2013年1月30日 blog 0

何が起こるかわからへん9-① Kさんからのメール

先日、昨年治療に来られていたK さん(40歳) から
「無事に出産しました!」というメールをいただきました。
彼女もかなり困難を乗り越えて妊娠・出産をされたので、
僕も良く覚えています。
メールの内容で、苦悩されていた頃のエピソードが
ブログを見て下さっている皆さんの元気を引き出してくれればと思い
K さんに許可を得て掲載させていただくことになりました。
内容は以下の通りです。

烏丸御池鍼灸院
大村院長先生
田内副院長先生
スタッフの皆様

ご無沙汰しております。そちらでお世話になっていました〇〇〇〇です。

1月15日(火)、3535gの女の子を無事出産致しました!
予定日より10日過ぎ、お腹の中ですくすくと成長してしまったため、
分娩が大変でしたが、ムチムチの女の子が元気に産まれてくれました!
出産後、日に日に可愛さが増し、同時にお世話になった方々の顔が思い浮かび、
感謝にたえません。

特に、烏丸御池鍼灸院の皆様には、本当にお世話になりました。
結果が思うように出ず焦りを感じた時に、
ネットで見つけたブログ『スローでええやん』のタイトルに惹かれ、
すぐお電話したのがご縁の始まりでした。
初めてお電話した時に副院長の田内先生が丁寧に話を聞いて下さり、
とても信頼できるところだと感じ、通い始めたのでした。

よく思い出すのは、卵は採れた数ではなく、
質が大切と言われていた院長先生のお言葉で、
病院での採卵後、隣のベットから、10個、20個採れた話が聞こえてくると、
焦りと「無理かもしれない…」という諦めの気持ちでいっぱいになった時もありましたが、
院長先生のお言葉を思い出し「私は私でいいんだ」と気を取り直して、
前向きに頑張ったことを思い出します。

子供の名前は、〇〇〇です。
お世話になった皆様のことを忘れることなく、大切に育てていきたいと思います。
本当にありがとうございました。

〇〇〇〇

K さんも卵胞が育ちにくく、グレードがかなり悪かった状態から
治療を始めさせていただくことになりました。
そのエピソードは次のブログでご紹介しましょう。

Omura


2013年1月28日 blog 0

何が起こるかわからへんNo.8-③ 卵胞が少ない

前回は「そしてたった2個残った受精卵のグレードは・・・。」
で話が終わりましたが、今回はその続きです。

T さんの受精卵2個は胚盤胞のグレードC 評価。
一つはフレッシュで移植予定。もう一つは凍結して、
もう一回移植できるようにしたかったのですが、
凍結に耐えられないレベルの胚だったので、
2つ移植することになりました。

胚盤胞のおおよその妊娠継続率は以下の通りです。
AA 40.8%、AB 26.7%、BA 37.6%、BB 21.4%
(生殖医学会のデータを参考にしました)

グレードC 評価がつく場合は、20%以下になるケースが
多くみられます。
ですが、T さん、胚盤胞のグレードCで妊娠、出産されました。

データは確率ですね。でも、何が起こるかわかりません。
移植前後に鍼灸治療させていただいて、
妊娠判定後も流産予防で鍼灸治療を
続けさせていただきました。

そして今回、2人目を望まれて来院されたのですが、
自然周期で採卵したいということで、相談されたのですが・・・
Tさん:「今回は三宮方面のクリニックに行こうと思っているのですが・・・」
大村:「何で病院を変えるのかな。小さい子を抱えて三宮まで通院するの・・・?」
Tさん:「自然周期の採卵で・・・とネットで書いていたので」
大村:「ん~、近い方がいいんじゃない?」
「自然周期の採卵なら前回お世話になった病院でもやっているし、
不妊治療を専門にしている病院ならどこだってやってるよ」
Tさん:「え~、そうなんですか?」
大村:「まったく薬を使わないで採卵するのを完全自然周期とでも言いましょうか」
「クロミッドやセキソビット、フェマーラなどの経口薬を飲んで採卵するのも
自然周期の採卵って言うんだよ」
「だから、通院に負担をかけすぎないで通えるところがいいのでは・・・」
「一度、前回行っていた病院の先生に相談してみられたら」とアドバイスしました。

