2017年7月4日 blog 0

やっと妊娠できました19-7

やっと妊娠できましたNo.19-7(最終回)
47歳で初めて出産しました!

最後の胚移植。
凍結2日目の受精卵を
1日培養して3日目の受精卵にして移植。

Aさんは45歳になっていました。
この年、凍結している胚を戻していくことに
専念することにしました。
45歳で胚移植できたのは、
たったの2回だけでした。

1回目はプレマリンの服用と
エストラーナテープを腹部に貼って、
エストロゲンを補充して子宮内膜を
厚くしようとするものでした。
人工凍結胚移殖のことですね。
この周期に、まず卵胞は育ちません。

月経が始まって11日目の診察で、
Aさんの子宮内膜は6.3ミリ。
15日目の診察で、7.8ミリにまで厚く
なっていました。
Aさんにすれば、かなり順調です。
18日目に2日目の凍結胚を移植することが
決定。胚移植当日の子宮内膜は9.2ミリにまで
成長することができました。

胚移植までの鍼灸治療は月経がはじまって
7日目と胚移植当日でした。
胚移植後3日目と7日目。
判定はマイナス。
ホルモン値は問題ありませんでしたが、
受精卵の力が無かったのでしょうと
ドクターのコメント。

その後、子宮鏡検査をドクターからすすめられて
実施。問題なしとのことでした。

Aさんは45歳の時の胚移植2回目。
胚盤胞の凍結胚が1つ残っているとのことでした。
当院の記録では胚盤胞の凍結胚が無かった
ようだったので、Aさんに確認したら、
胚盤胞を1個凍結しているとのことでした。

そして、45歳の時、2回目の胚移植。
人工周期の凍結胚盤胞移植にのぞみました。
結果はマイナス判定。

Aさんは期待を込めていた、胚盤胞の移植が
マイナス判定になってかなり落胆されて、
3ヵ月ほど鍼灸治療もお休みされました。

Aさんは46歳になって約半年が経過しようと
するとき、使える凍結胚は2回分になっていました。
人生最後に採卵して凍結してあるのは、
4G3のグレードが1個で、妊娠の可能性は余り高いとは
言えません。フラグメントがたくさんあったからです。

その前に採卵して凍結していたのは、受精2日目の
4G2~4G3のグレードの凍結胚が2個ありました。
この2個の凍結胚が、実質、Aさんの人生最後の
胚移殖になったのではと思います。

この周期、自然に卵胞が育っていたので、
様子を見ることにされました。
いつもなら、人工周期で卵胞を作らず、
子宮内膜を重点的に厚くしようとしてきましたが、
今回は違いました。

鍼灸治療の効果もあったのではと思います。
もう出てこなくなっていた卵胞が育ち、
月経から12日目で自然に排卵しました。

ですから、残っている2日目の凍結胚を
3つ融解して胚移植にのぞむことにされました。
1個は融解の時点で変性して使えなくなりました。

今回の胚移植の作戦は、融解できた2日目の凍結胚を
1日培養して、3日目の受精卵に育てて、
胚移殖するというものでした。

胚移殖したのは月経が始まってから15日目の
計算になります。
とっても、日数的に自然なのです。

鍼灸治療は胚移植当日と8日後。
この時は、当院の安田先生と山崎先生が協力して
Aさんの治療をさせていただきました。
私はこのとき、出張で居なかったのです。

判定は、プラス。
プラス判定以降の流産予防の治療は、
妊娠11週くらいまで、私がさせていただきました。
鍼灸治療の効果もあり、つわりの時期は
かなり辛い吐き気や、だるさの症状が軽減された
ようでした。

本来なら、妊娠12週~14週くらいまで、
流産予防の鍼灸治療をさせていただくのですが、
Aさんにはちょっと事情がありました。
46歳という高齢での妊娠でしたので、
新生児集中治療室(NICU)の設備のある病院へ
転院されることになったのです。

今回、Aさんが46歳で妊娠されたポイントは、
2点あるのではと思います。

1.
鍼灸治療で出てこなくなっていた卵胞が育ち、

排卵して自然周期で移植したこと。

2.
2日目の凍結胚を融解して1日培養して、

3日目の受精卵を移植できたこと。

自然周期で移植できたのは、とってもメリットが
あったのだと思います。
Aさんはいつも人工周期じゃないと、
子宮内膜が厚くならなかったから・・・。
人工周期の移植の時でも、子宮内膜は7ミリあるか
ないかのギリギリでしたから。

