2017年10月10日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-⑥

不育症にについて
東洋医学的な見方

前回、不育症の原因を西洋医学的な
観点から簡単に説明しましたが、
今回は東洋医学的な視点でお話しましょう。

ストレスも不育症の原因のひとつ
上げられますが、
ストレスを東洋医学的に言うと、
根本的には気が滞る。

気滞(きたい)で気が滞ることに
よって、カラダのエネルギーのもとである
「気」巡らない。
それによって、カラダを栄養する「血」も
巡りが悪くなって滞る。

子宮や卵巣にきれいな血が巡らない。
きれいな質の良い子宮内膜や質の良い
卵子が育ちにくくなる。

ホルモン分泌を促す脳の視床下部にも
影響して女性ホルモンの分泌を促す
指令がうまく届かない。

気の滞りによって、自律神経が乱れ、
女性ホルモンの分泌が必要な時に
必要なホルモンが分泌されにくくなる。

自律神経の乱れで交感神経優位になると、
血管が硬くなり全身の血流が滞って、
五臓六腑に血液が巡らないので、
いろんなカラダの不調が出てきます。

東洋医学では、五臓六腑はすべて
つながっていて、ひとつの臓や腑が悪くなると
関連性の高い臓や腑が悪影響を受けて、
悪くなるのです。

例えばストレスで肝臓が悪くなると、
関連性の高い胃が悪影響を受けます。
だから、ストレスからくる胃炎や
胃潰瘍になるのです。

そして、どんどんと悪影響が進むと、
肺臓、腎臓、心臓に影響が及びます。
臓腑の腑は、胆のう、小腸、大腸、膀胱
などを指します。
胃の調子が悪くなると、胃腸が悪くなって・・・
なんて言いませんか。
これも関連しているからなのです。

子宮も臓腑の腑と言われています。

血液の巡りが停滞すると、血の質が悪くなり、
瘀血(おけつ)ができてしまうと、どんどんと
血液の質が悪くなる。

気が滞ることによって、カラダにいろんな
悪影響が出ます。

気滞の症状が進むと、イライラや怒りの
感情で気が上り過ぎると、カラダが
火照ったりして寝つきが悪くなり、
不眠症にもなりかねません。

気が上り過ぎると、上半身は火照っている
けれど、下半身は冷える。
冷えのぼせの症状で、妊娠しづらい
カラダの状態になってしまうのです。

東洋医学の四字熟語でいうと、
肝火上炎(かんかじょうえん)とか、
肝気鬱結(かんきうつけつ)とかみたいな
表現をします。
何となく、カラダの状態が悪いような
感じがしませんか?

気逆(きぎゃく)、陰虚火旺(いんきょかおう)
などもあります。
本当はもっと四字熟語の症状は多いのですが、
簡単に例をあげておくだけにします。
東洋医学的に見ても、不育症になる原因は
いろいろあるんだなぁ~と思っていただければ
良いと思います。

鍼灸や漢方はストレスフルなカラダの状態を
健康な状態にリセットしてくれる、
ひとつの方法だと思います。

それに、鍼灸治療をしているときに、
患者さんとお話しする時間がしっかり
あるということ。

病院では聞けないような、いろんな問題を
聞かれることがあります。
できる範囲ではありますが、
心が穏やかになって前向きになれるように
一緒に話ができるというのは、
いいことだと思っています。

