2013年8月6日 blog 0

エンブリオ・グルー(受精卵接着剤)

エンブリオ・グルーという方法をご存知でしょうか?
これはヒアルロン酸が豊富に入った培養液です。
子宮内膜にもヒアルロン酸が存在して、
受精卵の着床を助けるものと考えられています。

ヒアルロン酸と言えば美容関係ではシワをのばすのに使いますね。
それと年配の方の関節痛なんかにも、
痛みを改善させるために使ったりします。
よく、サプリメントの広告でヒアルロン酸入りやコラーゲンって
耳にするでしょ。

胚移植前にエンブリオ・グルーを使用します。
ヒアルロン酸は卵胞液、卵管分泌液、子宮腔内に自然に存在しており、
着床を促すのではないかと考えられています。
胚移植のための接着剤的な役割を果たしているようですね。

この方法で着床率や妊娠継続率が上がるという研究報告があります。
(妊娠継続率とは流産しないで、出産に至る確率です。)
同じような方法でSEET法という方法もありますが、
現在ではその効果は疑問・・・ということも言われています。

エンブリオ・グルーの報告例は様々です。
・良好胚盤胞が得られない症例や高齢の症例において
特に有効である可能性が示唆された。

・良好な胚盤胞が得られなかった症例において有効であることが示された。
よって分割期胚以降の凍結胚移植培地にエンブリオ・グルーを
用いることは臨床上有用であると考えられた。

・良好胚が得られない反復不成功例に対してエンブリオ・グルー
を使用した胚移植が有効となる可能性が示唆された。

・統計学的優位差は得られなかった。
などと、いろんな意見があるようです。

エンブリオ・グルーはFDA(米国食品医薬品局)に認可されていますので、
子宮及び受精卵に悪影響がないとされています。
害がないのだとすれば、やらないよりやった方がいいのかもしれませんね。

エンブリオ・グルーは有効なのでしょうが、
まずその前に心と体のバランスを整えて、
子宮の血行を良くし、子宮内膜を厚くして
受精卵が着床しやすい温かい子宮のベッド作ってあげないといけませんね。
胚移植前の鍼灸や子宝ソフト整体は身体をリラックスさせ、
子宮内膜を温め、受精卵を着床しやすい状態を作ります。
是非、エンブリオ・グルーもして、鍼灸もトライしてみてください。

Omura


2013年8月4日 blog 0

2013年 前期 妊娠報告1(56名) 妊娠年齢

2013年 前期 妊娠年齢グラフ

2013 1-6 age

妊娠数     56人(43人)

平均年齢  37.1歳(38.4歳)

25-29歳     3人(1人)

30-34歳    11人(8人)

35-39歳     29人(19人)

40歳以上    13人(15人)

カッコ内の数字は、2012年前期の数字です。

参考までに、 2012年前期のグラフ  を参照なさってください。

この前年同時期と比較しますと、
全体の妊娠数が約1.3倍。
特に、30代後半の妊娠数が伸びていました。
実際、以前よりも20代や30代の通院患者さんが増加傾向にあります。
その分、平均年齢が下がったのだと思います。

1)20代、30代前半の方。

卵子の老化が叫ばれるようになった昨今、
女性の立場から考えると、
早い治療スタートが妊娠への近道なのは言うまでもありません。
病院での検査も必要ですが、
鍼灸・整体で、妊娠体質に向かってご準備なさっては如何ですか。
早い妊娠は、流産のリスクも低いですし、
2人目をお考えになった時にも、有利に働きますよ。

2)30代後半の方。

35歳を過ぎると、妊娠率は急激に下がっていきます。
その原因は、卵子の元になる細胞の減少と共に、
卵子の質が低下するからだと言われています。
実際、体外受精しても、採卵数が少なかったり、受精卵の質が低かったりして、
妊娠に至らずに当院に来られる患者さんは大勢おられます。
そんな場合、鍼灸・整体で体質改善を進めてから再度採卵なさると、
採卵数が増加したり、受精卵のグレードがアップして妊娠された例はあります。