Aさんは妊娠20週を過ぎてから、
安産のお灸の練習のために、一度来院されました。

その後、出産したらメールくださいねと
言っていたのですが、いっこうに連絡がなかったので、
随分心配しておりました。
もうとっくに、出産しているはずなのに・・・。

もしかしたら、何らかの原因で流産されたのか?
もしくは、出産後Aさんは亡くなられたのでは・・・。
約束したのに連絡が無かったからです。
こちらから、どうですか?と連絡するわけにもいかず、
出産予定日から1年が経とうとするときに、
Aさんからメールが来たのです。
大きくなった赤ちゃんの写真を送ってくださいました。

高齢出産ということもあり、産後の肥立ちが
悪かったりして体調がすぐれないなか、
子育てに奮闘していたようです。
出産して1年が経ち、体調も回復し、少し
子育ての余裕もできたのでメールを下さったのです。

47歳で初産までの道のりは、約8年にも及びました。
Aさん、本当に良く頑張りましたね。

Omura


2017年6月30日 blog 0

卵子の力・精子の力③

足立病院生殖内分泌医療センターが
発行している、
最先端医療と東洋医学による未妊サポート情報誌
「ふっくら」No.11 最新号より
2ページ~3ページ
Talk& Talk

足立病院生殖内分泌医療センター長
中山貴弘先生と
小生、烏丸御池鍼灸院院長
大村賢秀の対談企画

卵子の力・精子の力

35歳を境に精子や卵子の質は低下して
いきます。女性の場合、劣化は急激です。
一方生涯精子を作ることができる男性の
場合はゆるやかに悪くなっていきます。
さらにストレスの多い現代では精子と卵子の
質についての問題点が浮かび上がっています。
ここではその問題点について、おなじみの
お二人の先生に対談していただきました。

◆女性の妊娠率は44歳が壁になります

大村
なるほど、いいことを聞きました。
では卵子の力はどうなんでしょう。
体外受精では40歳でも問題なく妊娠できる。
確率はほぼ50%。
ところが43歳は大丈夫なのですが、
44歳になると妊娠率が急に落ちるんですよ。

中山
明らかに43と44の間に溝がありますね。
卵子の問題でしょうね。

大村
年齢的な問題から卵子の質が悪くなるのに加え、
あとはストレスですね。
当院に来られる患者さんで、
特に問題がない
といわれている方の不妊の原因は
ほぼストレスだと思います。
ストレスから血行が悪くなると
気が昇ってしまいます。気を静める必要が
ありますね。
好きな音楽を聴いたりしてリラックス
することをおすすめします。
ゆったりと好きな音楽を聴くのは胎教にもいい。

中山:
もちろんお腹の中で胎児も聞いていますよ。
何もわからないと思うのは大間違いで
胎児はいろいろな音や声をちゃんと認識しています。

◆基本は愛のあるセックス

大村
あと、ちゃんと向き合って
愛を育んだセックスをしましょう。
そんなセックスでは精子の量も
粘液の量も変わってきます。
頚管粘液が出ないと、泳いでいく精子は
生き残れないんです。
ぜひ愛を育む機会を増やしましょう。

中山
そうですね。
男性の場合は興奮度を上げる、
女性の場合はミトコンドリアを活性化するため
運動をするのがいいんです。

大村 まさに愛のエクササイズですね。(笑)

Omura

p.s.
いかがでしたか?
「ふっくら」No.11 最新号をブログ用に
編集しなおしてお届けしました。
近日中に、PDFファイルにして、
当院のホームページで見れるように
いたします。

この「ふっくら」No.11 最新号が出来上がって、
中山先生からメールをいただきました。
早速、着床前スクリーニングについて、
患者さんから、問い合わせがあったようです。
それに、中山先生から「ふっくら」をNo.20まで
できるように、がんばりましょう!!
と激励をいただきました。

えっっっ!!20号まで続けられるかなぁ。
こりゃあ、大変な労力が必要になりますね。
1年に1回の発行のペースなので、
来年までゆっくり考えることにします。(笑)