T さん、早速、以前お世話になっていた先生を訪ねて話をしたら、
クロミッドで自然周期の採卵をする方向性で治療されることになりました。

自分一人で考えていて、ネットの情報で検索すればするほど、
頭の中がこんがらがって何がいい方法なのかわからなくなってしまう人が
少なくないように思います。むしろ、かなり多いかも知れません。

当院は妊娠体質にする鍼灸治療だけではありません。
どんな方法の治療法があるのか、どんな病院がその人に合っているのか、
どれくらい通院しなければいけないのかなんか疑問に思っていること、
いっぱいありませんか?
疑問に思うことがあったら、できる範囲ですがご相談にのりますよ。
もし悩んでおられる方がおられましたら、
当院のホームページの問い合わせフォームでご連絡ください。

Omura


2013年1月27日 blog 0

妊娠初期の流産予防には鍼灸を・・・

当院の患者さんは、ほぼ100%不妊症でお越しいただいております。
その結果、昨年は、大勢の方が妊娠して卒業されてました。
現在、2012年のデータをまとめ中ですので、近いうちにご報告できる予定です。

さて、当院にお越しになる目的は、勿論、妊娠ですが、
無事、妊娠出来たとしても、その後の心配はつきものです。

過去に流産経験があったり、
高齢妊娠だったり、
アレルギー疾患をもっておられたり等々・・・
流産のリスクはついてまわります。

そこで、当院では、妊娠前から診させて頂いた患者さんを対象に、
流産予防の鍼灸にご案内しております。
しかし、流産予防といっても、
『実際にはどんな効果を実感されているのか?』
との質問がいくつかありましたので、
その例として、患者さんの感想を挙げてみますね。

ケース1)胎児の成長促進効果

妊娠初期は、1週間に1回位の間隔で来院されている事が多いのですが、
心拍確認後の6~8週目位に一度、出産予定日が出されます。
その後、鍼灸をしながら、病院で経過観察した結果、
10~12週目位の診察で、
『予定日が変更になりました。』とのご報告。
聞けば、胎児の成長が6~7日程も早かったので、
出産予定日が早まった。

妊娠初期は、成長が遅くなって流産するケースが多く見受けられるので、
鍼灸で成長を促進させてあげると、
週数通り又は週数よりも早く成長することがあります。
胎児の成長が早い事がすなわち流産予防になります。

ケース2)つわりの軽減効果

つわりがひどくて、毎日、嘔吐していた患者さん。
流産予防で鍼灸を継続していたところ、
『鍼灸後の数日間はつわりが楽になるんです。』
とのコメント。
つわりが軽くなると、精神的な安定に繋がり、流産予防になります。

つわりは、病気ではないので、ある程度仕方ないことですが、
キツイ方は、食べれない、嘔吐する、など辛い日々が続きます。
場合によっては、入院、点滴のケースもあります。
そんな患者さんには、鍼灸によって数日間つわりが軽減できると、
その間に、家事や雑用を済ませる事ができるのでとっても助かるそうです。
中には、ほとんどつわりがなく順調に過ごす方もおられます。

ケース3)安心感

診察経過が順調の場合、診察間隔が長くなって行きます。
しかし、当院は、基本的に1週間に1回位の間隔で来院されています。
『次の診察までがとっても長く感じるけど、
鍼灸院で診てもらう事でほっとしてます。』
と言ってくださる方が多いです。

診察間隔が長くなると、人によっては不安感がつのります。
流産経験があれば尚更です。
そこで、鍼灸で体調を整えると心が安定して、流産予防になります。
また、妊娠初期の過ごし方などのご相談も伺っています。

タウチ

補足ですが、
妊娠初期の過ごし方については、下の胚移植後の過ごし方 1~3を
参考になさってください。
タイトルは『胚移植後の過ごし方』ですが、
妊娠初期の過ごし方も、ほぼ同じです。

