2015年4月27日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.5-② AMHが1ng/ml以下だった

2012年の6月、Kさんは43歳になっていました。
4回目の治療の時に初めて当院で鍼をしました。
・・・というのも、まず心身の疲れで硬くなったカラダをリラックス
させる必要があったからです。
当時は整体のスタッフもおりましたので、整体を中心の治療から始め、
全身がほぐれてから様子を見て鍼をはじめました。
現在は整体の専門コースはありませんが、必要に応じて10分程度の
推拿整体やマッサージはしております。
スタッフのレベルが向上したので、整体やマッサージは10分程度で
大丈夫です。

5回目の治療の時は生理から54日目で、3日前の診察で卵胞は10.4mm、
セキソビットが追加になっていました。
3日後の診察で、卵胞は消滅。
排卵してしまったのか、卵胞が委縮してしまったのかは定かでは
ありませんでした。
結局、リセットでプラノバールを10日間処方されました。

ブラのバールは7日間、10日間、12日間、14日間、18日間、21日間と
処方されるドクターのさじ加減で服用する日数が違います。
長くても21日間。
3周期もプラノバールを服用すると、せめて1周期は服用をやめて、
体を薬から解放させてあげる方がいいのではと思います。

ず~っとプラノバール飲んでいると、ず~っと高温期ですよね。
中には気分が悪くなってしまって服用をやめられる方もおられます。
頭痛や足のむくみがきつくなって・・・と言う話も少なくありませんし、
お薬だから副作用があるのは仕方がありません。

ただ、ブラのバールを服用している間の鍼灸治療は、
高温期が続くため「気が上り過ぎる」のを防ぐ治療を加えます。
すると、吐き気、頭痛、むくみなどの症状が和らぎます。
東洋医学的にストレスで気が上ってしまっている状態の人に、
高温期を続けて作ることは決して陰陽のバランスから良いとは思えませんので、
高温期の基礎体温が上がり過ぎないように微調整をします。

ですから、プラノバールを服用している間も次の周期のことを考えて、
できれば治療に来ていただいております。

Kさんは服用中に1回治療に来られました。
服用後に生理が来て7日目に来院され、生理2日目の
血液検査で出たFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を教えてくださいました。
FSHは7.1と、数値はとっても良かったです。
(前周期のFSHは15.34で良くもないですが、
とても悪くはなかったです。)

ですが担当Drはクロミッドなどの排卵誘発のお薬を出されませんでした。
何故、排卵誘発をしなかったかは、FSHの数値が良かったことと、
少なくなってしまっている卵胞を無駄に出させないためだと思います。

排卵誘発しないで自分の力で出てくる卵胞は、比較的に生命力が強い傾向にあるからです。
ただ、Kさんは、もともとなかなか排卵しないのでどうなることやら・・・。

to be continued
Omura


2015年4月16日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.5-① AMHが1ng/ml以下だった

Kさん(42歳)が当院に来られたのは2013年5月でした。
主訴は卵胞ができにくいということでした。
42歳でAMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)の結果が
1.00ng/ml以下でした。
この数値は卵巣年齢46歳以上の数値になります。
原子卵胞の数がかなり少なくなっている状態でした。

Kさんは1年半前くらいから他院で鍼灸治療をされていたのですが、
どうも腑に落ちないことがあったようです。
1年半も治療していて、体質が改善されているという感覚が
余り感じられなかったことと、いろいろ質問しても決まって返事は
「大丈夫ですよ。きっと妊娠できますよ。」だったようです。

そこでKさん、足立病院生殖内分泌医療センター長の中山先生に相談されたところ、
当院をご紹介いただきました。
当院では「大丈夫ですよ。きっと妊娠できますよ。」とは言いません。
100%妊娠できる保証はないからです。「妊娠できたらいいね」とは言います。
・・・というのも、当院に来られる患者さんのほとんどが、
体外受精までステップアップしているのに、妊娠できていない方が
ほとんでだからです。
体外受精までして100%妊娠に至らないのは、高度生殖医療の
限界もあるということですね。

