卵子だけでなく精子も35歳から老化
WHO(世界保健機構)の不妊原因に関する調査によりますと、 男性のみに原因があるのが24%、 女性のみに原因があるのが41%、 男女ともに原因があるのが24% 原因不明が11%となっています。 晩婚化や高齢出産が進む現在では、 女性に原因があることの方が多いのですが、 一方で、男性側にも問題があるケースが半数近くに達しています。 その最も大きな原因として考えられているのが「精子の老化」。 最近の研究では、男性も35歳を過ぎたあたりから精子の老化が始まり、 運動能力・耐久力・生存期間が減少すると言われています。 先日、精子の老化によって受精能力が低下する可能性があるという研究結果が、 独協医大越谷病院(埼玉県)から報告されていました。 『男性不妊外来を受診した男性のうち、 明らかに精子の形態や運動能力に異常が見つからない80人分の精子を採取。 精子の能力を調べるために、マウスの卵子に顕微授精させて、 分裂を促す活性化能力があるかどうかを調べた。 その結果、 35歳未満の男性の精子では約7割に活性化能力があったが、 35~39歳では62%、 40~44歳では52%、 45~49歳では39%と、 35歳を境に低下した。』 当院に不妊治療で訪れる患者さんのなかでも、 男性にも原因があるケースは確かに増えています。 当然ですが、女性側だけが改善しても、男性側の改善がなければ妊娠は成立しません。 男性不妊の中には、精巣や前立腺に疾患をお持ちのケースもありますので、 一度、専門病院で検査をされることは大切です。 しかし、一方で、原因不明のため処置がないケースや、 手術をしても改善が乏しいことも多いのが現状です。 そういう場合、是非、鍼灸にトライなさってみてください。 当院の鍼灸やスーパーライザーで精子数・量・運動率が改善した例は、 いくつもあります。 あるいは、精巣や前立腺に疾患をお持ちのケースでも、 泌尿器科で治療をしながら鍼灸を利用されると、効果が上がりやすいですよ。 例えば、慢性腰痛がある場合、それは生殖力の低下を反映しているサインでもあります。 腰痛を改善していくように処置してあげれば、精子力アップに繋がっていきます。 あるいは、強いストレスが原因だと考えられるケースもとても多いです。 実際、当院に来院されるご主人を施術させていただくと、 ほとんどの男性に強いストレスのサインが出ています。 それと、経験上、卵子よりも精子の方がストレスには敏感に反応します。 病院の治療でストレスを軽減することは難しいですが、 鍼灸やスーパーライザーには大きなリラックス効果があります。 それによって、精子の改善を促していきます。 患者さんそれぞれのタイプによって違ったアプローチの東洋医学、 ご興味がおありでしたら、一人で悩まずに、ご相談ください。 田内 ※ちょっと前になりますが、私のお気に入りの桜並木。 賀茂川沿いの桜トンネル。北山大橋東詰から北上していったところ。