体がよくなるということが、
質のよい卵胞を育てることにつながります。

「養生法」という言葉は聞かれたことがあると思いますが、
養生法とは、季節ごとの気温や湿度などの変化にあわせた
運動、食事、睡眠などの方法を心がけて、実践することによって、
健康を維持し、病気にかかりにくい体づくりをめざした
生活方法のことです。

最近は、暖かったり、肌寒かったり、日々の気温が一定しない、
まさに春の気候ですね。春は体内の陽気がだんだんと増えて、
多くなってくる季節です。
ややもすると体の中の気が昇って、のぼせたり、めまいがしたり、
吹き出物がでたり、体の不調もでやすい季節です。
今回は養生法のなかで、運動と睡眠について、お話したいと思います。

◆運動:
運動は、体の気をめぐらせて発散させることができます。
暖かい季節は、積極的に運動をすることをおすすめします。
冬場よりも、春は少し意識をして体を動かして気をめぐらせ、
気を発散させていきましょう。
逆に冬は汗をだらだらとかく程の運動はおすすめはしていません。
なぜなら、寒い冬は体のなかも、陽気が少なくなるので、
汗をかきすぎると体内の気をもらしすぎて、体内の気血(きけつ)を
損なってしまうことになりかねないからです。
冬は特に、じんわり汗ばむくらいのウォーキングでも充分です。

運動ではありませんが、時々、「サウナが大好きで、いっぱい汗をかくと
すっきりして気持ちがいいから、週に何度か行く」という方が
おられますが、汗を滝のようにかくサウナは週に一回くらいで
充分ですとお話しています。

◆睡眠:
春は早寝早起きがおすすめです。
睡眠はできるだけ決まった時間に寝て、決まった時間に起きることが
基本ですが、養生法では日の出の時間にあわせて、
起床時間や睡眠時間を調節することを提案しています。
ですので、冬は早寝遅起き。それでも日の出の時間ぐらいには
起きることが基本です。

冬の間はほかの季節よりも少し長めの睡眠時間で、
ちょうどよいくらいなのです。
余談かもしれませんが、熊は、冬眠しますね。
熊は自然の理にかなった方法で冬に体力(気血ともいえます)を
温存しているのです。

養生法を心がけることによって、次の季節の体調が
変わってくるということがポイントです。
例えば、夏にいつも夏バテしてしまう方は、
春のうちから実戦することによって、夏バテを
防ぐごとにつながります。

さらに言えば、陽気が少なくなる冬のうちに冷える食べ物は控えて、
ゆっくりめに起きられたりなどの養生法で、陰の気をしっかりと
養うことによって、夏バテをしなかったり、軽くてすむことに
つながってくるのです。

体がよくなるということが、質のよい卵胞を育てることにつながります。
鍼灸の治療は、急性の疾患(例えば、ぎっくり腰など)にも
効果がありますが、慢性的な不調に対する治療も得意分野です。
免疫力をあげることにつながるからです。

ですので、体外受精をされている方で、
今回はお休みの周期という場合であっても、
鍼治療を続けてきていただくことをおすすめしています。
(もちろん無理のない範囲でね。)
それは、次の周期のための準備のためなのです。

養生法は食事や、こころがけについても季節に応じての
ポイントがあります。
次回もひき続いて、養生法についてもう少し書きたいと思います。

太田 No.8