東洋医学で治療していても、基本的に西洋医学の知識がないといけません。
Aクリニックではクロミッドで採卵なのに、
Bクリニックではセキソビットで採卵。
Cクリニックではフェマーラを使って採卵したりと、各クリニックによって
使う薬が違ったり、採卵の方法も違ったりします。
何故その薬を使うのか良く患者さんに聞かれます。
せめて簡単な説明くらいはできないといけませんね。

ドクターの前では緊張していろんな話を聞きたいのに聞けずじまいで、
モヤモヤが残ってしまう。
体外受精をしていたのに今回は人工授精にしましょうと言われ、
何で何で何で・・・と思って訳が分からなくなる。
そんな「何で?」になるべくわかりやすく説明できるのも、
幸いなことに若いころ不妊専門クリニックで学んだことがとても役に立っています。
その知識を当院のスタッフにも学んだことを常に教えております。

鍼灸治療の効果ですが、現実、妊娠体質の鍼灸治療をしたからと言って、
そんなに簡単に妊娠には至りません。
ただ治療に来られて、なかなか妊娠できなかったのに不妊治療を卒業されて、
ママになられる方も多くおられます。
それは今までの実績があるからです。
今までに卒業された方は940組になります。

話はKさんに戻りますが、彼女が足立病院生殖内分泌医療センターにたどり着くまで、
2か所のクリニックで治療されていたようです。
転院の原因は様々でしょうが、Kさんの場合、基本的に卵胞ができにくい体質です。
いくら排卵誘発の薬を使ってもなかなか卵胞が育たない。
年に数回卵胞が育っても、受精させたらグレードが低すぎて胚移植できない。

薬で排卵を誘発することはできますが、卵子の質を向上させるような特別な
お薬はないように思います。
最近はクリニックでもDHEAなどのサプリメントを勧めているところもありますが、
すごく効果が出ているとは言い難いと思います。
実際に服用されている患者さんの卵胞の質が特に向上しているのかは微妙ですね。

Kさんは20代の頃から年に数回生理が来るという状態でした。
これではなかなか卵胞が育ちませんね。
不妊治療されていてストレスもいっぱいあるようでした。

Kさんの治療は、先ずはストレスで固くなった身体をリラックスさせることから
始めました。

to be continued
Omura


2015年4月13日 blog 0

生理が来ない・・・と相談に来られたNさん

N(37歳)さんは当院で妊娠体質の治療にこられながら、
タイミング療法や体外受精をされています。
もともと生理周期は30日~36日と少し長めのKさん。
体外受精にトライしましたが、マイナス判定。

その後休憩の意味もあってタイミングにトライ。
タイミングして2週間過ぎても生理が始まらないので、
もしやと思い妊娠検査薬を使われたそうです。

結果は真っ白。あれっと思い、そのうち生理が来るかと思いきや、
やっぱり生理が来ない。
また妊娠検査薬を使っても真っ白。
結局、妊娠検査薬を5本くらい使ったそうです。

通院しているクリニックに行って、プレマリンとルトラールを
12日間処方されました。
そしてクリニックの帰りに当院に来られました。

「Kさん、こんばんは。今日は予約は入ってないけど・・・どうされました」
と聞きました。
「生理から44日経っても生理が始まらないんです。タイミングはしています。
妊娠検査薬使ったけど、マイナスでした。どうしたらいいですか」
「私このまま生理が来なくて止まってしまうんでしょうか・・・」
と心配そうにされていました。

「あのね、あなたの年齢と今の状況からして生理が来なくなるなんて
考えられへんよ」
「44日くらいで、何をビビってんるのかな」
「もっと深刻な状況の人はいっぱいいますよ」
「人と比べることは決していいとは思わないけど、心配し過ぎと違うかな・・・」
「あなたはストレス感じやすいタイプやから、
調子を整えて生理を起こさせるようにしましょう」
「それに、プレマリンとルトラール12日間出てるから、飲み終わったら
2~3日目くらいで生理来るよ。ご心配なく」・・・と伝えました。

Kさん、4日後に当院に来られました。
「先生、生理きました。今日5日目です」

「えっっ、どういうこと。高温期をつくるお薬出てたでしょ」

「前回相談に来た日、帰ってからスーっと生理が始まりました」
「だからお薬飲まなくていいようになりました」
「先生とお話しした後、何か気分が楽になって・・・ありがとうございます」

