2014年11月3日 blog 0

不妊治療で良く使われる漢方とツボ③

今回でこのシリーズは③ですが、
足立病院生殖内分泌医療センターで発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌「ふっくらNo.8」の
中面の最後の紹介です。
今回は高雄病院の漢方医・橋本正也先生の話が中心になってきます。

漢方薬で冷えのぼせを治す

橋本:
お血、つまり血の流れが非常に悪くなっている人には、
桂枝茯苓丸を用います。つまった血管を掃除するイメージです。
冷えですが、パワー不足の冷え。お血、血虚、つまり
血の流れが悪いための冷え。
ストレスなどで気の流れが滞って起こる冷え。水分の
過剰の冷え。

体が熱すぎることで起こる下半身の冷え等、様々な原因があります。
これらの原因に合わせて漢方薬を用いるのですが、
例えばパワー不足の人に用いる八味地黄丸を体が熱くて
冷えのぼせしている人に用いると、むしろ悪化します。
患者さんの訴えによく耳を傾け、その方の状態を
正しく把握することが大切なことです。

あと、体のパワーの源は、胃腸の栄養吸収です。
胃腸の弱い人には六君子湯などで胃腸の機能を
良くすることが不妊症の治療においても重要です。
胃腸を傷める漢方薬は用いてはいけません。

大村:
全身の血行が悪くなるお血や血行が悪くなった場所に
できるお血、月経血がしっかり出なくて子宮の中に残った
血液が古くなりお血になったりして不妊症の原因になります。
月経血が紫色がかった色で塊が多く出たり、粘り気が多いのは
子宮内膜にお血が溜まっている状態です。
三陰交はお血に使う代表的なツボです。
太衝も気を巡らせて停滞しているお血を減らしていく効果があります。

大村:
最近は西洋医学でも漢方薬を用いることがふえていませんか。

中山:
明らかに必要な人には処方します。使うのはオールマイティーな
当帰芍薬散が多いです。PCO(多嚢胞性卵巣症候群)の場合
LH(黄体形成ホルモン)を下げるために芍薬甘草湯を用いるのですが、
男性ホルモンを下げる働きもします。
私たちの場合は男性ホルモンが高いから下げよう、
黄体形成ホルモンが高いから下げようといった西洋医学的な
使い方をしますね。

大村:
それはそれでありですよね。
それに東洋医学的な見方が加わればいいと思います。

中山:
身体を整えるには漢方や鍼灸の力を借りるのも必要だと思います。

・・・とこんな感じて3人のトークは終了しました。
今回は話が盛り上がったこともあり、「ふっくらNo.9」で
話の続きをお届けすることになりました。
次号の内容は、「ストレスを緩和できる漢方治療」の話になると思います。
年に1回くらいのペースで発行されておりましたが、
次号は年内で12月くらいにはみなさんにご紹介できることになっています。
ちなみに、「ふっくら」シリーズは、足立病院生殖内分泌医療センターの
受付の前の棚に置かれています。
良かったら手に取ってみてください。
または、当院のホームページの左下に今までの「ふっくら」シリーズを
PDFファイルにして、見て戴けるようにしております。
では、次号をお楽しみに~。

Omura


2014年10月30日 blog 0

不妊治療で良く使われる漢方とツボ②

前回は足立病院生殖内分泌医療センターで発行している
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌「ふっくらNo.8」の
中面の紹介でした。今回はその続きで②ですね。
③まで続きますので、お楽しみにしてください。

漢方と鍼灸が連携して患者さんをサポート

大村:
冷え症に対するツボはいろんなタイプがありますので、
一概にこの冷え症だからこのツボとは言い切れません。
漢方と同じように症状が改善してきたら、治療法を変え、
ツボも変えなければなりません。
今回は皆さんにわかりやすく良く使われる代表的なツボを
ご紹介しましょう。

1.パワーが無くて冷えている人
三陰交、関元に鍼にお灸をします。
もともと妊娠するための「気」が不足すると
全身の血流が悪くなります。
三陰交は肝、脾、腎の三つの経絡が交わる交差点で、
不妊治療に良く使われます。ツボを鍼やお灸で温め、
気を補って全身の血行を良くし冷えを改善します。

2.頭に血が上って下半身が冷えている人
太衝、合谷などに鍼をします。目や頭の使い過ぎで
気が上がってしまい全身に気が廻らなくなり
上半身は熱かったり、ほてったりするのに
下半身が冷えているという状態に気を巡らせて
冷えを治します。

3.ストレスによって血管が収縮し冷えてしまっている人
内関、神門、百会などに鍼をします。
持続的なストレスはため息をついたり気持ちが
もやもやしたりして自律神経の不調をきたします。
これらのツボは気持ちをリラックスさせ血流を
穏やかにして冷えを改善させます。