また、受精卵の質には問題がないのに、複数回の胚移植で妊娠に至らない方は、
子宮の血行不良(東洋医学独特の概念「お血」の症状)
着床できない方もおられます。
貴重な受精卵を胚移植なさる前に、
鍼灸・整体で準備なさると、生理痛が軽減したり、月経の色がキレイになります。
そうして、子宮の中をキレイにしてから胚移植して妊娠されるケースも多いです。

あるいは、初めて体外受精にステップアップをお考えの方は、
しっかり準備なさってから体外受精なさると、
初回の採卵でそのまま妊娠される例も多いです。
受精卵がストックできた場合、
2人目は、若い時の凍結胚ですぐにトライ出来るメリットも大きいです。

3)40代以上の方。

まだ、あきらめる必要はありません。
実年齢と卵巣年齢は必ずしもイコールではありません。
この半年だけでも、13人の患者さんが妊娠されています。
皆さん、通院経過も長く、なかなか妊娠出来なかった方ばかりです。
体外受精を何度も経験なさっていて結果が出ない方、
受精卵の質が良くないと言われた方、
誘発しても採卵数が少ない方、
鍼灸・整体で体質改善して再トライなさっては如何ですか。
病院の治療経過が長いと、卵子や受精卵の質低下を避けることは出来ません。
鍼灸・整体でアンチエイジングが出来るとはハッキリ言えませんが、
少なくとも、体質改善してから再度採卵されると、
前述のように、受精卵のグレードアップが可能です。
妊娠のチャンスを増やすために鍼灸・整体にトライなさっては如何ですか。

体外受精を例にとって述べさせていただきましたが、
タイミングや人工授精でも同じように体質改善すると、妊娠に近づきます。
また、最近は、男性不妊のご要望にも対応しております。
ご希望があれば、一度、ご相談ください。

データの詳細報告は次回に続きます。

田内


2013年7月28日 blog 0

漢方薬は東洋医学

前回のブログ、 様々なタイプ毎に鍼灸・整体する意味 で、身体が火照りやすいタイプの患者さんの話をさせていただきました。 今日は、その続編になります。 タイトルの「漢方薬は東洋医学」。 当たり前のことで、皆さんも今さら何をと思うでしょうが、 意外に、実行されていないことがあるんですね。 話は、やはり火照りタイプ患者さんの問診がキッカケでした。 不妊専門病院で処方されていたある漢方薬のことです。 恐らく、ドクターは、卵子の成長や質を上げるために処方されたと思いますが、 私が見たところ、このタイプの患者さんにその漢方薬は合わないように感じました。 (決して病院の批判ではありませんので、誤解のないようにお願いします。) 私たちは、漢方薬の専門家ではありませんので、 漢方薬の使用不使用を指導することは禁じられていますが、 漢方の概念は同じ東洋医学ですので、 患者さんの状態をより良く理解するために、最低限の知識は身に付けています。 一般的に、西洋医学中心のドクターが処方する漢方薬は、症状に対して。 つまり、表に表れている症状のみを見ています。 (勿論、東洋医学の考えに沿って漢方を出すドクターもいるとは思いますが) 東洋医学中心の漢方ドクターが処方する漢方薬は、その人の体質に対して。 これは、裏にある根本的な体質を改善するのが狙いです。 症状が同じでも、体質が違えば処方は変わってきます。 上記の患者さんには、京都の高雄病院を ご紹介させていただきました。 結果は、処方が変わり、鍼灸・整体と漢方の相乗効果で 皆さん、身体が楽になったと喜んでおられました。 高雄病院をご紹介するメリットは・・・ 1)漢方専門ドクターが、東洋医学的な診断に基づいて、適切な漢方を処方 2)漢方薬局と違い、ほとんど保険適応なので、費用負担が軽い 3)不妊専門病院や当院(鍼灸・整体)との連携で相乗効果が期待できる 勿論、その先には妊娠というゴールが待っています。 前回のお話もそうなのですが、 ご自身の体質に合わせてくれる鍼灸・整体そして漢方薬を受けられるところが良いと思いますよ。 次回は、漢方薬を変えて良い結果が出た具体例をご紹介させていただきます。 田内 ※写真は、祇園祭の時期だけ見られる 京都の老舗帯問屋「誉田屋源兵衛」さんの 昇り鯉図 noborikoi2013


2013年7月24日 blog 0

2013年 前期 妊娠報告 速報

毎日、暑い日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか?

