2014年11月19日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.2-⑦ 10年の不妊治療を乗り越えて

前回は「次の採卵を最後にしようと思っています・・・」
で終わりましたね。
3ヵ月間休養して、鍼灸治療だけ来てくださいました。
そして、人生最後の採卵に臨むことになりました。

ショート法で14個卵胞ができました。今までで一番多く卵胞が
育ちました。
採卵し顕微授精で7個が授精、そのうち5つ胚盤胞で凍結できました。
39歳でショート法で5つも胚盤胞凍結できるのは、
とってもいい状態です。
普通は彼女の年齢だと、10個採卵して1~2個。
多くて3個胚盤胞凍結できれば良い方です。

今回、Nさんはグレードも向上し、4ABと4BA評価が2個もできました。
そして、人生最後の凍結胚盤胞移植をすることになりました。

生理が始まってから14日目で子宮内膜は8ミリ。
ちょっと薄いけど胚移植できる範囲内です。
当日、まず午前中に治療しました。やっと胚移植できるとなると、
誰もが緊張するものです。
リラックスできるツボを中心に、子宮内膜も厚くなるように、
子宮に関係するツボを選んで鍼をします。
それにお灸スーパーライザーを照射する場合もあります。

鍼灸治療後に胚移植に臨むとリラックスできた状態で体がポカポカして
子宮の中の血行も良くなっていて、胚が着床しやすくなります。
胚移植後にも判定までの間に3回治療しました。

それは胚移植後から着床が始まりますので、子宮内の血行を
良くして高温期のホルモンを出しやすくするためです。
2週間後、判定はプラス。
翌週から流産予防の鍼灸治療も14週までしました。
20回目の胚移植で妊娠。
10年の長い不妊治療のトンネルを抜け、卒業されました。

先日、Nさんからメールをいただきました。
おおよその内容は、11月○○日に無事に元気な男の子の
赤ちゃんを出産でき、ほっとしました。
これも先生達のおかげです。本当にありがとうございました。
携帯からメールしているので、上手く写真が送れているかわかりませんが・・・

・・・と赤ちゃんの写真を添付してメールしてくれました。
今回の移植を最後にしようと思って臨んだ20回目の胚移植。
本当に10年は長かったと思います。
鍼灸治療に来られて約1年くらいかかりましたが、
それまでの9年間は辛かったと思います。

このような話は希ではありません。もう何度も経験してきましたが、
治療に来ていただいて本当に良かったと治療家冥利につきます。
京都でしか治療していないのですが、自分が不妊治療をされている
患者さんとこの時にこの場所で治療させていただいているのは
「縁」だと思っています。

Omura


2014年11月11日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.2-⑥ 何気ない一言

心拍も6週で出たのですが・・・で前回は終わってしまいました。
9月8日にやっと妊娠できましたNo.2-⑤を紹介して以来になります。
ちょっと間が開き過ぎました。
続きで読んでいただいていたのに、楽しみにしておられる方も
おられたでしょうが、ごめんなさい。
その間、いろいろと紹介することが増えてしまって、
続きを書けなかったのです。

さて、結局、Nさんは妊娠したけれど、赤ちゃんの心拍が停止してしまい、
流産されました。
心も体もボロボロの状態でした。
そんな中、実家に帰ってお母さんと世間話をしていて、
母の何気ない一言がNさんの傷ついた心にグサッと刺さってしまったのです。

「妹はすぐに妊娠するんだけどねぇ」。

この母の何気ない一言に、Nさんは深く傷つき、
その言葉が脳裏から離れない日々が続いたのです。

友人や兄弟、両親など、親しい人たちの何気ない一言が
トラウマになってしまうことはありませんか。
不妊治療の現場では良く効く話です。
トラウマがストレスになって心が疲れ果て、
妊娠したいけど、自律神経が失調してしまいホルモンバランスが
崩れて排卵しにくくなったり、卵胞の育ちが遅かったり、
グレードが悪くなったりしてしまうことがあります。

