Mさんが当院に来られたのは、
2015年10月の末でした。
44歳になられていました。
足立病院生殖内分泌医療センターに
置いてある、「ふっくら」という
未妊サポート情報誌を見てご連絡を
いただきました。
Mさんは2010年くらいから、同病院に
通院されていたのですが、
「ふっくら」のことを知らなかったようです。
病院の受付の後ろ側の棚に10号まで
バックナンバーがありますので、
足立病院の生殖内分泌医療センターに
通院されている人は、一度ご覧になってください。
当院のホームページでも、
PDFファイルにしています。
ホームページの左下に2号~10号まで
見ることができますよ。
さて、Mさんが当院に治療に来られた時、
初診の治療が終わって、すぐに次の予約を
取られました。
「先生の鍼灸院をもっと早く知っていれば・・・」と
言われたのが印象的でした。
Mさん(当時44歳)の病院での治療経過や
カラダの状態は・・・
タイミング10回以上、人工授精10回くらい、
胚移植は12回。
採卵して受精卵は胚盤胞にはなるようです。
一度陽性反応は出たものの、すぐに流産。
血液検査のホルモン値の問題は特になし。
卵巣は片方しかないので、採卵できる数も少ない。
病院では、着床しにくい状態になっているとも
言われたようです。
ご主人の精子に問題はありませんでした。
最初のころはクロミッドで4~5個の卵胞が
育っていたのですが、当院に来られる頃には、
2~3個に減ってきていました。
私の診断は、腎陰虚、瘀血(おけつ)、
気血両虚・・・など。
年齢的に44歳ということもあり、
生殖機能が低下して、質の良い卵子を
作ることができない。
瘀血がとにかくいっぱいあって、舌の裏の
血管は紫色の黒っぽい感じです。
舌の表面はテカテカしていているのに、
ひび割れている。
裂紋(れつもん)といって、干からびた状態。
舌の表面が砂漠のような状態です。
生理も3日で終わってしまい続かない。
カラダを潤す陰陽の陰の力も血液量も少ない。
だから妊娠に至らない・・・と思いました。
いろんな症状があり過ぎて、どこから治療すれば
いいのやら・・・。
Mさんには、
「すぐに妊娠するとは思わないでくださいよ」
「ちょっとカラダをメンテナンスするのに、
時間をくださいね」・・・と言いました。
1回目
生理から3日目、フェマーラ1錠を
5日間服用して採卵する予定でした。
下肢の冷えはけっこうありました。
Mさんが書いてくれた文章の中に、
「大村先生から冷え症だね」・・・と言われたと
書いてありましたが、そのことです。
Mさんはいつも上半身が火照っているので、
暑がりだと思っていたようです。
確かに上半身はね。でも、下半身は確かに冷えが
きつかったのです。
初診なので、三陰交と関元に鍼をしました。
Mさんは「えっ! もう鍼をしたんですか」
と言われました。
当院の鍼は、全然痛くないですよ。
体験するとわかると思うけど、
あっという間に鍼を数本します。
たくさんしませんよ。
2回目は・・・
Mさんのお話は、次が最終回です。
to be continued
Omura