Posts By: yamo


2014年12月22日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.3 -②~44歳で出産されたFさん~

前回はFさん(44歳)のお手紙を紹介しました。
10年前くらいは、お礼のお手紙というのが多かったのですが、
最近は出産したらメール下さいね・・・と言ってます。
出産後バタバタするでしょうし、産後の肥立ちが悪ければ、
手紙を書く余裕なんてないでしょう。
メールだと今の時代に合ってるし、人によっては出産したその日に
赤ちゃんの写真を送ってくれる方もおられます。
当院に来られて妊娠された方のほとんどは、

★流産予防の鍼灸治療(12~14週くらいまで)
★安定期からの安産のお灸の練習
などをしていますので、比較的スムーズに出産される方が多いですよ。

Fさんが当院に来られたのは2012年6月の末でした。当時42歳。
彼女の状態は体外受精のために採卵を7回くらいしたけれど、
授精3日目でほとんどが分割停止、または変性卵。
1回だけフレッシュの3日目で胚移植したけれど、判定はマイナス。
21年前に1度妊娠したけれど化学流産。

Fさんは22年ぶりの妊娠で出産されたのです。
当院に来られて1年と4ヵ月くらいかかりましたけど、
空白の21年の長さを考えると、治療期間は短くて済んだかもしれません。

Fさんの治療にあたって、私の診断は・・・。
気血両虚。肝鬱。腎陰虚で火照るけど、下半身の冷えがキツイ。
卵管は通水をして通っていると言われていたので、
先ずはタイミング療法に合わせて治療することにしました。

ストレスがキツイので停滞した「気の流れ」を良くするツボを選んで
体がリラックスするよう心がけました。
いつもストレスでイライラして気が上ってしまうと体は火照ります。
ストレスでイライラしていると脳の血液の消費も多くて、
脳内の血流が滞り視床下部からのホルモン分泌の指令も鈍りますね。
交感神経優位になってしまい方の体は血管が緊張で硬くなり、
全身の血行が滞ります。
もちろん、子宮や卵巣の動静脈の血の巡りも悪くなるので、
質のいい卵子は育ちにくいです。子宮内膜は血流不足で厚くなりにくく、
色が悪くなり着床もしにくくなります。

血の巡りってとっても大切ですね。

1回目のタイミングでは妊娠できず生理が来てしまいました。
まだ準備不足だったのですが、次は採卵に臨むことになりました。
そして・・・

to be continued
Omura


2014年12月15日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.3 ~44歳で出産されたFさんからの手紙~

先日、当院に届け物がありました。
あれっ、何も注文してないのに・・・誰からやろ・・・と
送り主のお名前を確認すると、Fさん(44歳)でした。
でも住所が京都じゃないし・・・そういえばご主人が転勤するかも
と言っていたのを思い出しました。

送っていただいた品は中田屋のきんつばでした。IMG_2531
ネットで調べてみると金沢では有名な和菓子屋さんでした。
同封されていたお手紙を読んで、この仕事をしていて良かったなと
思える内容に、こちらこそ「ありがとう」の気持ちでいっぱいになりました。
さっそくFさん(44歳)にお礼の電話をしました。

トゥルルル…と電話のベルがなって、電話に出られたのはFさんでした。
すぐに繋がってよかった。

「烏丸御池鍼灸院の大村ですが、Fさん、この度は結構な品を送って
いただきありがとうございます」
「大村先生、お久しぶりです。出産の報告が遅くなって・・・」
「良かったね。もう出産したんや」
「3ヵ月前ですけど、バタバタしていて連絡できなかったんです」
「住所見たら京都を離れたんやね」
「そうなんです。主人の転勤で」・・・なんて会話をしました。

「何か、とっても心温まるお手紙ありがとう」
「よかったら、Fさんの手紙の内容をブログでご紹介してもええかな」
と聞いてみたら、
「いいですよ」と返事をいただきましたので、ご紹介しようと思います。

拝啓
師走に入り寒さも本格的になりました。
先生方におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
ご報告が遅れて誠に申し訳ありません。
本年8月に女児を無事に出産させて頂きました。
名前は○○です。その節は院長先生、副院長先生をはじめとし
各先生方にお世話になり夫婦共々、日々感謝し過ごさせていただいています。

治療中には悲しいこと辛いことも多く気持ちが沈みがちになることも多く
ありましたが、いつも前向きになるよう様々なアドバイスや治療を
していただいたことをを覚えています。
そちらに伺えることができたのも院長先生がおっしゃっていたように
縁があったからなのだというお言葉を思い出します。
本当にめぐり合わせていただけて有難い気持ちで一杯です。
命名にはこのような気持ちを込めさせていただきました。
最近のですが写真を同封させていただきました。
今後も今の気持ちを大切にし育児に励んでいきたいと思います。
毎日寒さが厳しくなってゆきますがどうかお体ご自愛くださいませ。
お礼まで。

丁寧につづられた文章にFさんの喜びが伝わってきます。
彼女も随分と不妊治療で苦労された方でした。
治療中によく「縁」の話をすることがあります。
今、あなたがここにいて、そして私が治療させていただいてという状況は
「縁」があるからだと思いますよ。
これは偶然ではなく必然かもしれないね。
全国に分院を持っていて、いろんなところで不妊治療のお手伝いをしていたら
出会う確率は高くるけど、あいにく京都でしか治療していないし、
当院に患者さんとして来ていただいたのもやはり「縁」なのだと思います。

