2015年5月7日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.5-③ AMHが1ng/ml以下だった

前回のお話は、Kさん(当時43歳)のFSHの数値が7.1まで下がり、
排卵誘発剤を出されないで卵胞が出てくるかを見てみるということでした。
生理から14日目の診察で卵胞は出てきていませんでした。

普通ならここでリセット。ブラのバールやブレマリン&ルトラールなどを
処方されて卵巣を休ませましょうと言われることが多いでしょう。

Kさんには、もしリセットの話が出ても、もう少し様子をみたいとドクターに
お願いするようにアドバイスしました。

16日目の診察で11ミリの卵胞が出てきました。E2は42。少ないですね。
そこで、セキソビットを7日間処方され、24日目の診察で
卵胞は13.6mmまで成長していました。
・・・が、E2は29と下がっていました。
結局、遅ればせながら卵胞は出てきたものの、しぼんで消失してしまいました。
卵胞自体に力が無かったと言えるでしょう。

ただ、生理から14日目の診察でリセットせずに、
様子をみたら卵胞が出てくるということもあるので、少し様子をうかがうのも
採卵するうえで患者さんサイドの一つの選択肢になると思います。
もしかしたら、早めにリセットしてしまって、採卵できる卵胞を
見逃してしまっているということになってしまっていることも
考えられますからね。

Kさんは体に良いことを何かしてる・・・と聞いたら、不妊治療や
何やかんやで忙しくて体に良い運動などはされていませんでした。
そこで、ヨガなんてどうかな・・・とお奨めしました。
ヨガだとチケット制のところも多いし、基本を覚えると自分で
復習できるからね。
私もヨガをやっていた時がありますので、思った以上に汗をかきますし、
代謝があがります。

それからKさんはヨガを始められることになりました。
最終的に彼女が妊娠に至ったのは、自分でできる何かを始めたのも
一つの要因だと思っています。
もちろん、鍼灸治療に来ていただいたのが一番良かったとは
思っていますけどね。

さて、プレマリンとルトラールを10日間服用後、生理が来て
13日目で診察。まだ卵胞は見えません。
ですが、hmg75を注射されました。

20日目の診察。卵胞は見られませんでした。
卵胞はなかなか出てこないけれど、辛抱強くKさんは鍼灸治療に
月に2回~3回のペースで来ていただいていました。

結局、また卵胞は見えずリセットのためプラノバールを10日
処方されました。
薬の副作用もあるでしょうが、鍼灸治療にも来ているのに
なかなか卵胞が育ってこないストレスもあって、Kさんは胸やけを
訴えるようになってきました。
胸やけが出るようになってから、Kさんの舌の色は赤っぽくそして
舌の表面の苔の色はバターを舌の上にぬったように黄色が濃くなってきました。

明らかにストレス。肝気鬱結(かんきうつけつ)の症状。
それに、ストレスで犯された肝の邪気が脾を攻撃して、胃に熱が溜まり調子が
悪くなってひどい口臭をが出るようになってきました。
消化吸収能力が落ちて胃に溜まった熱と結びついて口臭が出ているのです。

本人は自分の口臭がきついとは感じていなかったようですが、
きっと朝目覚めたときに口の中が甘ったるいような苦いような感覚が
あると思います。

先ずは、肝気鬱結(かんきうつけつ)の症状を改善させないことには、
卵胞も育ってきません。
てすから、遠まわりなようですが体調を整えることを優先にしました。

東洋医学では病気そのものの根本的な原因に対処することを
本治(ほんち)と言います。
そしてその原因によって生じる症状を治療することを
標治(ひょうち)と言います。
ですから、Kさんの場合、胸やけがして胃の調子が悪くなっているのが
で、その胃の調子が悪くなる根本的な原因はストレスによる
肝の気が病んでいる原因がです。
先ずは症状が出ている胃の不調で出てくる口臭の治療を優先しながら、
肝の気を静めて穏やかな精神状態になるように治療するわけです。

こんな症状の時、公孫(こうそん)というツボを使うことが多いです。
ツボの詳しい話は次回ご紹介しましょう。

ちょっとややこしかったかな・・・?

