胚移植の周期に
カラダの陰陽バランスを整え、
血流改善の治療
6年間の不妊治療から卒業

Oさん(40歳)が当院に予約の電話を
していただいたのが、5回目の体外受精も
マイナス判定になってからでした。
前回紹介しました、未妊サポート情報誌「ふっくら」を
読まれたのがきっかけでした。

一度、体外受精で妊娠はしたものの、妊娠8週に
なっても心拍が出なくて流産されました。
この流産は染色体異常だったのかもしれませんし、
もともと受精した胚の力が弱かったのかもしれません。

Oさんに話を聞くと、不育症の検査はしていないとの
ことでした。
だったら、次に妊娠してからでは検査結果が出るのが
間に合わず、妊娠しても対処が遅れてしまうので、
念のために検査をお勧めしました。

結果は、バッチリ引っかかっていました。
血液凝固因子があったのです。

もし、次に妊娠したらかなりの確率で流産して
しまうところでした。
・・・というのも、妊娠してからヘパリン注射を
したからです。
血液凝固因子の程度が軽ければ、バファリンの服用だけで
済むのですが、ヘパリン注射をするということは、
その程度は軽くはなかったということになります。

一般的に3回流産したら、習慣性流産とみなされ、
不育症検査を勧められますが、40歳をまじかに控え、
妊娠するということがどれだけ大変でしょう。
2回流産すれば、反復流産といいます。
(2~4%程度)です。
習慣性流産は0.3の~0.8%の頻度で起こります。

諸外国では、2回の流産で不育症であると考え、
対処すべきという国も多いようです。

結局、流産の回数が2回であろうと、3回であろうと、
やっと妊娠できたのに、芽生えた命を失うことの
悲しみははかり知れないものがあると思います。

不育症の検査は血液検査で済むので、
ドクターにお願いして検査は早めに
やっていた方がいいのではと思います。

さて、Oさんの基礎体温なんですが、
バラバラでした・・・というか、ガタガタ。
特に高温期が不安定で上がったり下がったりが
目立ちました。

それに、高温期が短かったり・・・。
これは、黄体機能不全で、高温期をつくる
黄体ホルモンが安定して出ていなかったと思われます。

なかなか妊娠できないというストレスが黄体ホルモンの
分泌を抑制しているのではと思いました。

肩こりもきつく、足がむくむ。寝汗をよくかく。
Oさんのカラダの陰陽のバランスが崩れていて、
「陰」の力が足りない、腎陰虚というタイプでした。

腎陰虚のタイプとは・・・
当院のホームページで「あなたはどのタイプ?」
ページをご覧になってください。
腎陰虚をクリックすると、そのページがみれます。

全ての項目が当てはまっていなくても、
おおよそ2個~3個くらいの症状が当てはまっていたら、
腎陰虚と考えます。

腎陽虚という、「陽」が不足のタイプもあるので、
治療法は変わってきます。

Oさんの舌の表面の色は淡紅といって、普通にピンク色で
きれいに見えるのですが、苔が少なくてテカテカ
していました。
これは、少苔といって、苔を作る力が足りないということ。
生命力が落ちている状態です。
舌の裏は全体的に赤みが表面よりやや強く、
そして、舌の裏の舌下静脈は濃い紫色で、
瘀血(おけつ)がいっぱい。
血の巡りが悪いということです。

いろいろと症状が重なっていたので、治療させていただいて、
妊娠体質に十分に近づけるのは、本来なら最低でも
3カ月~4ヵ月の治療期間が必要なのですが・・・。

Oさんが来られたのは、胚移植から9日前でした。
どうしたものか・・・。
胚移植の周期になってしまっているので、
その日程にに合わせなければならなかったのです。

to be continued
Omura