Fさん(43歳、2013年当時)は意を決して転院されることにしました。
転院されるときにFさんとはこんなやりとりがありました。

Fさん: 大村先生、私このまま今の病院で不妊治療続けてていんでしょうか?
もう時間もないし、同じことの繰り返しで結果も出ないし、
どうしようかと思ってるんです・・・。

大村: そうやなぁ、鍼灸に来られてから確実に受精卵の数も増えてるし、
グレードも上がっているんやけど、もう一息なんやけど・・・。
年齢の壁は大きいね。でも、43歳~44歳で妊娠している人も多いよ。
気分を変えるということで、転院してもいいかもね。

Fさん: 気になっているクリニックが2つあるんですけど・・・。
どっちがいいか迷っていて、ネットだけではわかりにくいですよね。

大村: ネットでは良いことばかりしか書いてないから、本当にそのクリニックの
ドクターが実力があるのか、クリニックの治療方針が患者さんに合っているのか、
わかりにくいよね。

そこでA病院とB病院の院長先生の性格や治療方針、クリニックの雰囲気や
看護士さんの対応の違いを説明してあげました。
もう20年以上も不妊治療の仕事していると、どこのクリニックが
患者さんに合ってるのかがわかります。

月に1回程度無料カウンセリングをしていますが、カウンセリングの時に
病院を変わろうか悩んでいるんですけど・・・と聞かれることも
少なからず多いです。
その時は転院してみたいと思っておられるクリニックの特性を説明しています。
それだけでも、患者さんの心のもやもやが晴れる時があります。

先日カウンセリングに来られた方は、結婚されて5年、
不妊治療歴2年でした。カウンセリングが終わってから、
「いろいろ悩んでいたことがスッキリしました。」
「来てよかった!!」
・・・と素直におっしゃって下さったので、無料カウンセリングの
時間を作って良かったと思える瞬間です。

さて、Fさんは2013年5月にA病院からB病院に転院されました。
(ABCで病院名を表現しているのは、病院を特定できないようにしています。
どこの病院が良くて悪くてなんて、書いていることが悪口に取られてしまったら
そのクリニックに迷惑だからね)

転院されて早速クロミッド2錠×5日間。これではA病院と同じですよね。
生理から11日目で卵胞は14mm、10mm、9ミリの3個育っていました。
ちょっと成長が遅めですね。
hmg150単位を追加されました。
ただ、もともとFさんは卵胞すらなかなか出なかったのに、育つようになった
だけでも可能性が出でいます。

鍼灸治療は生理から4日目、9日目にしました。

14日目の診察で卵胞は14mm×2個、12mm、10mmの5個育っていました。
hmg150単位を追加され、15日目にもう一回鍼灸治療をしました。

当院では普通は低温期に2回鍼灸治療をしております。
ですが卵胞の成長の過程を把握し、もう1回治療することもあります。

結局18日目で5個採卵し、3個授精し3つとも凍結できました。
Bクリニックではもう一つ受精卵が必要だということで、
ソフィアを10日間処方されました。

ソフィアの効果を高めることと、高温期の自分から出す
プロゲステロン(黄体ホルモン)を出しやすくするために
採卵後の高温期に1度治療に来ていただきました。

次の周期も採卵の予定になりました。

Fさんの話はいよいよ次で最終回ですよ。

to be continued
Omura