to be continued
Omura


2015年5月4日 blog 0

キムチ&納豆パワー

仕事で疲れたなぁ~と感じたら、時々週末に焼肉に行きます。1430356996173 (1)
肉のタンパク質と焼肉と言えばキムチもついてくるので、
ニンニクパワーで体力回復させます。
先日、行きつけの焼肉屋でキムチを頼んだので写真に収めました。
良くいただくのは、白菜のキムチときゅうりのキムチ。
このお店の白菜キムチはシャキッとした浅漬けでとっても甘みがあります。
そんなに辛くないです。
きゅうりのキムチはさっぱりしていて、これも浅漬け。
良くいただきます。

私が子供の頃はキムチをそんなに食していなかったように思います。
コマーシャルなどもしてなかったように思いますし、食卓に並ぶということも
無かったです。

納豆も関西では人気がなかったし、今ほど健康志向で食べられていなかったと思います。
ただ、実家では納豆は食卓に良く並びました。

さて、今回はキムチ納豆のご紹介。
キムチと納豆1パックを混ぜて冷蔵庫で寝かせるだけ。
食べる1日前の夜に作って、1日寝かせて発酵を促進させて、
翌日の晩に食べるのが効果的な食べ方です。
え~、納豆は朝じゃないの・・・と思っておられる方も多いと思いますが、
夕食に食べる方が寝ている間に血栓を溶かしてくれるので、
朝に食べるよりも夜に食べる方が効率がいいんですよ。

それに、キムチ納豆を朝から食べると、どうしてもニンニク臭が
気になってしまいますよね。
会社で健康のために、朝食にキムチ納豆食べてきたの・・・なんて
言われると、ちょっと二三歩ドン引きしてしまいませんか。

キムチは乳酸菌が豊富。
血圧・コレステロールの減少、血行促進、免疫力の向上、
肥満防止効果などがあります。

納豆は骨の強化、骨粗鬆症・肥満・ガンの予防などの効果がります。
低カロリーで高タンパク、ビタミン、ミネラル、植物繊維が
豊富でダイエット食として優等生ですね。

ふつうはキムチも納豆も別々に食卓に並んでいると思いますが、
キムチと納豆を混ぜ合わせることで、そのパワーは効果を
増大させます。
どちらも手軽に買えるお財布にやさしい食材ですし、簡単に作れるので
ご紹介することにしました。

キムチに含まれるカプサイシンは脂肪の燃焼を助けて、体の代謝を上げます。
キムチに含まれる乳酸菌は納豆菌を食べて、どんどん増えて腸内環境も
整えてくれるから便秘の解消にも良いですし、ダイエットにもいいですね。
大豆には抗酸化作用があって、納豆になることでその効果は増大します。
4倍になるという報告もあります。

キムチと言えばニンニク。
ニンニクには血栓を作りにくくする効果があります。
それは血小板の凝集反応を抑制する効果があるからです。

納豆の納豆キナーゼという酵素は血栓を分解し溶かしてくれる効果があります。
そして納豆に含まれるビタミンK2は骨粗しょう症の予防にもなります。

代謝が上がって血行が良くなって・・・ということは不妊症に大敵の
冷え症改善の効果があるということです。

以前、みのもんたさんのおもいっきりテレビという番組がお昼の番組に
あって、毎回いろんな体にいい食材を紹介してましたのを覚えてますか?
確か最終回だったと思いますが、番組で紹介してきた健康食材でNo.1に
なったのが、「キムチ納豆」だったと記憶します。
それだけ、体にいい食材なんですよね。

ただ、臭いがどうしても・・・という方は、チャーハンや丼に加えてみては
どうでしょう・・・?ただ、納豆に熱を入れると臭いがきつくなって
食べにくいかも・・・。
熱を加えないで、手巻きにして紫蘇やみょうが、ネギなどで臭みを抑えてみると、
食べやすいかもしれません。
一度、チャレンジしてみてください。

Omura


2015年4月30日 blog 0

4月28日時点の妊娠のご報告ー949組になりました

前回の妊娠のご報告は、
2015年3月9日時点で936組でした。

2015年4月27日時点で949になりました。
前回より13組増えました。

Tさんは体質改善の目的で来られて、人工授精に合わせて
治療させていただきました。
人工授精をして3週間後に電話がありました。
「先生、生理が来ないんです。どうしましょう・・・」