・・・と言われましたが、ただ私は状況を説明しただけ。
ちょっと元気が出るように背中も押しましたけどね。

前回の体外受精の判定がマイナスになってから、彼女の精気は失われがちでした。
いつもより元気がなく、顕著なのは肌質がいつもよりカサカサになって
いたからです。
ストレスで気が回らなくなって血が巡らない。
生理を起こすパワーが不足し、肌はカサカサになります。
吹き出物も出ることが多いです。
「気分証とか気滞証」といいます。

Kさん当院に来て、ちょっとホッとしたようでした。

自分で悩みを抱え込まないで、人に話をしてみたり聞いてもらうことを
してみたりして「ホッとする時間」を作るのも大切ですね。

Omura


2015年4月9日 blog 0

上手くいくといいね

今日、来週に体外受精の判定を控えた I さん(41歳)が、
胚移植後の治療に来られました。
鍼をしながら話をしていると、I  さんがポツリと、
「ここに来るとリラックスして寝れるんですよね~」と言われた。

「ありがとう。でも何で寝れるの・・・」と聞くと、

「ん~、エステに行っても何かリラックスしてるはずなのに足がムズムズするんです」
「ここだと、全然足がムズムズしなくて、鍼をしている間、寝れるんですよ」

「な~るほど・・・たぶん、それはこの空間の広さかもね・・・」

「・・・どういうことですか」

「それはね、ここの部屋の広さは、広すぎず狭すぎずにしているんですよ
「ベッドは鍼灸用のベッドではなくて、アロマテラピー用の広めのベッドで
ふかふかだし、空間もちょうどいい広さにしてるねん」と答えました。

「へえ~、そうなんですね」

「それと、ここはビルの南と東が窓になっていて、風通しや日の光の入り具合が
良い感じで入ってくるしね・・・」
「部屋の中にいい気が流れているからやと思うけど」

「だからですね」

・・・という会話がありました。
ここを開業する時に、不動屋さんに案内されて、ガランとしていて
何もなかったのですが、心地よい日差しが窓から部屋に差し込んでいて、
いい気が流れているのを感じました。
即決で決めました。

そのとき不動産屋さんにこう伝えました。
「ここの場所なら、多くの方が妊娠して卒業されると思う」とポツリ。
インスピレーションがあったからですね。

人が初めての人と会う時、この人と気が合うかどうかは1秒かからないと言います。
私も当院ができる前のガランとしたビルの部屋に連れてきてもらって、
ドアを開けた瞬間にインスピレーションがありました。

話は I さんに戻りますが、胚移植の5日後に来られました。
私が鍼をしていると、
「院長先生に治療してもらうの初めてなんですよ」
「そうでしたか・・・でもお会いしているはずですけど・・・」

「先生のいないときに来ていたから・・・」
「それは、残念。でも、胚移植してから大切な日に治療させてもらえて良かった」1428566563403
「うまく判定が出ればいいね」
「ありがとうございます。」

I さんの治療中、妊娠しそうなインスピレーションがありました。
上手くいくといいね。
I さんもですが、タイミングや人工授精、胚移植にトライされる人に
毎回思うのです。

上手くいくといいね。

先日、伊勢神宮に行って、手を合わせてきました。

Omura

 


2015年4月6日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.4-⑦ 18年間無排卵だった

今回が I さんのお話は最終回です。
I  さんはその後半年くらい鍼灸治療に専念されました。
月に2~3回のペースで来院されました。
それは次のショート法での採卵に向けて、ちゃんと準備を
したいということと、疲れた体を癒すためでした。

そして2012年5月にショート法。
14個採卵、そのうち5個授精、その他は未熟卵でした。
以前より卵胞の数が取れるようになってきましたが、
卵胞の成長がまちまちだったので、16日目での採卵でした。
・・・ですが、受精卵はすべて2~3日目で分割停止。
胚移植はキャンセルになってしまい、病院に通うことを半年ほど
休むことにされました。

病院に通院するのを休んでいる間も、当院へは回数を少し減らし、
月に2回くらいのペースで疲れた体を癒しに来られました。

半年後、思い切って転院され、フェマーラとhmgの注射、セトロタイドを
使って11個採卵。4分割と8分割の受精卵を2個ずつ、計4個凍結できました。
2013年に入って、人工周期で2日目の凍結胚を2個胚移植。
結果はマイナス判定。
ショックで何もできない状態になってしまいました。
その後、病院も鍼灸治療も6ヵ月休み、何もしない時間を作られました。