Fさんの妊娠・出産までのストーリーは次回にご紹介しましょう。

あっそうそう、いただいた中田屋のきんつば、上品な味で
めっちゃ美味しかったですよ。
苦難を乗り越えママになったFさんおすすめの和菓子。
げんを担ぐアイテムとしていいかもしれません。美味しかったしね。
ネットで取り寄せもできるから、お試しあれ。

Omura


2014年12月8日 blog 0

排卵誘発法ーその必要性と意識の持ち方③

成長ホルモンの効用
~日常生活を見直す~

それと私は常々思っているのですが、
成長ホルモンの効用です。
卵の質を上げるのには成長ホルモンも効果があるのです。
以前は大変高額な成長ホルモンそのものを注射する方法も
行っていましたが、もっと簡単な方法があります。
午後10時から午前2時までの間に眠ること。
この睡眠の間に成長ホルモンが大量に分泌されます。
ただし眠っていることが条件となります。
早く寝る、睡眠をしっかりとるというのも質の良い卵子の
形成にとても大切です。

現代人はコンピュータの液晶画面を見ることが多いですが、
この光が成長ホルモンの分泌を妨げているのではないかと
思います。
夜、寝る前に強い光を浴びると自律神経が変調をきたします。
現代人は光を浴び過ぎだともいえるのではないでしょうか。

きちんと寝るべき時に寝る、夜は強い光を浴びない、
そのような簡単なことが実は大事だと思います。

・・・と、足立病院生殖内分泌医療センター長の
中山貴弘先生はおっしゃっています。

ふむふむ、なるほど・・・と思うところはありましたでしょうか。
私も良く患者さんにアドバイスしているのですが、
ネットサーフィンのやり過ぎは集中してコンピュータの画面を
何時間も見続けてしまうので、まず目が疲れるでしょ。
肩もこってきて、血行も悪くなりますよ。
交感神経が優位の状態で睡眠に入っても、自律神経が安定しないので
質の良い睡眠がとれにくくなりますよ・・・とアドバイスしています。

でも、なかなか、ついつい見てしまうんですよね。
何か妊娠のためにいい情報がないか調べてしまうんですよ。
・・・と患者さんの多くが言われます。

だって人間だもの。気になってしまうでしょ。
しかし、何でもほどほどが良いと思いますよ。
過ぎるは良くないですよね。
関西でいうところの、ええ塩梅・・・がいいのではないでしょうか。

次回は「やっと妊娠できましたNo.3」
~44歳で出産されたFさんのお手紙~をご紹介しましょう。

Omura


2014年12月2日 blog 0

排卵誘発法ーその必要性と意識の持ち方②

足立病院生殖内分泌医療センターが発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌「ふっくらNo.9」より
同センター長、中山先生のコメントの続きをご紹介しましょう

排卵誘発剤もあるが
自然排卵をあきらめない

PCOSおける排卵障害の原因はホルモンの
アンバランスです。これらの数値は血液検査でわかります。
ホルモンバランスを整えるための対処法としては
排卵誘発剤を使います。
排卵誘発剤を何度か繰り返し投与すると、だんだんと
自然排卵するようになることもあります。
そのサイクルを作っていくことも大事だと思います。

漢方なら芍薬甘草湯などを用いることもありますし、
糖尿病治療薬も使います。これらによりホルモンバランスが
是正され、それが男性ホルモンの低下を引き起こし
排卵回復につながっていきます。

また脂肪や糖質の代謝が悪いとホルモンのバランスが
悪くなり、排卵障害を引き起こす原因になってしまうので、
体質や食習慣の改善も重要となってきます。

次は排卵誘発法の最後としてその3をご紹介しましょう。
成長ホルモンの効用~日常生活を見直す~です。

to be continued
Omura


2014年11月27日 blog 0

排卵誘発法ーその必要性と意識の持ち方①

足立病院生殖内分泌医療センターで発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌の最新号
「ふっくらNo.9」できあがりました。
一年に1回くらいのペースで出されていますが、
今回のNo.9はNo.8の続きがありましたからね。

では、1ページ目は、同センター長の中山貴弘先生のコメントです。
では、その内容を紹介していきましょう。

排卵誘発法
その必要性と意識の持ち方

不妊の原因のひとつ排卵障害は卵子が卵巣から出てこられない病態です。
卵子はちゃんとあるのですからあとは排卵できるよう、
きちんと治療を受けることが大切です。

●排卵障害をもたらす原因の一つは、
実は男性ホルモン

最近の排卵障害の一つとして多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が
増えています。PCOSでは、卵巣内に卵子は多数あるにも
かかわらず卵胞が成長せず、卵巣の中でたまっている状態に
なっています。
また通常、卵胞が発育し成熟すると卵子は卵巣の皮を溶かして
飛び出してくるのですが、PCOSでは皮が固くなっており、
それができない状態になっています。

少し前はこんな排卵障害の患者様は太っている人がほとんどでした。
というのも脂肪組織から男性ホルモンが生成されるため
太っている人は男性ホルモンが増える。
その結果、卵巣の皮が硬くなるということが多かったのです。

最近は隠れ肥満(?)なのか、見た目痩せている人でもPCOSの方が
多くみられるようになりました。排卵誘発治療を必要とする
患者様も増えてきています。

to be continued
Omura