2015年7月10日 blog 0

夏の冷えに温かいお茶

毎日じめじめとした蒸し暑い日が続いていますね。
台風も続いて来ているようですし、蒸し暑いのと気圧の変化で体調を
崩しておられる患者さんが多いように思います。

患者さんの中にはこの暑さにも関わらず、冷え症で手足が冷たくなっている方が
少なからずおられます。

その要因としてまず、エアコンによる冷えがあります。
患者さんから話を聞いていると家ではご主人に合わせて、また職場では男性職員に合わせて
寒いくらいの温度設定の中で過ごされているという方も多くおられます。
中でもデスクワーク等の座りっぱなしのお仕事をしていると、
全身の血流も悪くなるので、さらに悪影響を及ぼします。

他には普段の生活習慣でも冷え症になります。
例えば、食生活の乱れや無理なダイエットでも体のホルモンバランスが崩れ、
体が冷えやすくなります。

東洋医学的にみると気の作用が弱まるのも冷えの原因になります。DSC03132
気の作用はいくつかありますが、その中に温煦(おんく)作用といって、
体温を一定に保つための作用があります。

その温煦作用が弱まると内臓機能も低下し、体が冷えやすくなるのです。
体の冷え、特に内臓の冷えは不妊症の原因にもなるため、当院では冷えがある方には
温煦作用を高めるための治療もおこなっています。

鍼とお灸の治療に加え、血行を良くする推拿マッサージ、
スーパーライザー治療で冷え対策をしております。

私は以前中国の浙江省杭州市という街に留学していました。
この地域は夏はとても暑く日中は毎日気温が40度を超えるほどでした。

当然のように毎日冷たい食べ物を食べたり、キンキンに冷え飲み物を飲んだりしていると、
ある日中国人の友達がそれを見て、「そんなに冷たい物ばかりだと体に悪い!内臓にも良くない!」
と注意されたのを覚えています。

確かにその時周りを見ると中国人の多くは常温もしくは温かい飲み物を飲んでいました。DSCF0829
中国ではそういった意識が子供から大人までしみついていることはすごいと思います。

しかし夏には冷たい食べ物や飲み物がほしくなるので、過剰に摂取するのは避け
適度に食べたり飲んだりする分にはいいと思います。
火照った体を冷やすのではなく、冷ましてあげるという感じでしょうか。

ちなみに杭州市には龍井(ロンジン)村にお茶が有名な場所があります。
お茶の名前はそのまんまで、ロンジン茶。日本の緑茶と同じようなお茶です。
杭州市に住んでいるころはお茶を飲む機会が多かったのですが、
そこでのお茶もやはり温かかったです。

中国茶はあまり飲んだことがないかもしれませんが、機会があれば1度飲んでみて下さい。ちなみに中国では普段、茶葉を器に入れたままお茶を飲むことも多いです。
ときどき茶葉が口の中に入ってしまう時もありますけどね。
とても美味しいですよ。
写真は中国留学中に撮影したものです。

山崎(ブログ3)


2015年7月7日 blog 0

全てはつながっているのです

毎日、鍼灸治療をさせていただいていると、
「お家で自分でできることはないでしょうか?」とよく聞かれます。

鍼灸治療は奥が深いとよく言われますが、一言でどんな事をする治療かといえば、

「気(き)と血(けつ)をよりめぐらせて、体のバランスをとりもどす」治療

といえるかと思います。そうする事でホルモンバランスのくずれ、
自律神経の乱れを整えることができます。

体が冷えている場合は、お灸で温める。逆に熱がこもっている場合には、
鍼で熱を抜くという治療をします。

体の上下のバランスもあります。

男性よりも女性は足が冷えるという方が多いですが、
女性は男性よりも筋肉量が少ないので、(ふくらはぎの筋肉は静脈の血液を
心臓にもどすポンプの役割もあります)血液を心臓にもどす力が男性よりは弱く、
そのために体の細部に血液をめぐらせる力が男性よりは弱くなりがちです。

またイライラ、パソコンをみる時間が長すぎたりすると、気血(きけつ)が
上にのぼりがちになります。

燃えている炎は、上にのぼっていきます。
また、反対に水は上から下に流れます。
お風呂のお湯をわかす熱気溝は下の方にありますが、熱が下にあり、
冷(冷たさ)が上にあれば、自然に全体が温かくなりますが、
冷えが下にあり、熱が上にあると別れてしまい、人為的に混ぜてあげないと
全体が温かくなりません。