何もしない時間も大切ですね。

6ヵ月後来院され、ベッドで待っているI さんに「久しぶりですね」と話しかけると、
我慢していた涙が堰を切ったように溢れ出しました。
鍼灸治療できる状態ではなかったので、10分ほどしてから、

心を落ち着かせるツボを選んで治療しました。

翌週にもう一度、同じ方法で治療させていただきました。

すると、もともと生理は自分の力で起こすことはできないのですが、
薬を使って生理を起こさせてから、2回の治療をして、43日後に自然に生理が来ました。

2013年の11月にまた転院されていました。
ドクターとの相性やクリニックの方針など、いろいろな問題が
ありますからね。

2013年の12月の診察で生理から9日目の診察で、
小さい卵胞が見えると言われました。
卵胞が自然に育っていたのです。
卵胞の成長が遅いので、とりあえず22日目にタイミング。
生理が来る。

2014年2月になり、生理が始まって2回ほど鍼灸治療。
22日目で卵胞は見当たらないと言われたが、29日目に来院。
I さん、「先生、昨日排卵したかも・・・」とポツリ言われました。
「10代のころ、まだ生理が自然に来ていた頃の感覚があったんですよ」

実に18年ぶりのことでした。
おりものが急に増えて、今朝の基礎体温は36.9度あったようです。
ですが、タイミングはできなかったようです。
たぶん排卵してから13日目くらいで生理が来てしまいました。
でも、生理周期の日数40日くらいかかりましたが、続けて自然に
生理が来ていることに I さんは、「前向きになれました」・・・と
行ってくれました。

そして、次の周期、3月に入って26日目の卵胞は19.6mm。
やはり成長のスピードは遅いですが、薬なしで自力で卵胞が育っていました。
27日目に人工授精。
ご主人も奥様が頑張って治療して排卵するようになったということで、
人工授精の前に2回ほど精子の運動率を上げるため、鍼灸治療に来られました。

5~6年にわたって採卵しては胚移植し、または胚移植すらできなかったりが
続いた彼女の不妊治療でした。

人工授精の後、3回ほど高温期持続のための鍼灸治療をしました。
人工授精18日後の治療の時、生理はまだ来てないとのことでした。
脈を診断すると、妊娠の脈が表れていました。

「妊娠してるかもね。妊娠の脈が出ているから・・・」と伝えました。
I さん、「え~!!先生に今までそんなこと言われたことないですよ」
「だって、ダメもとの人工授精だし、来月、ショート法で採卵予定ですよ」

「でも、人工授精から18日後だし、妊娠の脈があるからね。」
「採卵して・・・だけが最終手段じゃないよ」
ステップダウンという方法もあるし、体外受精していてなかなか妊娠できなくて、
次の採卵の前に妊娠することも良くある話だよ」と言いました。
「明日、生理が来てなかったら病院に行ってみて、判定してもらったらどうかな」
・・・と勧めました。

翌日、電話で連絡があり、妊娠のプラス判定が出ました。
一度、体外受精で妊娠し、早期で流産経験があるので不育症の検査は
済ませておられました。検査結果は何もなかったので、不育症で流産の
心配をする必要はなくなっています。
翌週から流産予防の治療を1週間に1度のペースで、
15周と6日までさせていただきました。

総括すると、18年間無排卵でしたが、鍼灸治療で自然排卵するようになりました。
排卵するまで28日かかりましたが、人工授精で妊娠されました。
精子の運動率の低いご主人の治療をさせて戴いたのも、
I さんが人工授精で妊娠された大きな要因だと思います。

不妊治療をしていて何度も心が挫けて、もう治療はやめようと思われたことでしょう。
でも、そのたびに休憩して心と体のバランスを整えに来られて、
あきらめなかった I さんの頑張りが妊娠、出産へ導いたのだと思います。

2014年12月に出産。I さん、35歳と2ヵ月のことでした。

もし、不妊治療に疲れていたら、心と体のバランスを整えに来てみてください。
毎月、無料カウンセリングをしていますのでご利用してください。

Omura