悪気があって言ったのではないけれど、どうしても心の片隅に
引っかかるものができてしまいます。

Nさんから今後のことを相談され、まずは治療を休むことを勧めました。
そして彼女は3カ月ほど疲れ切った心と体を癒して回復させるため、
病院へ行くのを休まれました。
ただ、鍼灸治療に来ていると体が楽になるし、気持ちも落ち着く時間が
できるということで、鍼灸治療は来られました。

無料カウンセリングでもよく案内することですが、
誰にも相談できずにネットで情報を検索しているうちに
何が何だか頭が混乱してしまって・・・というときは、
誰かに相談することをお勧めしています。
ただ、現実問題として相談できる人がなかなか周りにいないという
人が多いと思います。
そんなときは、良かったら無料カウンセリングに来てみてください。
方向性を見つけるきっかけになるかもしれません。

Nさんは年末年始を挟んで、3か月間鍼灸治療だけ来られて、
トラウマは残るものの以前よりは随分と体調が良くなってきました。
そして、Nさんは「次の採卵を最後にしようと思っています・・・」
と僕に告げたのです。

to be continued
Omura


2014年11月10日 blog 0

11月の無料カウンセリング追加しました

11月1日のカウンセリングに来られたAさん(40歳)(仮称)。
不妊治療を始めてから3回の人工授精をしましたが・・・結果出ず。
4回目の人工授精がダメだったら体外受精にステップアップ
しようと考えておられました。
高温期をつくるプレマリンとルトラールを服用するようになってから、
変な汗がでるようになったようです。
薬を服用されてから体調を崩してしまう方も少なくありませんし、
気分が悪くなったり、体がむくんでしまう人もおられますよ・・・と、
教えて差し上げました。
Aさんは、「だからですね」・・・と納得されたようでした。
インターネットでいろいろ検索していると、当院のブログに目が止まり、
ご連絡いただきました。
鍼灸治療にも興味があるようでしたので、どのように治療するか説明して、
良かったら鍼灸治療も試してみてはとお勧めしました。
Aさんは、不妊治療のことで相談する人も少なく、どうしたらいいか
悩んでおられたようです。
ちょっとご予約が混雑しているので、1ヵ月ほどお待ちいただいてから
体外受精に合わせて治療させていただくことになりました。
このブログに目が止まって、今後の治療で悩んでいる方がおられましたら、、
ご相談ください。
鍼灸治療は興味がある人しか勧めていませんので、ご心配なく。

11月の無料カウンセリングの日程

●11月29日(土)
午後1時、午後1時30分
(各時間、お一人、または一組)

●東洋医学的に見て不妊原因はどのタイプに属するのか診断いたします。
また、その解決方法のアドバイスもいたします。
●鍼灸治療はどのようにするのか、当院の治療の方法もご説明いたします。
●その他、不妊治療で疑問に思っていることなどがありましたら、
できる範囲でお答えいたします。

カウンセリングの時間は30分くらいですが、個別無料カウンセリング
ご希望の方は、当院に電話でご連絡ください。
電話 075-241-2101
もし一人で悩んでおられるのなら、気軽にご相談ください。
少しはお力添えできると信じております。


2014年11月3日 blog 0

不妊治療で良く使われる漢方とツボ③

今回でこのシリーズは③ですが、
足立病院生殖内分泌医療センターで発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌「ふっくらNo.8」の
中面の最後の紹介です。
今回は高雄病院の漢方医・橋本正也先生の話が中心になってきます。

漢方薬で冷えのぼせを治す

橋本:
お血、つまり血の流れが非常に悪くなっている人には、
桂枝茯苓丸を用います。つまった血管を掃除するイメージです。
冷えですが、パワー不足の冷え。お血、血虚、つまり
血の流れが悪いための冷え。
ストレスなどで気の流れが滞って起こる冷え。水分の
過剰の冷え。

体が熱すぎることで起こる下半身の冷え等、様々な原因があります。
これらの原因に合わせて漢方薬を用いるのですが、
例えばパワー不足の人に用いる八味地黄丸を体が熱くて
冷えのぼせしている人に用いると、むしろ悪化します。
患者さんの訴えによく耳を傾け、その方の状態を
正しく把握することが大切なことです。