人の体も同じことが言えます。
鍼灸治療では、下半身が冷え上半身に熱があるという方は、

気血をめぐらせて上下のバランスをとるという治療もしているのです。

最初の質問、「お家で自分でできることはないでしょうか?」にもどりますが、
お家では毎日の生活の中で、できるだけバランスのとれた食事をとる、
適度に運動をする、よく眠る(眠れないという方は、鍼灸治療でお手伝いさせていただきます)
ということが大切です。

どれもあたりまえの事のようですが、気と血をめぐらせるにはとても大切なことです。
また笑えば、気血もよくめぐります。
気血がめぐり体がよくなることで、卵の質もよくなります。
全てはつながっているのです。

太田


2015年7月1日 blog 0

烏丸御池鍼灸院のフォーチュン・スウィーツNo.11

粟玄の「和洋」

 

Oさんの治療を終え、次のご予約をいだだいて帰られるときに1435722013738
「これ、どうぞ食べてみてください」と言って、受付に置いてくださいました。

「何かごめんね、気を使っていただいて・・・もしかして美味しいものかな~」と
冗談を交えて言ってみると、

「先生とこのブログでスウィーツの紹介してたでしょ。」
「このお菓子、美味しいから持ってきました」と言って下さいました。

「じゃぁ、このお菓子をご賞味させていただいて、ブログで紹介していいかな?」
「どうぞ、いいですよ」・・・みたいな会話で、さっそくいただいてみました。

感想は、ん~美味しい。うまっ!!
何やろこの香ばしい味とナッツのサクサク感。
何個でも食べれそうな大きさで、ついつい2個、3個と口に運んでしまいそうで、1435722024637
癖になる味でした。

これは、取り寄せして自分が食べる分でもいいし、贈答なんかにもいいと思いますよ。

商品の紹介文がありました。
遠い昔より、御菓子は人々に夢を与え続けてまいりました。
粟玄では、伝統の技と選び抜かれた材料でひとつひとつ丹念に
夢を織り込み続けております
和洋は
日本のお菓子作りの技と
西洋の材料が結びつくことによりできたもので
アーモンドを珈琲の香り高い苦みと
生乳のまろやかさで包み込んでおります

・・・と書いてありました。
なるほど、ちょっと大人な苦みがあったなと思いました。

もともとご卒業された患者さんからいただいたお菓子があまりにも
全部美味しかったので、ご紹介した方がいいと思いフォーチュン・スウィーツの
シリーズを始めました。
苦労したけれど、それを乗り越えて妊娠された患者さんたちからいただいた幸せパワーを
ブログを見てくださっている方たちにも、そのパワーが届けばいいかなと思って
お菓子の紹介をしてきました。

最近は旅行に行ってきたからとか、
田舎に帰ってきたので・・・ということで頂き物をすることもあります。
皆さんが「これは美味しいですよ」と思って持ってきてくださったものを
紹介してもいいのかな・・・と思うようになりました。
美味しいものはやっぱり美味しいし、しあわせ~になりますからね。

ちなみに、アーモンドはビタミンE(α-トコフェロール)はゴマの310倍。
ピーナッツの約3倍もあります。細胞を若々しくしてくれますよ。
食物繊維はレタスの9倍。ごぼうの1.8倍もあるそうです。
腸内環境も良くなりますね。
オレイン酸も豊富に入っています。
それにビタミンBにミネラルも豊富です。

ただ、食べ過ぎないように。ナッツ類は食べ過ぎると反対に吹き出物が
出やすくなりますからね。
何でもほどほどが一番じやないかな。

Omura


2015年6月30日 blog 0

東洋医学とアロマテラピー

最近ではアロマの世界でも東洋医学に基づいてオイルが選ばれる
機会が増えてきました。

例えば、ストレスを受けやすく「肝」の気が滞る人には、
リラックスして気のめぐりを良くするグレープフルーツベルガモットのオイル。
全体的に寒がりで「腎」の陽気が足りない人には、それを補うような
ジンジャージュニパーベリーを使うという感じです。

漢方は東洋医学的な診察をして、それに合わせて処方を組み合わせます。
アロマにおいても東洋医学的な診察を行い、その状態に合わせて
オイルを選ぶやり方をするわけです。

