2015年2月23日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.4-② 18年間無排卵だった

I さん(35歳)が当院に来られたのは2010年の10月のことでした。
当時は31歳。同年の9月に掻把(そうは)されてからのことでした。
彼女はもともと学生時代の無理なダイエットと受験勉強のストレスが
原因で17歳のころから生理が止まっていました。
ご自分の希望する仕事に就くことはできたのですが、
これもストレスの多い職場だったようです。

I さん、自力での排卵は無理でしたので○○病院でショート法で採卵し、
妊娠されましたが、残念ながら妊娠10週で赤ちゃんの心拍が
止まってしまったのです。
原因は良くわからないということでした。

無排卵だからと言って妊娠できないということはないんですよ。
経口薬や注射で卵胞が育てはタイミング療法も人工授精も可能です。
もちろん体外受精もですね。

ただ、無排卵の人の卵胞が育つのは、体外受精で注射を何回かして
やっと採卵できるというケースが多いように思います。
卵胞の質はどちらかといえば良いとは言い難いと思います。

彼女のなかなか妊娠できなかった理由の一つに、
ご主人の精子の問題がありました。
体外受精はできますが、精子の運動率や量、濃度が悪く顕微授精に
限られていたからです。
ご主人の精子の運動率の平均はおおよそ10%~20%だったと思います。

男性の精子の問題ですが、西洋医学的に見て一匹の元気のいい精子がいて、
受精させる能力があれば妊娠には問題ないと言われます。
ちゃんと授精できているわけだから・・・。
I さんのご主人は仕事もハードでストレスも多く慢性の睡眠不足。
ご主人が当院に来られた時は、疲れた感じで顔につやが無く蒼白な感じで、
声にも元気がなかったですね。
奇形率も高く、培養士さんの話では10匹中8匹くらい動きが
止まってしまっている状態でした。
動いているのを見つけても、精子が痙攣しているようなときも
多かったようです。

I さんご夫妻は、ご主人にも奥様にも問題ありのカップルだったのです。

不妊治療をされているカップルでどちらかに問題があって、
男子が何%で女子が何%で、そのうちの何%が・・・とネットを開けば出てきますが、
世の中に男と女がいてフィフティー×フィフティーじゃないかと
思う時があります。

精子の運動率が良いからと言って、それだけで男子に問題が無いということは
無いのです。

以前治療させていただいていたOさんご夫妻は妊娠はできるけれど、
妊娠8週くらいで流産を繰り返してしまう。
奥様の問題だけではないのではと思ったのです。

確かに奥様の卵胞の質は良くはなかったのですが、鍼灸治療をしてから
1年くらいでかなり良くなっていたからです。
・・・もしかしてと思い精子の詳細な検査を勧めました。
検査結果はご主人の方に遺伝レベルでの問題が見つかりました。
この問題を解決するためTESEをして、妊娠・出産されました。

参考になればと思いますが、
男性の問題に関しては京都では足立病院生殖内分泌医療センターの
ビルの1Fにある「いちおか泌尿器科クリニック」は便利ですね。
市岡先生の人柄もいいし。

大阪ではグランフロントにある「リプロダクションクリニック大阪」
石川先生も有名ですね。
どちらの先生にも患者さんを紹介したことがあります。
いずれも結果はOKで、奥様は妊娠・出産されております。

さて I さんですが、卵管は通っているようでしたので、
鍼灸治療をしながらダメもとのタイミングを3ヵ月ほど
続けてもらいました。
排卵はしていないけれど、もしかしたら・・・というのもありましたので
タイミングをおすすめしたのは、愛を育むエクササイズも
おろそかにしてはいけないからなんですよ。

鍼灸治療から3ヵ月後の I さんの生理の色が変わり始めました。

えっ!!生理が来たの・・・と思っておられる方もおられると思います。
詳しい内容は次にご紹介しましょう。

to be continued
Omura


2015年2月19日 blog 0

もう少し早く来れくれればいいのに・・・

今日初めて来られたOさん(36歳)に問診をしていて・・・。
初診の方には今までの治療経過を伺うのですが、
OさんはA病院に1年ほど通院して、
B病院に2年ほど通院されていたようです。

