2014年1月にNさんは大阪のクリニックに転院されました。
Nさんは42歳になっていました。
一応、卵管造影検査、不育症と着床障害の検査をされましたが、
特に問題は見つかりませんでした。

特に問題がないのに何故妊娠しないの・・・と思いませんか?
当院にも特に問題がないと言われ、体外受精を何回もしているのに
妊娠できないくて困り果てている患者さんが多く来られます。

その多くの患者さんは卵子の質が悪い方がほとんどかもしれません。
いくら子宮内膜が厚くなって妊娠しやすい状態にあっても、
肝心の受精卵の力が弱ければ、胚移植しても移植した胚は途中で
分割が停止してしまっているのでしょう。

西洋医学的に見ていろんな検査した結果、「特に問題ない」と言われても、
東洋医学的に見たら妊娠できない問題が見つかることが多いです。
当院で卒業されて行かれる患者さんのほとんどは、受精卵のグレードが上がっています。
それは、体の中から不調を直し、「気」と「血」の流れを整えるからなんですよ。

さて、Nさんは初めてのショート法をすることに。
左に4個、右に7個卵胞が成長しました。
今までこんなに多くの卵胞が育ったことはありませんでした。
今回はショート法ということと、鍼灸治療とスーパーライザーの
組み合わせた治療が良かったのかもしれません。

ただ採卵できたのは7個。3個授精しましたが、2個の授精後すぐの凍結になりました。
凍結の卵胞が少ないため、もう一回採卵することになりましたが、
ショート法をすると2か月くらい卵巣を休ませてあげなければなりません。
そこで、翌月はとりあえずタイミングをとり、翌々月は人工授精をされました。

仕事が多忙なためなかなか採卵できず、3~4か月はタイミングと人工授精を
繰り返していましたが、妊娠には至りません。
やっと次の採卵の予定ができ、今回はHMG150単位の注射で採卵
することになりました。
生理9日目で卵胞は8ミリ、10ミリ、14ミリに育っていました。
まだ卵胞の成長が遅いので、フェリング225単位とセトロタイドを使い、
3個採卵、1個を3日目で凍結されました。

この時、Nさんはひどい腰痛だったので対処療法ではありますが、腰の鍼をしました。
腰の鍼のツボの中には、生命力を高めるツボもあるので、当院では腰痛を治療しながら
卵胞の質を上げる治療法を選択しました。

次の周期は人工周期にして凍結3日目の胚を移植することになり、
この人工周期に合わせて鍼灸治療もさせていただきました。
この時の3日目の人工凍結胚移植でNさんは妊娠されました。

その後、妊娠13週まで流産予防の鍼治療を毎週させていただき、
つわりも随分と楽だったようです。
そして、妊娠20週に入り安産のお灸に来られました。
本来ならこれで最後の治療になるのですが、30週目に入り連絡がありました。
それは、「逆子」。
妊娠30週くらいまでなら、鍼灸治療で焼く80%くらい治ります。

2015年6月。Nさんは42歳11か月で無事出産されました。お礼の言葉、
そして出産できたことの感謝がいっぱい綴られていました。

最後まで治療をあきらめなかったNさん、本当に良かったです。

不妊治療をどうしようか悩んでいることがあって、
どうしていいかわからなくなっていたら、
良かったら鍼灸治療にトライしてみませんか。

Omura