2017年6月29日 blog 0

やっと妊娠できました19-6

やっと妊娠できましたNo.19-6
47歳で初めて出産しました!
採卵できるところまでやってみる

Aさんはショート法で採卵することに
なりました。

今まではショート法をしても卵胞が育つのは
5個~6個くらいで、少な目でした。
今回は、hMGの注射の量が増えたこともあって、
10個の卵胞が育ちました。

採卵して受精させて胚盤胞になったのは、
たったの1つ。それも、初期胚盤胞でした。
凍結し、翌月にこの胚を移植。
またしても、結果はマイナス判定でした。

その後、採卵を続け、3日目の初期胚を
移殖したりしましたが、いい結果はでませんでした。

それでも辛抱強く、Aさんは鍼灸治療に
来てくださいました。
疲れた心とカラダの調子を整えるために。
治療後はいつも、
「先生、スッリしましたわ」と言って、
笑顔で帰れました。

Aさんはこのままでは妊娠できる
タイムリミットがせまるばかりで、
気持ちが焦ってしまい、不妊治療を続ける分、
ストレスは増大してしまい、
これではいけないと思ったようです。

Aさんに相談を受けました。
「先生、私に残された時間がもうあとわずかだから、
体調を整えて採卵だけに集中しようと思いますが、
先生はどう思いますか?」と聞かれました。

私は、「その方法もいいんじゃないかな。」
「採卵して、胚移植して結果がついてこなくて、
また振り出しに戻っているしね。」
「残された時間を有効に使う手段のひとつとして、
できるだけ採卵に専念するというのも、
Aさんにとっていいかもね」と言いました。

Aさんは、担当のドクターにも相談して、
採卵に専念することにしました。

ショート法で採卵。
フェマーラを服用して採卵。
フェマーラとジュリナを併用して採卵。
プレマリンのみを服用して採卵。

いろんな方法を試されました。
そして、凍結できたのは以下の通りです。

41歳 初期胚盤胞 1個
42歳 2日目初期胚 1個 グレードG2
43歳 2日目初期胚 2個 グレードG2
44歳 2日目初期胚 2個
グレードG2が2個とG3が1個

45歳、46歳はになって採卵しても
受精しなかったり、
受精しても変性卵だったり、
卵胞が育たなかったりと、
結局、受精卵を凍結することはできませんでした。

その間も、当院には来院されていました。

Aさんは、もう卵胞も育たないので、
凍結できているのを移植することに専念する
ことにされました。
凍結できている受精卵をすべて使っても
妊娠できなければ、Aさんの妊娠への道は
その時点で絶たれることになります。
Aさんの人生において、子供を授かるということを
あきらめなければならないことになるのです。

Aさんは、私に、
「先生、もう凍結している胚を移植するだけに
専念しますので、しっかりと体調を整えてくださいね」
「もう少し、面倒でしょうけど私の治療に
に付き合ってください」
と、言われました。

「もちろん、ここまで来たらAさんの不妊治療の
最後までお付き合いさせていただきますよ」
「本当に根気強く、当院に来てくださいました」
「からこれ6年~7年のお付き合いになりますね」
「たぶん、Aさんが一番長く鍼灸治療に来られた
方だと思いますね」
「一緒に、頑張り過ぎないで、頑張りましょう」
と、私は返事をしました。

いよいよ、次回、Aさんのエピソードは、
最終回を迎えます。

to be continued
Omura


2017年6月28日 blog 0

楽天ブックスおすすめで1位獲得

楽天ブックスの
キーワード「不妊」のおすすめで
小生のの著書、
「やっと妊娠できました」
~とある不妊治療専門鍼灸院の
心が前向きになるお話~

が、何と1位になりました。
売上のランキングではないのですが、
「おすすめ」されているということは、
とっても嬉しく思います。

小生の本が何らかの形で、
不妊治療されている方々の
お役にたてればと思います。

Omura


2017年6月27日 blog 0

著書が京都新聞に紹介されました

6月22日(木)の
京都新聞の朝刊に、小生の著書、
「やっと、妊娠できました。」
~とある不妊治療専門鍼灸院の
心が前向きになるお話~

が、紹介されたようです。
まだ、見てないんだけどね。

京都新聞で本の紹介をされていて、
当院のことを知ったという方から、
問い合わせがいくつかありました。

やっぱり、京都は京都新聞なんだね。

Omura

P.S.
当院の安田先生のご実家で京都新聞を
購読されているということで、掲載された
紙面を持ってきてくれました。
6月22日の「くらし」のページの下に、
カラーで本の紹介がされていました。