2017年12月

Mさん(44歳)
自然周期の凍結胚盤胞移植で
プラス判定。

鍼灸治療は生まれて初めて。

初診の時にいつも患者さんに説明して
いることがあります。

「当院に来られる患者さんの
98パーセントくらいが
生まれて初めて鍼灸治療をされる
方たちですよ。」
と、ご説明しています。

ほぼ全員の患者さんが、
まさか自分が不妊治療を始めて、
妊娠体質づくりのために、
鍼灸治療にチャレンジするなんて
・・・と、
夢にも思ったこともない方ばかりです。

Mさんは最初の電話で受付の
坂口さんに、
「鍼治療が怖いので、整体とか
他の方法はないですか?」と聞かれていた
Mさん。

初診で私が治療させていただきました。
とっても鍼が怖くて緊張しておられ
ましたが、ちゃんと治療方法を説明して、
鍼を1本してみました。

Mさん:「えっ、もう鍼を刺したんですか?」

大 村:「そうですよ。」
「もう鍼をしていますよ。」

Mさん:「痛みなかったし、全然わからない
くらいでした。」

イメージと違って鍼が痛くなかったので、
Mさんは継続して治療に来られました。

一般的に鍼は刺す・・・と言いますよね。
でも、鍼は置く・・・と言うんですよと、
Mさんにお話しました。

「刺す」と言う言葉と、「置く」という
言葉のニュアンスは違うでしょ。
実際には鍼を刺すのですが、
やはり治療の観点からすると、
「鍼を置く」の方がしっくりきます。

Mさんの妊娠までの治療回数は、
10回でした。

治療回数が少なくて済んだのは
当院に来られる前に胚盤胞の受精卵を
2個凍結されていました。

1個は胚移植される前に当院に
来られたのですが、胚移植するまでに
3回しか治療できなかったこともあって、
マイナス判定。

当院に来られて2回目の胚移植で
プラス判定でした。

できれば、胚移植するまでに
最低1ヵ月~2ヵ月くらいは、
胚移植の準備期間として治療させて
いただきたいと思います。

Mさんのカラダの状態は、
腎虚血虚による冷え、
血虚で血が少ないのに、
血液が濁っている瘀血(おけつ)でした。

鍼灸治療で腎の力と、脾胃の力も高めて
消化吸収力を高めました。
すると血が増え、サラサラ系の
血液になります。

お腹や足の冷えは、バッチリとお灸
しましたよ。
鍼をしてそのあとでお灸をすると、
カラダがポカポカですよ。
最近のお灸は良くできていて、
台座があるのでやけどすることって
ないですよ。

ツボがわかればご自分でもできますよ。

漢方もそうですが、
鍼灸治療はその人のカラダの状態に
合わせたオーダーメイド治療ですね。

Omura