今年も大勢の方が妊娠されています。
時には、施術ベッド3台全てが妊婦さんになることもあります。
(流産予防で来られていますので)
妊婦さんは、妊娠パワーを持っていますので、
皆さん、妊娠菌をいっぱい吸い込んで、この流れに乗ってください。
さて、2013年1月~6月の妊娠数を集計しましたところ、以下のような状況でした。

妊娠数       56人 (43人)

平均年齢    37.1歳 (38.4歳)

平均通院回数 18.8回 (20.1回)

平均施術期間 6.3ヶ月 (6.7ヶ月)

(カッコ内は2012年1月~6月の数字です。)

今後、集計が上がったものから順次、詳しいデータをグラフと共にご報告させていただきます。

田内

※写真は、祇園祭の占出山。
神功皇后を祀る安産の山。授与品として、腹帯・御守(安産)を扱っていました。
urade2013-1

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2013年7月22日 blog 0

様々なタイプ毎に鍼灸・整体する意味

今年も祇園祭が無事終わりました。
当日は、仕事中でしたので、絶好の立地にも関わらず、
コンチキチンの音色を聞くのみで眺めることは出来ませんでした。
しかし、当日の早朝(7時~8時半位)、散歩を兼ねて各山鉾を巡ると、
思いがけない状況に遭遇できました。

1)観光客がほとんどいないのでゆっくり見れた。
2)近くまで寄って写真を撮れた。
3)御神体も置かれて山鉾が完成していた。
(前日までは、まだ御神体が置かれてない山鉾もありました)
4)ハッピを羽織った関係者もいて臨場感溢れる場面に遭遇出来た。

来年は、是非、皆さんも試してみてくださいね。

さて、これから本格的な夏に突入です。
最近、身体に熱がこもりやすいタイプの患者さんをよく見受けられます。
東洋医学的には「腎陰虚」タイプ
以前、大村院長ブログ
何が起こるかわからへん⑨-2 低温期が36.7℃
でご紹介したKさんも基礎体温が全体的に高く、熱がこもっていました。
身体を冷ます力が弱く、体の火照りや乾燥肌になってしまうタイプですから、
夏のシーズンは苦手だと思います。

このタイプの患者さんを問診させていただくと、
時々、疑問に思う事があります。
今回は、そのケースをご紹介します。

疑問1)とにかく温める施術??

以前、通院されていた鍼灸院の経過を問診した時のやり取りです。

『どんな施術方針でしたか?』

『「とにかく温めなさい!」という指導を受けていました。』

『しんどくなかったですか?』

『ええ、そうなんです。身体が火照ってつらかったです』

真冬の季節ならまだしも、夏の時期での火照りタイプの方に対しては、
当院では、基本的に、余分な熱を抜く事が多いです。

何でもかんでも温める事が良い訳ではなく、
身体全体が冷えている時は、温める。
火照りがある時には、冷ます。
何事も、「バランス良く」、「ほどほどに」が一番だと考えています。
それと、以前の鍼灸院では、通院は週に1回、
それも毎回、同じツボを使っていたそうですが、
当院では、周期に合わせてご案内しますし、
その都度、使用するツボが変わります。

それは、当院の周期療法の特徴でもあります。

1)東洋医学的なタイプ分け
2)病院での治療経過と今後の治療方針
3)生理周期
4)基礎体温
5)漢方薬の有無
6)季節や気温

これら全てを考慮してから施術に臨みます。
つまり、その場で判断してから施術しますので、
結果的に毎回少しずつ違ったツボの組み合わせになっていきます。

病院での最先端高度生殖医療の知識を理解しながら、
脈診、舌診などの古典鍼灸の概念で患者さん一人ひとりに合わせた
オーダーメードでオリジナルな鍼灸・整体。
ご興味があれば、是非、お試しください。

田内

※巡行直前の長刀鉾
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※長刀鉾に集まる関係者
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