Posts By: yamo


2013年2月22日 blog 0

FSH と AMH 3

タイトルに記載しているFSH と AMH。 どちらも、卵巣の状態を知る指標として、一般的に知られています。 しかし、この2つの数値の解釈は、意外に知られていないので、 ここで、少し触れておきます。 1 FSH これについては、その周期の卵巣の疲れ具合を表しています。 そして、とても変動しやすい数値です。 あまり数値に振り回されないようにしてください。 詳しくは、 『FSH と AMH 1』 『FSH と AMH 2』 を参照なさってください。 2 AMH 今回は、このAMHについてコメントさせていただきます。 さて、AMHとは・・・ 抗ミューラー管ホルモンと呼ばれる女性ホルモンの一種です。 卵巣の中にある、これから育っていく卵胞(発育卵胞、前胞状卵胞)から 分泌されるのがこのホルモン。 AMH検査は一般に、「卵巣年齢を測る」と言われていますが、 その理由は、その数値を測定することによって、 今後、「卵巣の中にこれから育つ卵胞がどれくらい残っているか」を おおよそ知ることが出来るからだと言われています。 つまり、数値が低ければこれから育つ卵子が少ない事を意味します。 では、高いと良いかと言うと、必ずしもそうではありません。 逆に、数値が高すぎると、PCOS(多嚢胞性卵巣)の疑いが出てきますので、 これも良くないと言われています。 何事もほどほどが良いですね。 (PCOS(多嚢胞性卵巣)については、またの機会に触れますね) さて、重要な事は、「AMHの値が低いからといって、必ずしも卵子の質が低いとは限らない」 という事です。 患者さんの中には、この数値が低くて、かなり悲観的な方もおられますが、 数値が低くても妊娠された例は沢山あります。 次回は、その実例を交えてもう少し書き足していきますね。 タウチ


2013年2月19日 blog 0

FSH と AMH 2

前回、FSHとAMH 1 のお話を書きましたが、今回は、その続きです。

さてFSHの基準値ですが、病院によっても様々で、一般的には、
低温期(生理中から排卵前)で3~15位が正常値と言われています。
では、この値を超えた場合、卵胞は育たないのでしょうか?
答えはNOです。
育ちにくい環境ではありますが、
数値とは関係なく卵胞が育った例はいくつもあります。
以下に、その実例を挙げてみますね。

1)Hさん49歳のケース
なかなか卵胞が育たず、一時、生理中のFSHが113まで上がりました。
しかし、Hさんは諦めずに体質改善を行いました。
次の周期に数値が63に下がり、
そのまた次の周期に34まで下がりました。
しかし、まだ通常の基準値以上でしたが、
自然周期で様子を見ながら、鍼灸・整体で代謝アップをはかり
さらに スーパーライザー で卵巣の機能アップを行いました。
結果、卵胞が育ち、採卵そして受精卵を凍結出来ました。
実に、2年半ぶりの出来事だったそうです。
実際、かなり厳しい数値でしたから、よく諦めずに頑張ったと思います。
そのHさん、スーパーライザー後のコメントがとても印象的でした。
『卵巣辺りに出てきそうな感じがした』そうです。

2)Iさん48歳のケース
FSHが80まで上がりましたが、
自然周期で鍼灸・整体で卵胞を育てる施術を行いながら様子を見ていると、
卵胞が2~3個出てきました。
しかし、自然周期のため、採卵が間に合うように、
排卵を遅らせる鍼灸を行いました。
(この辺りは、不妊専門だからこその細かいサポートだと思っています)
主席卵胞を採卵、新鮮胚移植しました。
残念ながら、妊娠には至りませんでしたが、
数値だけでは計り知れないIさんの卵巣力には、正直、驚きました。

3)Kさん37歳のケース
病院でFSHが18位と言われ、
あなたの卵巣年齢は42歳位だと言われた事にショックを受けておられました。

ご本人には、
FSHが卵巣年齢を表している訳ではないし、数値も決して高くないこと。
東洋医学的には、大きな問題点は見つからないこと。
その旨を伝えながら、Kさんの施術にとりかかりました。
特に、重点を置いたのは、
1)生理期の施術・・・生理をしっかり終わらせる。
2)卵胞期の施術・・・卵胞の成長を促進する。
3)高温期の施術・・・子宮内膜を厚くし、高温期を維持する。

その結果、わずか1ヶ月、3回の整体施術のみでみごと自然妊娠!!
流産のリスクを下げるため、引き続き、流産予防の鍼灸をさせていただきました。
そして無事に出産。
初診では不安いっぱいの顔だったKさん、
妊娠後の笑顔が忘れられません。

このように、FSHは変動しやすく、
必ずしも卵巣年齢とイコールではありません。
だから、数値にとらわれすぎないでください。

一方、卵巣を評価する数値として、
もう一つ、AMHがあります。
これについては、また次回に書きますね。

タウチ


2013年2月17日 blog 0

2012年 妊娠報告(113名) No.2

施術期間

0-6ヶ月=74人

6-12ヶ月=22人

12-18ヶ月=10人

18ヶ月以上=7人

2012年 妊娠報告(113名) No.1
に引き続き、今回のグラフも特徴的な結果が出ました。

比較のため、昨年の成績 2011年 妊娠報告(72名)No.2

を参考になさってください。

1)2012年も、2011年とほぼ同様の結果
施術開始から1年以内に妊娠なさっている方が全体の85%。(2011年=86%)
施術期間の平均が6.2ヶ月。(2011年=6.1ヶ月)