さて、Hさんが44歳で初産されたお話の
道筋が少しそれてしまいましたが、
次回はHさんが不妊治療をのり越えられた
エピソードの最終回です。

Omura


2017年10月6日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-⑤

不育症検査について

妊娠しても赤ちゃんが育たずに、
流産や死産を繰り返してしまう状態を
「不育症」といいます。

流産を2回くりかえすと、反復流産
3回くりかえすと、習慣性流産

初めての妊娠で流産の確率は10%~15%と
言われていて、その半分以上は胎児の
染色体異常です。
染色体異常ではどうすることもできませんね。

日産婦誌59巻9号のなかで、
不育症についてはいまだに原因不明の
部分が半数を占めており,そのために
標準的検査,治療法がないのが現状である。

と書かれています。

原因と言われているのは・・・
●染色体異常
●子宮形態異常
●内分泌異常
●血液凝固異常
●免疫異常
●ストレス

検査は、子宮形態異常を除いて
ほとんどの項目が血液検査で分かります。

だから、流産を繰り返す前に
検査しててもいいのではと思っています。

内分泌の問題では、各種ホルモンの
補充を経口薬や注射をされます。

血液凝固の問題で、
抗リン脂質抗体と凝固因子異常の場合は、
バファリンやバイアスピリンの服用や、
程度によってヘパリンの注射をされます。

免疫の問題では、
夫リンパ球免疫療法でご主人のリンパ球輸血や
ピシバニール免疫治療で注射したりされます。

簡単にご紹介した項目は、
血液検査の結果でお薬で何とか問題を
解決しましょうというものですね。

ここで、見逃せないのは、
ストレスの問題なんです。

流産を繰り返すことによって、
妊娠してもまた流産するのでは・・・の
不安でストレスが増大します。

西洋医学的な話になると、
自律神経がうまく機能しなくなって、
緊張が続いて交感神経が優位になると・・・

アドレナリンが上昇⇒
毛細血管が緊張して血行が悪くなります。⇒
妊娠初期に赤ちゃんにへの栄養がスムーズに
運ばれずに流産の可能性がある。

ストレスでプロラクチンが上昇すると、
妊娠維持に働く黄体ホルモンの分泌が
低下します。

免疫細胞・NK(ナチュラルキラー)細胞が
活性化して、数値が高すぎると妊娠維持に
影響します。

では、東洋医学的には・・・
この話は次回にしましょう。

Omura


2017年10月5日 blog 0

10月の無料カウンセリング

2017年10月の
無料カウンセリングの日程

1人で悩んでないで、良かったら不妊治療に関して
悩んでいることがあったり
疑問に思っていることがあったら、
当院に来られてみてはいかがですか?

今思っている疑問や問題の糸口が
みつかるかもしれません。

10月  4日(水)  担当/大村  (予約済)

            11日(水) 担当/大村or安田 (予約済)

      21日(土) 担当/大村  (予約済)

      25日(水) 担当/大村or山崎 

午後1時~1時30分
(各時間、お一人、または一組)
(担当は変わることがございます。ご了承ください。)

病院でいろいろ検査をしたけれど、
特に問題はないと診断されても、なかなか妊娠できない。
タイミング療法を経て、人工授精、そして体外受精まで
ステップアップしたのに妊娠できない。

妊娠したけれど、流産をくりかえす。

二人目がなかなか授からない・・・など。

東洋医学的に見て原因や問題が
解決できるかもしれません。

当院ではなかなか妊娠できなかった人たちが、
今までに 1234組 がママ・パパになられています。

●東洋医学的に見て不妊原因はどのタイプに属するのか
診断いたします。
また、その解決方法のアドバイスもいたします。

●鍼灸治療はどのようにするのか、当院の治療の方法も
ご説明いたします。

●その他、不妊治療で疑問に思っていることなどがありましたら
ご相談ください。

カウンセリングの時間は30分くらいですが、
個別無料カウンセリングご希望の方は、

当院に電話でご連絡ください。
電話 0752412101

もし一人で悩んでおられるのなら、気軽にご相談ください。
少しはお力添えできると信じております。

Omura


2017年10月5日 blog 0

本を出して意外な反響?

今年の4月に不妊治療に関する
本を出版しました。

「やっと、妊娠できました。」
~とある不妊治療専門鍼灸院の
心が前向きになるお話~

出版は主婦の友社。

内容はなかなか妊娠できなかった方たちが、
鍼灸治療を通じて体質改善をして、
妊娠された方たちの心が前向きになる
エピソードをご紹介しています。

それに、必見?なのは、
私の治療家としての長年の経験から
生まれた、不妊治療の秘密にしていた
ツボのお話

本を書く気になったのは、
不妊治療をされている患者さんのほとんどと
言っても過言ではないほど、不妊治療の
ストレスやそれ以外の日常のストレスを
抱えているという現実があります。
そんな方たちに少しでも、
心が前向きになっていただければと
思っていたこと。

以前から遠方の方からの
問い合わせが多くあって、
当院に治療に行ってみたいけれど、
距離的にも時間的にも都合がつかないので、
あきらめるしかありません。

・・・という方が多くおられたので、
遠方の方たちも、私の秘密にしていた治療法を
公開することによって、セルフケアして
心が前向きになって、体質改善して
いただければと思ったので、重い腰を上げ、
本を書くことにしたのです。

重い腰?
体重の話ではないですよ。
何と、4ヵ月で5キロのダイエットに
成功しましたから。
やればできるもんですね。
何の苦労もなく。
この話は、また別の機会にこのブログで
ご紹介することにしましょう。

重い腰?
というのは、本を書くことを悩んでいた
からです。
特に有名にもなりたいとも思っていないし、
ある程度の年齢になったら、
治療家を引退したいと思っていた
からです。

だから、プロフィールに写真も
掲載しませんでした。
主婦の友社の方からは、
「絶対に先生の写真を入れた方が
いいですよ!」
と何度もアドバイスされましたが、
最終的にプロフィールの写真はなしで、
くまさんのイラストにしてもらいました。

