写真は、Sさんが持ってきてくれた、
欄です。
受付が、とっても華やぎました。

この欄の花のパワーも
みなさんにお届けしたくて、
ブログを書かせていただきました。

 

 

前回のお話でお話した、
Sさんのお手紙をブログでご紹介
させてもらいます。

手紙をいただいたとき、
「Sさん、僕を泣かせるつもり?」
と冗談を言って手紙を受け取りました。

最後の治療の日に、
Sさんがお礼を言って下さって帰ったあと、
その手紙を読ませてもらいました。

温かい感謝の言葉に、
この仕事をしていて良かったなと、
改めて思うのでありました。

お手紙には、ちょっといい風に
小生のことを持ち上げすぎじゃない
のかと思いました。

小生としては、仕事として、
治療家として当たり前のことを
しただけですが、Sさんの手紙に胸を
打たれたのです。

それでは、Sさんのお手紙を
ご紹介します。

烏丸御池鍼灸院
大村賢秀 院長

拝啓 大村院長におかれましては、
ますますご清栄のこととお慶び
申し上げます。

烏丸御池鍼灸院では、約9ヶ月にわたり
大変お世話になりました。
お腹のふくらみや胎動を感じながら
過ごす毎日は、想像をはるかに超えて
豊かで、幸せに満ちています。

大村院長には、採卵、移植、妊娠に向けて
体調を整えていただいただけではなく、
物事の見方や心の持ちようまで変えて
いただきました。

院長に治療していただく度に、仕事や
治療のストレスが癒え、不妊をめぐる
不安が妊娠に向けた希望へと変わって
いくのがわかりました。

特に印象に残っているのは、
移植見送りの際の会話です。
仕事の予定と折り合いがつかず、
予定されていた移植が延期された際、
仕事の優先順位を治療よりも高く設定
している自分を苦々しく思うという
主旨の発言を私がしたところ、院長は、
「そんな風に思わなくていいんだよ。
ぜんぜんそんなことないよ。」と
おっしやいました。

この短い会話のあと、診察ブースで
一人になったとき、涙がボロボロと
流れてきました。

それまで成果主義、効率第一の
頭でっかちな仕事人間だった私が、
心身の弱いところも含めて自分を受け入れ、
愛することができるようになった瞬間
だったように思います。

今私は、毎日ゆっくり歩き、だるさや
眠さを「心の弱さ」と断じて戒めることも
なく、季節の移り変わりを全身で感じ、
体をいたわりながら仕事や人生を
組み立て直しています。

毎日、自分が大きな宇宙の一部で
あるという安心感のなかにいます。
大村院長との出会いは、私のこれから
先の人生にも、大きな影響を与え続ける
はずです。

また、職業人としても、毎回院長の
仕事ぶりを拝見し、多くを学びました。

東洋医学の分野では、西洋医学の知識や
知見とは相容れないという前提で治療を
行う方が少なくないように感じています。
(もっとも、逆もありです)。

他方で、大村院長は、西洋医学による
治療の最先端を理解しつつ、
鍼灸や気功によって体全体に働きかける
ことで、病院の治療効果を最大限に
しようとするマインドの持ち主だと
お見受けしました。

ご自身の専門に拘泥せず、他分野の知識や
方法を学び、成果を上げる院長の姿は、
プロフェッショナルとして見習うべき
ものです。

ありがたいことに、私は、仕事をする
うえで、社会的にも人格的にも優れた方に
お会いすることが少なくありません。

彼らは共通して、突き刺さるような
緊張感と、全ての人を包む込むような
おおらかさをあわせ持っています。
これはおそらく、社会を良くしたいとか、
人を助けたいと願う温かさを持ちながら、
その目的のために自分に必要な知識や
技術を高めねばならないという責任感に
突き動かされているからなのだと思います。

私から見て、大村院長はまさに
こういう方です。治療のたびに、
心が緩むとともに、襟を正すような
気持ちになりました。

色々な事情や心情の患者さん全員と、
こうした態度で向き合うことは、
大変な重圧になるこのと推察いたし
ます。

ですから、
閉院のお知らせを拝見したとき、
もちろん残念な気持ちもありましたが、
同時に、少しゆっくりして英気を養って
いただきたいと思いました。

私が申し上げるまでもありませんが、
院長の知識や経験、お人柄と情熱は、
治療という形態でなくても、
多くの人を幸せにします。

どうぞお体に気をつけて。
これから先も、院長がたくさんの
素晴らしい出会いに恵まれますように。

私も、たくさんの出会いのおかげで、
授かり、院長の気によって力強くこの世に
根付いた命を、大切に育てていきたいと
思います。

この度は、どうもありがとうございました。

Sより

なんと、ありがたいお言葉。
泣かせるね~。
でも、ちょい小生を持ち上げすぎだと
思うけどね。

Sさん、お手紙ありがとう
ございました。
英気を養いたいと思います。

Omura