陰虚(いんきょ)  と  痰湿(たんしつ)

気、血、水の「水」は体の中の
体液や髄液、リンパ液のことでしたね。

そして、「水」のことを津液(しんえき)と言って、
「津」(しん)と「液」(えき)の2種類があります。

「津」はサラサラしたもので体内のいたるところに
巡って潤しています。
「液」は粘り気があって、脊髄、骨髄や臓器の中などを
巡って潤しています。

わかりやすく言うと・・・
津液の不足が、「陰虚」
津液の停滞が、「痰湿」

それでは、簡単におさらいしましたので、
今日の本題に入ることにしましょう・

◆「陰虚」
津液の不足によって、カラダが乾燥して
体の中も外もカサカサになっている状態です。

皮膚は乾燥してカサカサ。
腸は潤いを無くし、便秘気味になり、
便はコロコロになったり、硬くなったりします。
カラダを津液の潤いで満たすことができないので、
喉が渇いたりして、冷たいものを飲みたくなったり
します。
手足のほてりがあったり、夜中に寝汗をかく。
夕方に微熱が出たりする。

必要以上に水分を補給しすぎるので、カラダが
むくみやすくなります。そして、冷える。
カラダがほてる⇒喉が渇く⇒冷たいものを飲む、食べる
⇒カラダが冷える⇒むくむ・・・の悪循環。

そして、骨盤内が冷え、子宮や卵巣に悪影響を
もたらします。

こんな陰虚のタイプの人には、
瑞々しい野菜や果物を食べるといいいです。
(取り過ぎてカラダを冷やさないように)
それと、ネバネバしたものや、トロトロした食材
がいいですね。

◆「痰湿」
津液の停滞によって、カラダの中にネバネバした
水分量が多くなって、肥満傾向になります。
肥満になるということは、体脂肪率や中性脂肪が
増えてしまいますね。
それに、血中コレステロールの値も高くなって
しまう傾向になります。

脂肪太り傾向ですね。肥満に加え、
むくみも出ます。
汗もちょっと粘っこう感じになり、
肌は吹き出物がでたり、口内炎ができやすく
なります。
普段より痰が多く出るようになります。
カラダの中の津液が停滞して、ドロドロ系の
水分が増え、カラダがずっ~と重たく感じます。

痰湿の状態になってしまう人は、
揚げ物が好き、肉好き、甘いものが好き、
食べ好き・・・な人に多く診られます。

糖尿病の傾向もあり、そうなると卵巣機能が
低下します。
多嚢胞性卵胞の症状が出る人に、痰湿タイプの人も
多くおられます。
体内脂肪が増えると、その分代謝が悪くなり、
慢性にカラダが冷えます。

結局、骨盤内が冷え、血行が悪くなり、子宮や
卵巣の機能が低下します。
妊娠しにくい状態に陥ってしまいます。

こんな痰湿タイプの人には、
甘いものを控えて、味の薄いものを食べるように
心がけましょう。
ネバネバやトロトロ食材も、もちろん良いですよ。
海藻類はいいですね。昆布とかわかめなど。

食べ物もさることながら、甘いものを控えて、
適当な運動は必要でしょうね。
これが、みなさん、なかなかできないんですよね。
毎日、何だかんだと、忙しいから。

津液も血液と同じように、それ自体だけでは
体の中を巡りません。
「気」が「津液」や「血」(血液)を体の中に
巡らせているので、気の力を高めなければなりません。
・・・というか、気を巡らせれば、津液も血も
巡ります。

カラダを動かして気を高めたり、動かす。
カラダに良いものを食して気を高めたり、
動かす。
気分を発散させて、元気を回復する。

余り、難しく考えないで下さいね。
そうそう、カラダに良いことをすればいいのです。

次は、気、血、水の「水」の巡りが良くなる
食材をご紹介しましょう。

Omura