「あのね、人工授精して2週間たって生理が来たら妊娠できてないって
ことでしょ。1週間も遅れたら妊娠してるんじゃないの・・・たぶんね!」
「病院に行って検査した方がいいと思うけれど」
・・・と電話でお答えしました。
するとTさん、「あっ、そうか。病院に行きます」
・・・と電話を切られました。

そして診察され、また電話。
「先生、妊娠してました。胎嚢も確認できました」・・・と妊娠の報告がありました。

「ほらね、おめでとう!!」とお答えしました。

生理が1週間も遅れれば、良く考えれば妊娠の可能性がありますよね。
でも、毎回、タイミングや人工授精をしても妊娠に至らず、
撃沈してしまっているから、今回もどうせだめだろうな・・・と思って
トライしているので、気持ちがマイナス思考になっている方が多いように
思います。

Tさん、当院に来てくださって、ありがとう。
ご縁があって良かったですね。

タイミングで妊娠された方が2人、その他の方は体外受精での妊娠でした。
二人目不妊の方も妊娠されました。

妊娠に至らなかった方は14名おられました。
妊娠率は48.1%です。
妊娠率が非常に高いとは言い切れませんが、ただ当院に来られる患者さんは、
体外受精までしたけれど、なかなか妊娠に至らなかったという方が
ほとんどです。
鍼灸治療で体質改善されると、妊娠の可能性が高くなるのは、
妊娠率が示す通りだと思います。

全ての方が妊娠できるわけではありません。
マイナス判定の報告を聞くと、私も気持ちが落ち込んでしまいます。
でも、私自身がいつまでも落ち込んでいたら治療できなくなるので、
毎回気持ちを切り替えるようにしています。

今回残念だった人は気持ちが整理できて次のチャレンジに前向きに
なれるようになったら、また来ていただければと思います。

なかなか妊娠できなかったのに、当院に来られて1回目のチャレンジで
プラス判定いただく方もおられますし、半年、1年、2年かかる方もおられます。

皆さんの妊娠のチャンスが広がるように、お手伝いしていきたいと思っております。

Omura


2015年4月27日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.5-② AMHが1ng/ml以下だった

2012年の6月、Kさんは43歳になっていました。
4回目の治療の時に初めて当院で鍼をしました。
・・・というのも、まず心身の疲れで硬くなったカラダをリラックス
させる必要があったからです。
当時は整体のスタッフもおりましたので、整体を中心の治療から始め、
全身がほぐれてから様子を見て鍼をはじめました。
現在は整体の専門コースはありませんが、必要に応じて10分程度の
推拿整体やマッサージはしております。
スタッフのレベルが向上したので、整体やマッサージは10分程度で
大丈夫です。

5回目の治療の時は生理から54日目で、3日前の診察で卵胞は10.4mm、
セキソビットが追加になっていました。
3日後の診察で、卵胞は消滅。
排卵してしまったのか、卵胞が委縮してしまったのかは定かでは
ありませんでした。
結局、リセットでプラノバールを10日間処方されました。

ブラのバールは7日間、10日間、12日間、14日間、18日間、21日間と
処方されるドクターのさじ加減で服用する日数が違います。
長くても21日間。
3周期もプラノバールを服用すると、せめて1周期は服用をやめて、
体を薬から解放させてあげる方がいいのではと思います。

ず~っとプラノバール飲んでいると、ず~っと高温期ですよね。
中には気分が悪くなってしまって服用をやめられる方もおられます。
頭痛や足のむくみがきつくなって・・・と言う話も少なくありませんし、
お薬だから副作用があるのは仕方がありません。

ただ、ブラのバールを服用している間の鍼灸治療は、
高温期が続くため「気が上り過ぎる」のを防ぐ治療を加えます。
すると、吐き気、頭痛、むくみなどの症状が和らぎます。
東洋医学的にストレスで気が上ってしまっている状態の人に、
高温期を続けて作ることは決して陰陽のバランスから良いとは思えませんので、
高温期の基礎体温が上がり過ぎないように微調整をします。