B病院も2年も行っているし、転院も考えているようでした。
それだったら、C病院もいいいし、D病院という選択肢もあると思いますよ
・・・とアドバイスしました。

それより、3年も治療しているんだったら、
もう少し早く来てくれれば何とかなっていたかもしれないのにね・・・と言いました。
体外受精という選択肢だったら、33~34歳で妊娠できていたら、
35~36歳で、凍結胚の移植で2人目の妊娠を望めたかもしれないのに
・・・と伝えました。
当院のブログはずっと読んでくれていたそうです。

Oさんに聞くと、何か鍼灸治療は最後の砦みたいな感じだったし、
最初から体外受精ではなかったから、あれよあれよと言う間にステップアップに
なってしまい時間的な余裕もなかったのだと思います。

当院に来られる患者さんの98%くらいは、生まれてはじめて鍼灸治療に
とトライする人ばかりです。
不妊治療を始めた当初は、病院に行けば何とかなると思っていた人も多く、
まさか自分が不妊治療の一環で鍼灸なんて考えてもなかったという
返事が返ってくることが多いです。

不妊治療を始められたら、できれば同じ時期に鍼灸治療を始められた方が、
良いと思うのですが・・・。
その方が妊娠しやすくなるし、不妊治療で病院に何年も通院しなくて済む確率が
高くなると思います。
これは長年の経験があるから言えることです。

何も問題が無い・・・と病院で言われても、子作りにトライして
1年で妊娠に至らないというのは、何か問題があるからなんだと思います。
東洋医学的に見て、妊娠の準備ができていなかった・・・という方が多いです。

年齢が若いほど、妊娠までの鍼灸治療の期間も短くて済みますし、
体外受精を考えておられるなら、質の良い受精卵を若いうちに
凍結保存しておけば、2人目を望まれるときに苦労しなくて済みます。

当院に来られて一人目を妊娠・出産されて、1年半~2年後に
凍結の受精卵があって二人目を望まれて来られる方の妊娠までの
治療期間は2~3ヵ月くらいです。
だいたい70%~80%の方は二人目を授かることができています。
・・・それは、約1年~2年前に凍結していた受精卵を使うからなんです。

それは出産前と出産後では体力・気力が変わってくるからです。

出産の経験がある方はわかると思いますが、出産するということは
自分の気力も体力も奪われると感じておられませんか。
産後の肥立ちが悪いのも、生命を出産するために自分の寿命の何パーセントかを
使ったから・・・と言われる方もおられます。

二人目のご希望で当院に来ていただきたいのは、
せめて胚移植の1周期前から鍼灸治療で体調を良くして、
胚移植に向けて準備のお手伝いをしたいものです。
ただ、中には妊娠までに時間がかかってしまう方もおられますが、
当院に来られて妊娠体質づくりをして一人目を出産されている方は、
二人目の妊娠までは、一人目のときにかかった治療時間より
短くて済む傾向にあります。

いつか鍼灸治療にも行ってみようかなぁ~と考えておられるのなら、
できれば不妊治療を始められる頃に合わせて、
早く来てくださる方がいいのでは・・・といつも思うのです。

Oさんもご縁があって当院に来ていただいたのだと思っております。
願いが叶うように、お手伝いさせていただきます。

Omura


2015年2月17日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.4-① 18年間無排卵だった

昨年のクリスマスイヴに I さん(35歳)からお礼メールをいただきました。
I さんも妊娠・出産まで苦労の連続でした。
妊娠前から、もし妊娠・出産までたどり着いたら、
ブログで紹介させてくださいとお願いしていたから。
(希望も含めてね・・・)

I さんの場合、妊娠する保証は限りなくありませんでした。
ただ、以前に同じようなケースを何度も妊娠につなげることができたので、
一緒にがんばりましょうと励ましましたのを鮮明に覚えています。

I さんに了解を得ましたので、メールの内容をご紹介しましょう。

お久しぶりです。
とうとう、私に天使が舞い降りてくれました!

