『卵巣年齢が高いとドクター言われました。
私、妊娠できるでしょうか?』

初診でこう切り出した患者のDさん38歳。
聞けば、ドクターから指摘された数値は、FSH≒12。
焦りと不安が入り混じり、数値のことでストレス一杯、
そんな第一印象でした。

『病院によってもFSHの基準値は多少違うし、
生理周期によっても変動します。
なにより、もっと高い数値で妊娠した方も大勢おられます。
12 という数値は、決して、気になさるような数値ではありませんよ。』
そうお答えしました。

さて、FSHとは卵胞刺激ホルモンの事で、
不妊治療の現場でよく耳にしますよね。
何を見ているのかを簡単に言いますと、
その多くは、生理中又は卵胞期のFSHを測る事によって、
「その周期の卵巣疲労度を知ること」。
数値が高いほど、卵巣が疲労している事になります。
つまり、数値が高いほど、卵胞が育ちにくい傾向になります。
これが下がらず高値が続くと、閉経が近づいていることもありますので、
数値を気になさる方も多いと思います。

病院では、その数値によって、
「今周期、卵胞が出てきそうか?」
「出てきそうなら、どれ位の刺激量で排卵誘発するか?」
「卵巣を休めるためにホルモン剤で高温期を作り、
リセットした方が良いか?」
等々
治療方針を決める判断材料にしています。
ただし、その基準も病院によっても様々、
ドクターによっても様々、
つまり、極めて幅のある数値と言ってよいでしょう。

もう一つ、FSHは、一般的に変動しやすい数値です。
数値が高い=卵巣年齢が高い とは必ずしも言えないのです。
一時的に、その周期(採血した周期)の卵巣が疲労しているのは確かですが、
この数値だけで、必ずしも卵巣年齢を反映している訳ではありません。
ストレス等が原因で、一時的に数値が上がる場合もあり、
その後、数値が回復する例も多くあります。

実際、不妊専門病院では、FSHが20あるいは30を超えると、
ホルモン剤でリセットするのが一般的です。
しかし、薬剤を使っても数値が下がらなかったり、
卵胞がなかなか育たなかったりすることも多いです。

そんな時には、鍼灸・整体をうまく併用なさると良いでしょう。
当院では、リセット中の患者さんに、鍼灸・整体をさせて頂くと、
自然に数値が下がりやすくなって、
その後、正常に卵胞が育つ方も多いです。
もし、FSHがかなりの高値であっても、
ご自身の卵巣力をアップすることで
自然に卵胞が育ち、
採卵、受精卵凍結、胚移植に至った例を
当院では沢山見てきました。

長くなりましたので、次回はいくつかの例を挙げてみますね。

タウチ