ですから、プラノバールを服用している間も次の周期のことを考えて、
できれば治療に来ていただいております。

Kさんは服用中に1回治療に来られました。
服用後に生理が来て7日目に来院され、生理2日目の
血液検査で出たFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値を教えてくださいました。
FSHは7.1と、数値はとっても良かったです。
(前周期のFSHは15.34で良くもないですが、
とても悪くはなかったです。)

ですが担当Drはクロミッドなどの排卵誘発のお薬を出されませんでした。
何故、排卵誘発をしなかったかは、FSHの数値が良かったことと、
少なくなってしまっている卵胞を無駄に出させないためだと思います。

排卵誘発しないで自分の力で出てくる卵胞は、比較的に生命力が強い傾向にあるからです。
ただ、Kさんは、もともとなかなか排卵しないのでどうなることやら・・・。

to be continued
Omura


2015年4月16日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.5-① AMHが1ng/ml以下だった

Kさん(42歳)が当院に来られたのは2013年5月でした。
主訴は卵胞ができにくいということでした。
42歳でAMH検査(抗ミュラー管ホルモン検査)の結果が
1.00ng/ml以下でした。
この数値は卵巣年齢46歳以上の数値になります。
原子卵胞の数がかなり少なくなっている状態でした。

Kさんは1年半前くらいから他院で鍼灸治療をされていたのですが、
どうも腑に落ちないことがあったようです。
1年半も治療していて、体質が改善されているという感覚が
余り感じられなかったことと、いろいろ質問しても決まって返事は
「大丈夫ですよ。きっと妊娠できますよ。」だったようです。

そこでKさん、足立病院生殖内分泌医療センター長の中山先生に相談されたところ、
当院をご紹介いただきました。
当院では「大丈夫ですよ。きっと妊娠できますよ。」とは言いません。
100%妊娠できる保証はないからです。「妊娠できたらいいね」とは言います。
・・・というのも、当院に来られる患者さんのほとんどが、
体外受精までステップアップしているのに、妊娠できていない方が
ほとんでだからです。
体外受精までして100%妊娠に至らないのは、高度生殖医療の
限界もあるということですね。

東洋医学で治療していても、基本的に西洋医学の知識がないといけません。
Aクリニックではクロミッドで採卵なのに、
Bクリニックではセキソビットで採卵。
Cクリニックではフェマーラを使って採卵したりと、各クリニックによって
使う薬が違ったり、採卵の方法も違ったりします。
何故その薬を使うのか良く患者さんに聞かれます。
せめて簡単な説明くらいはできないといけませんね。

ドクターの前では緊張していろんな話を聞きたいのに聞けずじまいで、
モヤモヤが残ってしまう。
体外受精をしていたのに今回は人工授精にしましょうと言われ、
何で何で何で・・・と思って訳が分からなくなる。
そんな「何で?」になるべくわかりやすく説明できるのも、
幸いなことに若いころ不妊専門クリニックで学んだことがとても役に立っています。
その知識を当院のスタッフにも学んだことを常に教えております。

鍼灸治療の効果ですが、現実、妊娠体質の鍼灸治療をしたからと言って、
そんなに簡単に妊娠には至りません。
ただ治療に来られて、なかなか妊娠できなかったのに不妊治療を卒業されて、
ママになられる方も多くおられます。
それは今までの実績があるからです。
今までに卒業された方は940組になります。

話はKさんに戻りますが、彼女が足立病院生殖内分泌医療センターにたどり着くまで、
2か所のクリニックで治療されていたようです。
転院の原因は様々でしょうが、Kさんの場合、基本的に卵胞ができにくい体質です。
いくら排卵誘発の薬を使ってもなかなか卵胞が育たない。
年に数回卵胞が育っても、受精させたらグレードが低すぎて胚移植できない。

薬で排卵を誘発することはできますが、卵子の質を向上させるような特別な
お薬はないように思います。
最近はクリニックでもDHEAなどのサプリメントを勧めているところもありますが、
すごく効果が出ているとは言い難いと思います。
実際に服用されている患者さんの卵胞の質が特に向上しているのかは微妙ですね。

Kさんは20代の頃から年に数回生理が来るという状態でした。
これではなかなか卵胞が育ちませんね。
不妊治療されていてストレスもいっぱいあるようでした。

Kさんの治療は、先ずはストレスで固くなった身体をリラックスさせることから
始めました。

to be continued
Omura