12月21日に元気な女の子が産まれました。
妊娠中は全く問題なく経過し、安定期に入ってからは毎日ヨガとウォーキングを続けて、
結局、出産二週間前まで働くことができました。
お産も助産師さんもびっくりの超安産で、産後一日目からとっても元気でした。

そんなこんなも、妊娠前に先生に体を作っていただいたおかげです!
ほんとに先生には感謝感謝でいっぱいです。

産後、毎朝目が覚めると、あ~私に赤ちゃんいるんや~って
喜びと幸せで涙がでます。
四年前の流産の時、不妊治療の間は目が覚めるたびに毎日毎日が辛くて
毎朝泣いていたのに、こんなことが私の人生におきるなんて
夢にもおもっていませんでした。

何度も何度もやめようと思いつつも、なんとか治療を
続けてこれたのも先生のおかげです。
いつもいつも諦めないように励まして下さったから。
先生がいなかったらもっと前に諦めてたと思います。
こんな報告ができてほんとに嬉しいです。

また落ち着いたら二人目のために先生のところにうかがうかもしれません。
もう来ないでって言われそうやけど(笑)

ところで先生、診療、今まだお一人でされてるんですよね?
大丈夫ですか?倒れそうになっておられるのでは、、、?

いよいよ寒い毎日ですが、体調にくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

・・・と、メールをいただきました。
ほぼ全文掲載です。
出産して3日目で報告のメールをいただけたのも、
妊娠前からと、妊娠してから自分で十分に体作りをしていたからだと思います。

最後の文章で僕の体を心配して下さって、ありがとう。
患者さんの予約が多くて、ちょっとへとへと状態が続いていた頃だったからね。
今はスタッフも増えて、治療を任せられるようになってきたので、
以前よりはスムーズに治療できるようになりましたね。

I さん。実は当院に来られた時、18年間無排卵の状態でした。
注射をすれば卵胞は育ちますが、自然には卵胞の成長が無く、
排卵できない状態だったのです。

でも、彼女はママになれました。
人工授精で・・・。

その詳しいお話は次回にご紹介しましょう。

Omura


2015年2月12日 blog 0

烏丸御池鍼灸院のフォーチュン・スウィーツNo.6

Kさん(43歳)からお土産に頂いたのは、
散居の里・おかき処 御菓蔵の白エビかき餅。
富山県の名菓です。

Kさんも妊娠20週を過ぎ、出産までの体調管理のためのFullSizeRender (2)
鍼治療と安産のお灸の練習に来てくださいました。
彼女も妊娠までの道のりが険しかった一人です。

当院に来られた時は41歳まであと1ヵ月。
不妊治療専門Aクリニックでは
①着床障害
②頸管粘液が少ない
③下垂体卵巣機能不全
・・・と言われていたそうです。

それに、KさんのAMH(抗ミュラーカ管ホルモン)検査の結果は
4.0pMで46歳以上の卵巣年齢でした。
pM表記は旧基準です。新基準はng/ml表記です。
新基準でしたらKさんの数値は、1.00ng/ml以下になります。

要するに卵巣に残された卵子はほとんどなくなってきていて、
46歳以上の卵巣年齢です・・・と厳しい結果を突き付けられた
ようなものでした。

それでも、Kさんはあきらめずに鍼灸治療に来てくださいました。
彼女が妊娠して、妊娠を持続させられているのは、
彼女自身が最後まであきらめずに頑張った結果ですね。
Kさんのエピソードもいずれもう少し詳しくご紹介しましょう。

さて、頂いた散居の里・おかき処 御菓蔵の白エビかき餅。
サクサクした食感に程よいエビの香りで、いくらでも食べれそうでした。
とっても美味しかったです。

御菓蔵のホームページを見ていると、「御菓蔵について」のページに
「おかき」「かきもち」と「せんべい」の違いが書いてありました。
お米にはもち米とうるち米があるそうで、おかきやかきもちはもち米で
作られているそうです。
せんべいはうるち米から作られるそうです。うるち米は私たちが普段いただいている
お米ですね。
ん~、知らなかった。