4.水分を取りすぎて冷えてしまっている人
復溜に鍼をします。水分の取りすぎや自分の水分の
処理能力が落ちていたりすると体に余分な水分が停滞し
下半身がむくんだり、顔や手がむくんだりして
体がずっと冷えた状態を温めむくみを取ります。

to be continued
Omura


2014年10月24日 blog 0

11月の無料カウンセリング②

今日、午後に11月の無料カウンセリングの案内をアップしたのですが、
11月1日(土)の予約が早くも埋まってしまいました。

11月15日(土)の午後1時と1時30分はまだ空きがありますので、
鍼灸治療に興味がありましたらご連絡ください。
お待ちしております。

電話 075-241-2101

Omura


2014年10月24日 blog 0

11月の無料カウンセリング

11月の無料カウンセリングの日程

●11月1日(土)、15日(土)
午後1時、午後1時30分
(各時間、お一人、または一組)

●東洋医学的に見て不妊原因はどのタイプに属するのか診断いたします。
また、その解決方法のアドバイスもいたします。
●鍼灸治療はどのようにするのか、当院の治療の方法もご説明いたします。
●その他、不妊治療で疑問に思っていることなどがありましたら、
できる範囲でお答えいたします。

カウンセリングの時間は30分くらいですが、個別無料カウンセリング
ご希望の方は、当院に電話でご連絡ください。
電話 075-241-2101
もし一人で悩んでおられるのなら、気軽にご相談ください。
少しはお力添えできると信じております。

昨日、当院に2回目の治療に来られた患者さんとのエピソード。
大村:
「前回生まれて初めて鍼灸治療にチャレンジして、
その日とか次の日に体がだるくなったりしませんでしたか・・・?」
Oさん:
「いいえ、なかったです。それどころか何かいつも重だるく感じていた体が
元気になって、片付けものとかスイスイできたんです」
「気持ちもかるくなったようでした。実はここ半年くらい体がずっと
だるく感じていたんです」
「へぇ~、鍼治療って効いてるんだね・・・と、
主人が元気になった私をみて喜んでいました」

・・・という2回目の治療に来られたOさんとの会話です。

Oさんは「気滞症」だったから、気の滞りがあって、
ずっと気分がすぐれなくて、血行も悪くなっていました。
鍼灸治療で体調が良くなってくると、血行が良くなって
妊娠しやすくなります。

自分が東洋医学的に見て、どんな状態かを知って、それに対処していけば
妊娠しやすい体質になりますよ。

良かったらカウンセリングにきてみませんか。(ちょっと予約の枠が少ないけどね)

Omura


2014年10月23日 blog 0

不妊治療でよく使われる漢方とツボ①

前回は、京都の足立病院生殖内分泌医療センターで発行されている
最先端医療と未妊サポート情報誌の最新号「ふっくらNo.8」より、
着床障害の原因と克服法を3回シリーズでご紹介しました。

今回は見開き中面の対談、
「不妊治療で良く使われる漢方とツボ」をご紹介しましょう。
対談のメンバーは、足立病院生殖内分泌医療センター長の中山貴弘先生。
高雄病院、漢方医の橋本正也先生。
そして私、烏丸御池鍼灸院院長、大村賢秀。

患者さんにとって不妊治療はとてもデリケートで、治療には精神的なケアも
求められます。
漢方医、橋本正也先生をお招きし、体質改善とともにストレスを緩めることで
身体を整えていく漢方についてお話をうかがいました。
今回はまず不妊治療に用いられる漢方とツボをご紹介します。

「西洋医でも漢方を使うことが多くなってきた」

大村:
最初診療を始めたころはとにかく体が冷えるという人が
多かったんです。でもこの20年、のぼせているひとが
増えていることに驚いています。
現代人は頭ばかり使うので頭に血が上っている。
そうなると肝心の子宮や卵巣の血流が悪くなるのです。

中山:
当院でも足が冷えているのに頭はのぼせている・・・
更年期障害のような症状の人が多いですね。

橋本:
のぼせますと下半身は冷えます。子宮、卵巣なども冷え、
妊娠しづらくなるのです。のぼせの原因は、冷えがあってのぼせる、
体が熱くてのぼせる、の二つに大別できます。
例えば水の取りすぎで冷えておこるのぼせがあります。
お腹や下半身に冷たい水がたまり、熱が上へ追いやられて、
のぼせるのです。
この場合は水を排泄し、血の循りを良くする当帰芍薬散を
もちいたりします。

ストレスで体がイライラすると体は熱を持ちます。熱は専ら
上へ昇るのでのぼせてきますし、下半身は冷えます。
例えば加味逍遥散を用います。
また、陰虚と言いますが体を冷ます働きが弱っていて、
体がすぐに熱くなる状態があります。
ストレスや頭を使う、気候の変化などでのぼせが起こり下半身が
冷えてきます。六味丸を用いたりします。

to be continued
Omura


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