治療で良く使われる漢方とツボ」をご紹介しましょう。
対談のメンバーは、足立病院生殖内分泌医療センター長の中山貴弘先生。
高雄病院、漢方医の橋本正也先生。
そして私、烏丸御池鍼灸院院長、大村賢秀。
患者さんにとって不妊治療はとてもデリケートで、治療には精神的なケアも
求められます。
漢方医、橋本正也先生をお招きし、体質改善とともにストレスを緩めることで
身体を整えていく漢方についてお話をうかがいました。
今回はまず不妊治療に用いられる漢方とツボをご紹介します。
「西洋医でも漢方を使うことが多くなってきた」
大村:
最初診療を始めたころはとにかく体が冷えるという人が
多かったんです。でもこの20年、のぼせているひとが
増えていることに驚いています。
現代人は頭ばかり使うので頭に血が上っている。
そうなると肝心の子宮や卵巣の血流が悪くなるのです。
中山:
当院でも足が冷えているのに頭はのぼせている・・・
更年期障害のような症状の人が多いですね。
橋本:
のぼせますと下半身は冷えます。子宮、卵巣なども冷え、
妊娠しづらくなるのです。のぼせの原因は、冷えがあってのぼせる、
体が熱くてのぼせる、の二つに大別できます。
例えば水の取りすぎで冷えておこるのぼせがあります。
お腹や下半身に冷たい水がたまり、熱が上へ追いやられて、
のぼせるのです。
この場合は水を排泄し、血の循りを良くする当帰芍薬散を
もちいたりします。
ストレスで体がイライラすると体は熱を持ちます。熱は専ら
上へ昇るのでのぼせてきますし、下半身は冷えます。
例えば加味逍遥散を用います。
また、陰虚と言いますが体を冷ます働きが弱っていて、
体がすぐに熱くなる状態があります。
ストレスや頭を使う、気候の変化などでのぼせが起こり下半身が
冷えてきます。六味丸を用いたりします。
to be continued
Omura