因みにエビの薬膳の効用は、
補腎、補陽、補気、養肝、活血、開胃、去風、通乳の効能があっで、
足腰の冷え、食欲不振、気を補うので体力の回復に適応します。

特に補腎、補陽、補気の効能は力強い卵胞を作るのに必要です。
力強い卵胞のためにエビ餅やえびせんばかり食べないで下さいよ。
エビも含まれているけど、塩分も多いからね。

体力がないとか冷え症で・・・という方は週に1回くらい食卓に
エビ料理などいかがですか。

Omura


2015年2月9日 blog 0

質の良い卵胞に葉酸・・・?

先日、日曜日の朝7時からやっている
「健康カプセル 元気の時間」を見た。
三宅祐司さんと渡辺満里奈さんの司会がとても心地よく
日曜の朝の長寿番組ですね。毎回、健康に関するいろんな
情報を提供してくれるので、ん~、なるほど・・・と
今更ながら健康の知識に役立っています。

2月8日の放送は「脳梗塞」。
要するに脳梗塞の予防には「葉酸」が良いですよという内容でした。
番組のホームページの文章を紹介しますと・・・

身体の中で葉酸が不足すると、「ホモシステイン」という物質が
増加しますが、これは動脈硬化を招き脳梗塞を引き起こしやすい物質です。
葉酸にはこのホモシステインの働きを抑制し、脳梗塞などの病気を
予防してくれる働きがある・・・と書いてありました。

番組を見ていて、テーマは脳梗塞の予防だけど、「葉酸」には他の働きが
あるけど・・・と思い出しました。
妊婦さんには葉酸が普段より必要だと聞いたことありませんか?
番組でレポーターが葉酸は「ギョーサン必要」なんて言っていたけど、
ちょっと笑えなかった。
それを言うなら、葉酸は「よーさん必要」の方がわかりやすいけど、
これもイマイチ笑えないおやじギャグですね。

実は葉酸はDNAやRNAを構成している「核酸の合成」に不可欠なんです。
核酸は細胞の増殖や成長に関与している物質です。
葉酸を不足しないで一定量摂取していることで、細胞の増殖や成長に関係する
訳だから、卵胞の成長や受精卵の分割にも影響するのではと思います。

東洋医学では「気」「血」「水」のバランスが良いとい
人間の体は元気でいられると言われています。
その中で「血」が新鮮で体の隅々まで行き届くと、
質の良い卵胞の成長に役立ちます。
当院の不妊治療の方法の一つに「消化吸収能力を高めて血を増やす」という
方法があります。
せっかく食事しても消化吸収能力が弱くてそれを十分な血液に変換できなくて
卵胞の質が悪かったり、子宮内膜がなかなか厚くならないという患者さんも
多くみられます。
その弱点を鍼灸治療で補うと卵胞の質が上がり、子宮内膜が厚くなる傾向があります。

葉酸が不足すると貧血になったり、口内炎や舌炎の粘膜の炎症がみられます。
食欲不振や下痢にも関係します。
成人の一日の摂取量は200~240μg(マイクログラム)だそうです。
葉酸はほうれん草、ブロッコリー、枝豆、キャベツなどの緑黄色野菜に
多く含まれます。
ほうれん草やブロッコリー100gで210μgの葉酸が摂取できます。
葉酸は水溶性なので熱に溶け出しやすく摂取しにくくなるので、
レンジなどで加熱時間を短くした調理法が適しているようです。
もしくはスープにしても溶け出した栄養がいただけますね。

食品の紹介をときどきするのですが、黒豆や山芋の紹介をしたときに
数人の患者さんが、「ブログ読みましたよ、毎日、黒豆と山芋食べてます」と言うので、
「あのね、毎日、黒豆と山芋食べて飽きない・・・?」
「精がつき過ぎて鼻血出るで~」と返しました。

何でもバランスよく頂くことが大切です。
食べ過ぎず少な過ぎず・・・です。「過ぎる」は良くないでしょ。

それに一般論ではありますが、
食事って美味しく楽しくいただくことがポイントでは・・・と思います。

Omura