インターネットでも中医アロマや漢方アロマといった言葉も耳にすると思います。
鍼灸と漢方に相乗効果があるように、アロマオイルを使うときがあるなら、
東洋医学に基づいた使い方をして相乗効果を期待されても良いですね。

ちなみに今の時期(梅雨)は「脾(胃)」のトラブルが多い時期なので、
消化吸収を助けてくれるような、ペパーミントレモンスイートマジョラムなどを
加えるといいですね。ハーブティーを飲んでもいいですし、それらを含んだ
マッサージクリームなどを使うのも良いと思います。

消化機能が弱くなると、子宮や卵巣にも栄養を送り届けにくくなるので、
そういった意味での体調管理も大切だと思います。

この時期、冷たいものもたくさんとりたくなってくると思うので、
胃腸にたくさん負担を与えすぎないように適量を、そして胃腸の疲れを感じたら、
温かいものをとったりして、いたわってあげるのも体には必要ですね。

安田


2015年6月26日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.6-①

7年間の不妊治療を乗り越えて妊娠・出産

 

Nさん(当時39歳)が当院に来られたのは2011年の8月の末でした。
インターネットで当院のブログをみられたようで、
望みを託して来られました。

問診でNさんの今までの治療経過をお聞きすると・・・
・タイミング療法を5回
・人工授精を12回
・体外受精(顕微授精)で胚移植を10回以上
されていました。
新鮮胚移植が6回で、凍結胚移植が4回ほどだそうです。

2010年に顕微授精で妊娠されましたが、妊娠8週5日目で
胎児の心拍が停止、流産されました。
この時点で、不育症検査はされていなかったようです。

流産の原因が染色体異常なのか不育症で血栓ができてしまったのか、
受精卵自体の力が無かったのかはわかりません。

当院に来られるまでの1年間は他の鍼灸院で1年ほど治療されていました。
気分を変えることと、ブログで受精卵の質が鍼灸で向上された話をみられ、
鍼灸院を変えられたようです。

Kさんいわく不妊のおもな原因は
「卵胞が育ちにくい」「受精卵のグレードが悪い」ということでした。
受精卵のグレードが悪いので胚盤胞移植はできず、
新鮮胚も凍結も2日目が3日目の移植に限定されていました。

生理周期は38日くらい。
基礎体温表は心電図のような波形で、どこが低温期で、高温期なのか
わかりづらい波形でした。
生理周期はちょっと長いですね。採卵まで19日以上かかる計算になります。

舌の状態は・・・ん~かなり悪かったです。
舌の表面の全体的な色は赤黒く、舌先が特に紅い。
舌の表面は裂紋(れつもん)と言って、割れたようにひびが入っていました。
舌の大きさは標準より小さく、精気のパワーがありませんでした。
舌の横は歯痕(しこん)といって、歯の跡がくっきりついていました。
舌の裏は紅く舌の裏にある舌下静脈がどす黒く紫色で怒張していました。
舌の状態はその人の体の状態を見るバロメータです。
詳しくは次回ご紹介しましょう。

要するに、かなり状態が悪いということです。
この状態ではまず質の良い卵胞も育たないし、妊娠しても妊娠を持続させるのは
難しいのではと思いました。

Nさんのストレスはかなりキツイのでは、・・・という私の診断でしたが、
問診票にNさんが記入されたのはストレス度が1でした。

当院の問診票の中に不妊治療のストレスは1~10でどれくらいですか?
という項目がありますが、ストレス最大を10とした場合を記入して頂いています。

長年、不妊治療の現場でたくさん患者さんを治療させていただきましたが、
問診の時に「不妊治療のストレスはそんなに無いです・・・」と言われる
患者さんの多くは、ストレス度8~10くらいは感じておられる
傾向にあります。

治療に何回か来られるようになって、
「本当はストレスいっぱいだったんです。でも、初めて来たときは緊張するし、
自分が不妊治療のストレスでいっぱいいっぱいだとは、言いにくかったんです」
とお話して下さる方も多いです。

Nさんの治療にはかなり時間がかかりました。
当院での妊娠された方の治療期間の平均は約6か月間。
Nは妊娠までに3年かかりました。
それでもあきらめずに治療を続けられたNさんの壮絶なサクセスストーリーを
次回からご紹介することにしましょう。

Omura