もう2週間ほど前になるでしょうか。
とても興味深いニュースがありました。
その記事を抜粋しますと・・・

母体の胎児は、子宮内膜からの圧力により、正常に発生し成長することを
大阪府立母子保健総合医療センター研究所や京都大などのチームがマウスで突き止め、
28日付の米科学誌デベロップメンタルセルに発表した。』
子宮が栄養や酸素の補給以外の働きを持つことを示した初の成果としている。
流産に子宮内膜の圧力が関係している可能性もあり、
同研究所病因病態部門の部長は
子宮内膜の状態を整えることで流産を抑えられるかもしれない」と話した。
不育症の検査、治療や、人工子宮など生殖医療技術の開発にも役立つという。』

まだ、マウスでの実験データに過ぎませんが、
これから子宮の役割の解明が進んで行くことでしょう。

さて、11月13日現在、2013年の妊娠数は100名に到達しました。
当院で妊娠された患者さんは、引き続き、流産予防の鍼灸をご案内しております。
その際、次のような効果を実感される患者さんが多いです。

1)胎児の成長が週数通りか、少し早い傾向がある。

以前、10週目位で7日間も成長が早かったケースがありました。
この患者さんは、体外受精での妊娠でしたから、
受精日が確定しているため、計算のズレはありません。
つまり、純粋に胎児の成長が早まったのことになります。
あまり成長が早いので出産予定日が繰り上がりました。

2)母体の不安感やストレスを軽減する。

鍼灸には、元々、副交感神経を優位にしてストレスを軽減させる効果があります。
妊娠初期の不安感を取り除き、身体をリラックスさせることができます。

3)つわりの軽減。

つわりは病気ではありませんが、毎日続くと身体の負担は大きいです。
ひどい場合は、嘔吐を繰り返し何も食べられないため、点滴を受けるケースすらあります。
しかし、流産予防の鍼灸で、つわりの軽減を実感される事は多いです。

1)の場合、冒頭のニュースから推測すると、
全身、特に子宮の血行を促進することで子宮内膜も厚くなり、
内膜の圧力で胎児の成長が促進されているのかも知れません。

2)の場合も、
ストレスを軽減することは子宮の毛細血管を広げることに繋がりますから、
結果的に、子宮の血行を促進し内膜も厚くなりやすいのではと考えられます。

つまり、今回の記事は、
当院が経験的にやってきた流産予防鍼灸の効果を、
科学的に裏付けている可能性があります。
古くから伝統的に培われてきた鍼灸や整体の東洋医学、
その古くて新しい効果は、これからも次第に解明されていくでしょう。

但し、妊娠後の鍼灸は、患者さんと当院との信頼関係の上で成り立っています。
鍼灸に不安を抱いておられる方には無理に勧めませんし、
妊娠前に当院での通院歴が無い患者さんの場合(信頼関係がまだ成立してませんので)、
申し訳ありませんが、お断りさせていただく事がございます。
ご了承くださいませ。

田内

すっかり寒くなり、街にはクリスマスの装いもちらほら。
写真は、当院近くにある新風館のクリスマスネオン。
neon2013