あと、体のパワーの源は、胃腸の栄養吸収です。
胃腸の弱い人には六君子湯などで胃腸の機能を
良くすることが不妊症の治療においても重要です。
胃腸を傷める漢方薬は用いてはいけません。

大村:
全身の血行が悪くなるお血や血行が悪くなった場所に
できるお血、月経血がしっかり出なくて子宮の中に残った
血液が古くなりお血になったりして不妊症の原因になります。
月経血が紫色がかった色で塊が多く出たり、粘り気が多いのは
子宮内膜にお血が溜まっている状態です。
三陰交はお血に使う代表的なツボです。
太衝も気を巡らせて停滞しているお血を減らしていく効果があります。

大村:
最近は西洋医学でも漢方薬を用いることがふえていませんか。

中山:
明らかに必要な人には処方します。使うのはオールマイティーな
当帰芍薬散が多いです。PCO(多嚢胞性卵巣症候群)の場合
LH(黄体形成ホルモン)を下げるために芍薬甘草湯を用いるのですが、
男性ホルモンを下げる働きもします。
私たちの場合は男性ホルモンが高いから下げよう、
黄体形成ホルモンが高いから下げようといった西洋医学的な
使い方をしますね。

大村:
それはそれでありですよね。
それに東洋医学的な見方が加わればいいと思います。

中山:
身体を整えるには漢方や鍼灸の力を借りるのも必要だと思います。

・・・とこんな感じて3人のトークは終了しました。
今回は話が盛り上がったこともあり、「ふっくらNo.9」で
話の続きをお届けすることになりました。
次号の内容は、「ストレスを緩和できる漢方治療」の話になると思います。
年に1回くらいのペースで発行されておりましたが、
次号は年内で12月くらいにはみなさんにご紹介できることになっています。
ちなみに、「ふっくら」シリーズは、足立病院生殖内分泌医療センターの
受付の前の棚に置かれています。
良かったら手に取ってみてください。
または、当院のホームページの左下に今までの「ふっくら」シリーズを
PDFファイルにして、見て戴けるようにしております。
では、次号をお楽しみに~。

Omura


2014年10月30日 blog 0

不妊治療で良く使われる漢方とツボ②

前回は足立病院生殖内分泌医療センターで発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌「ふっくらNo.8」の
中面の紹介でした。今回はその続きで②ですね。
③まで続きますので、お楽しみにしてください。

漢方と鍼灸が連携して患者さんをサポート

大村:
冷え症に対するツボはいろんなタイプがありますので、
一概にこの冷え症だからこのツボとは言い切れません。
漢方と同じように症状が改善してきたら、治療法を変え、
ツボも変えなければなりません。
今回は皆さんにわかりやすく良く使われる代表的なツボを
ご紹介しましょう。

1.パワーが無くて冷えている人
三陰交、関元に鍼にお灸をします。
もともと妊娠するための「気」が不足すると
全身の血流が悪くなります。
三陰交は肝、脾、腎の三つの経絡が交わる交差点で、
不妊治療に良く使われます。ツボを鍼やお灸で温め、
気を補って全身の血行を良くし冷えを改善します。

2.頭に血が上って下半身が冷えている人
太衝、合谷などに鍼をします。目や頭の使い過ぎで
気が上がってしまい全身に気が廻らなくなり
上半身は熱かったり、ほてったりするのに
下半身が冷えているという状態に気を巡らせて
冷えを治します。

3.ストレスによって血管が収縮し冷えてしまっている人
内関、神門、百会などに鍼をします。
持続的なストレスはため息をついたり気持ちが
もやもやしたりして自律神経の不調をきたします。
これらのツボは気持ちをリラックスさせ血流を
穏やかにして冷えを改善させます。

4.水分を取りすぎて冷えてしまっている人
復溜に鍼をします。水分の取りすぎや自分の水分の
処理能力が落ちていたりすると体に余分な水分が停滞し
下半身がむくんだり、顔や手がむくんだりして
体がずっと冷えた状態を温めむくみを取ります。

to be continued
Omura