胚移植後の過ごし方 1

胚移植後の過ごし方 2

胚移植後の過ごし方 3


2013年1月26日 blog 0

何が起こるかわからへんNo8-② 卵胞が少ない

ご夫婦で話し合って、T さん夫妻は体外受精にチャレンジされました 体外受精の方法は年齢的にまだ40歳には至っていないし、 卵胞も毎月できるからということもあって、 ショート法というので体外受精にトライされたと記憶しています。 月経が始まって3日目から一週間くらい、 毎日hMG注射をして卵胞を増やして、月経12~14日目(15日~16日くらいの人もいます) くらいで採卵して体外受精する方法です。 普通なら10個くらい採卵して、8~10個受精して、 3日目の新鮮胚で6~8個、5日目の胚盤胞なら2~3個凍結でしょう。 この数字は当院で3~6か月治療させていただいてから 再び体外受精にチャレンジされた患者さんの平均くらいの数値です。 ただT さんの場合、5つしか採卵できなかったのです。 卵巣を注射でホルモン刺激しているにもかかわらず、 たったの5つしか育たなかったのです。 T さんのような注射でホルモン刺激しても卵巣が余り反応しない状態を、 Poor Response(プア・レスポンス)と言います。 T さんの場合は特にひどいプア・レスポンスではないのですが、 その範疇に入ると思います。 注射に反応しにくい人で卵胞が1個しか出てこないという方も 少なくありません。 これならクロミッドを飲んだり、何もしないで 普通に卵胞が育つのと変わらないですね。 せっかく体外受精にまで踏み切ったのに、卵胞が出てこなかった 精神的なショックの方が大きなダメージでトラウマになってしまいます。 採卵後の受精の報告に来ていただいて、この数字にT さんは愕然とされ、 かなり落ち込んでおられました。 意を決して臨んだ体外受精なのに、何で5つしか卵胞が育たないの・・・と 思われたと思います。 それに追い打ちをかけるように、体外受精で使える受精卵は 胚盤胞で2個だけだったのです。 他の3つは受精しなかったり、変性卵だったりと 体外受精に使える状態ではなかったのです。 そしてたった2個残った受精卵のグレードは・・・。 to be continued Omura


2013年1月23日 blog 0

何が起こるかわからへんNo.8-① 卵胞が少ない

先日、一人目の不妊治療の時にお世話させていただいた
T さんから久しぶりに電話がありました。
昨年、T さんとお話をするのは友人で不妊治療されているS さんを
ご紹介下さった時に来られて以来です。

そのときT さんから相談されたのが…
T さん: 「大村先生~、もう一人欲しいのですがどう思われますか・・・?」
大村 : 「いいんじゃない、その時はまた鍼に来てくださいよ」
「でも、あれから1年半か2年くらい経っているから、
思うように卵胞が出てきたら良いんだけど・・・」
「先ずは、無理をしないことだね」と返事したと思います。

・・・というのも、
当時T さんは病院に通いながら半年ほど他の鍼灸院で治療をされていました。
なかなか思うように結果が出ずに悩んでいたところ、
不妊治療歴5年くらいの40歳過ぎの親戚のお姉さんが妊娠されたと事を知り、
「大村先生の所に行ってみたら・・・」と勧めて下さったようです。

当時は足立病院の中に鍼灸サロンというのを開設して、
不妊センターの患者さんのみの鍼灸治療をさせていただいてました。
・・・で、T さんが転院して来られたのです。
そのころT さんは確か36歳くらいだったと思います。

最初、基礎体温表はバラバラな状態。
ん~おかしいなぁ、6ヵ月ほど鍼灸治療していると、
もう基礎体温表はキレイな二層になって高温期が
安定しないといけないんだけどね。
・・・ということで3ヵ月くらい鍼灸治療させてもらいました。
基礎体温表は排卵してからダラダラ上がっていた高温期
一気に上昇するようになり、高温期の期間が長くなり
安定するようになりました。

そして生理痛が軽減生理の色もキレイな赤色になってきたのです。
冷え性も改善してきました。

自然での妊娠ができれば良かったのですが、
一度、ご夫婦の受精卵がどのようになっているのか確認の意味もあって
体外受精を勧めてみました。
そして体外受精にトライしてみたのですが・・・

to be continued
Omura