当然、妊娠されている患者さんは違っていますし、
それぞれ違った状況で来院なさっておられました。
その中でこの結果は、当院が妊娠数を増やしながらも、
前回同様の施術期間の中でコンスタントに結果を上げているためと
考えております。

2)早く施術を開始した方が良い結果につながりやすい。
今回妊娠された患者さんの多くは、病院での治療歴が数年以上経過しており、
病院の治療だけでは、結果が出ない方ばかりでした。
しかし、東洋医学的なアプローチで体質改善を行うと、
スイッチが入ったかのように、早く結果が出る方もおられます。
それが、半年以内の妊娠(66%)に表れていると思います。

但し、体質によっては、改善に時間がかかる方もおられますので、
(病院で不妊の主原因がいくつもある場合や、
東洋医学的に多くの問題点がある場合など)
その場合は、問診をさせて頂きながら、計画を立てて少しずつ改善していきます。
それと、今回も、初診から妊娠判定までを施術期間に加算していますので、
途中で当院の通院を中断なさったケースでは、
実際の施術期間よりも長く計算されています。

もし、早期に妊娠に至らなくても
体質改善は、これよりももっと早くに実感しておられます。
生理痛軽減、
基礎体温の変化、
足の冷えの改善、
夜間熟睡出来るようになった、
毎年の喘息発作が出なくなった、
アトピーの軽減、
花粉症の軽減・・・

体調が整ってくると、少しのきっかけで妊娠に至るケースは少なくありません。
鍼灸や整体はそのきっかけになる事が多いです。
特に、体外受精にトライなさる前や、胚移植なさる前には、
是非、しっかり準備される事をオススメします。

いつでもご相談ください。

次回は、施術回数別のグラフを作成する予定です。

タウチ


2013年2月16日 blog 0

<卵子老化>米の医科大、メカニズム特定

先日のニュースからの抜粋です。 『女性は生まれた時、卵巣には卵子のもとの細胞が約100万個あるが、 思春期以降に成熟して排卵に至るのは500個程度。 細胞ではDNAを傷つける活性酸素などが日常的に発生し、 修復する遺伝子が働いている。 DNAが傷つき、損傷を修復できない場合は細胞が自然に死ぬ仕組みがあるが、 修復が不完全なまま卵子になると、 正常に受精、妊娠に至る確率が下がると考えられる。 米ニューヨーク医科大などの研究チームが 24~41歳の不妊治療中の女性に協力を求めて調べた結果、 主要な修復遺伝子の働きが長期的になだらかに低下する一方、 別の3種類の修復遺伝子の働きは36歳以降に急低下することが分かった。 研究チームは「発見を生かして卵母細胞のDNAを修復できれば、 卵巣の老化速度を遅らせることもできるかもしれない」としている。』 私なりに解釈すると、 臨床では、採卵しても空砲だったり、あるいは変性卵だったりする確率が、 年齢に比例して多くなってきます。 これは、卵子のもとの細胞が、 卵巣内での待機している間にDNAが傷いた場合、 修復が問題ない細胞が成長して主席卵胞になった場合は正常な卵子になり、 修復が不完全な細胞が成長した場合は空砲や変性卵になる、 という結果を表しているのかも知れません。 この研究の臨床への応用は、まだまだ先になりますが、 今、現在、不妊治療中の患者さんが出来ることを考えていきましょう。 それは、前回、ご紹介しました『アンチエイジング』に トライなさってはいかがでしょうか。 1)適度な運動 2)食事は腹八分目(食べ過ぎない) 3)鍼灸・整体での体質改善 1、2は、前回のブログで書いたように、 サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにします。 3の鍼灸・整体について補足しますと、 鍼灸・整体で体質改善を行うと、 受精卵の質が上がる事が、経験上あります。 このことは、鍼灸・整体によるアンチエイジング効果の表れだと思っています。 (科学的に証明されている訳ではありませんが) 高価なサプリメントも否定はしませんが、 まず出来ることから始めてください。 そして、さらに鍼灸・整体も上手に利用して頂きながら、 卵子の質を上げ、妊娠に近づいて頂きたいと願っております。

タウチ ※写真は、少しわかりづらいですが、今朝の天気雪。 通称「たぬきの嫁入り」といいますが、その語源はよくわかりません。


2013年2月13日 blog 0

アンチエイジングのスイッチをONに

つい先日、長寿遺伝子の話がTV放送されていましたね。
ご覧になった方も多いと思いますが、
ここで、少しおさらいしておきます。
と言いますのも、不妊治療と無関係ではないからです。

わたしたちの老化をコントロールしていると考えられる
サーチュイン遺伝子は、すべての人が持っている遺伝子です。
けれども、このサーチュイン遺伝子、
普段はスイッチがオフの状態になっています。
つまり、老化を抑制するためには、
このサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにしなければならないのです。
では、どうやってスイッチをONにするのか・・・

1)適度な運動

2)食事は腹八分目

3)レスベラトロールを摂る。
  赤ブドウの皮やピーナッツの皮に含まれているそうで、
  赤ワインや皮付きピーナッツを食べる事で摂取できる。

このサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにすると、
アンチエイジングに繋がります。
それは、つまり、子宮や卵巣のアンチエイジングにもなります。

不妊治療が長くなると、ホルモン剤の影響もあって、
身体が太りやすくなります。
不妊治療を始める前と比べて、体重が増えた方は、
今からでも始められる、適度な運動と腹八分目を
これを機会に、少しずつ実行なさってはいかがでしょうか。

タウチ


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