当院のブログに使っている、
イメージのイラストです。

本を出版してから、
もちろんその反響で、遠方から当院に
来られる方も増えました。
本来は、それが目的ではなかったのですが、
やはり反響はあるものです。

東京、名古屋、静岡、福井、和歌山、奈良、
岡山、広島、宮崎・・・などから京都まで、
忙しい時間をやりくりして治療に来られて
います。

本当に遠方から、ありがとうございます。

意外なことに、鍼灸の先生が小生の本を
読まれて、ご自分が治療されている患者さんに
当院をご紹介されることがあります。

それと、若い鍼灸の先生からメールを
いただき、私の勉強会があれば、
ぜひ参加したいのでご案内くださいとか・・・。
不妊治療をされている患者さんの
治療効果が上がらずに、悩んでいるとか。
患者さん思いですね。

人に物事を教えるって、大変な労力がいるので、
勉強会などするはずもなく・・・です。
それに、他の先生に秘密の治療法を教えるのも、
何だか気が引けますね。

ですが、若いころ、修行に行っていた頃、
手取り足取り治療の方法を教わった
わけではないですが、技術を盗んで
覚えたものです。
ちゃんと治療しているところを、
惜しげもなく見せてくださいましたから。

今の私が治療家としてやっていけているのも、
その師匠との出会いがあったからだと
思います。

ですから、メールで問い合わせしてくれた、
宮崎県の鍼灸の先生にメールを入れました。

治療の参考になるなら、
見学するのならいいですよ・・・と。
きっと、何かをつかんで帰られると
思います。

たった4時間の当院の見学なのですが、
それだけのために宮崎県から来られる
熱意に応えたいと思うのですあります。

思いもよらなかった、意外な反響なので
あります。

Omura


2017年10月4日 blog 0

やっと妊娠できましたNo.22-④

Hさん(41歳)は、
タイミングをとられて1日後に
鍼灸治療に来られました。

高温期にもう一度、治療に来て
いただきました。
生理から17日目。
たぶん卵胞は20ミリくらいに育って
いるでしょう。
この日もドクターからタイミングをとるようにと
指示があったので、タイミングを
とられました。

このときに、前回のタイミングをとられた日の
卵胞は16ミリ。
生理から13日目のことです。
まだ排卵前ですし、排卵には
もう2日~3日かかりそうなときでした。

生理から20日目の診察は、
排卵しているかどうかの診察でした。
卵胞は排卵していなくて、23.6ミリに
なっていました。

急きょ、この日にもう一度タイミングを
とるようにドクターから指示がありました。

もともとHさんは当院に来られた時に
書いていただいた問診票に月経の周期は
28日~33日と書かれていました。

ですから、遅くとも生理から16日目とか
17日目くらいには排卵しているはずです。
ですが、今回の周期は20日目~21日目の
排卵と言うことになります。

Hさんは仕事が多忙で、睡眠時間は
7時間くらいはキープできているけれど、
質の良い睡眠がとれていないと言っておられました。

東洋医学的には、気が滞る気滞証に
なっていると思われました。
気が滞ることによって、排卵が遅れたり、
または排卵せずにLUF(黄体化未破裂卵胞)に
なって、次の生理が来ても卵胞が排卵せずに
残ってしまうこともありがちになります。

気の滞りによって、排卵する機能が
停滞してしまうのです。

そんな時は、鍼灸治療で
排卵をさせるツボを選んで治療すると、
95%くらいの確率で排卵させることが
できています。

その後、Hさんが当院に来られたのは、
最後のタイミングをとられてから、
34日目のことでした。

生理が始まって10日目ということでした。
最後のタイミングをとってから、
19日間生理が来なかったようで、
妊娠していたようでしたと言われました。

たぶん化学流産してしまっていたかもと
いうことです。

このとき、不育症検査の結果が出て、
プロテインS活性という項目が、
38という数字でした。
プロラクチンは28.3でした。

やっぱり、思った通り。
Hさんは不育症の検査で、
バッチリ引っかかっていたのでした。

ですから、今までの流産は、
不育症の可能性が考えられます。

早めに、不育症の検査をおすすめして、
良かったと思いました。

それは、次に妊娠されたときに、
病院やクリニックで飲み薬や注射で
対応できるからです。

飲み薬やヘパリン注射をすることによって、
不育症による流産を防ぐことができるのです。

Hさんも思いもしなかった不育症の結果に
驚いていましたが、現実を受け止め、
次に妊娠した時の対策ができて、
本当に良かったと喜んでおられました。

不育症検査の話はHさんのメールの中にも
書かれていましたが、次回は不育症について
書きたいと思います。

Omura