卵管が詰まっていると言われていたが、
卵管造影をしたら片方だけだけど、
通った。
自然妊娠の可能性も出てきた。
Yさん(38歳)は、
当院のホームページをご覧になって
来られました。
Mクリニックで3ヵ月ほど
タイミング療法をされました。
その後、卵管造影をすると両方の卵管が
詰まっていると言われ、
体外受精しか妊娠の方法はないと言われ、
Rクリニックに転院されました。
Rクリニックでは、アンタゴニスト法で
採卵。卵胞は3個しか育ちませんでした。
受精の方法は顕微授精。
ご主人の精子の状態が良いというレベルでは
無かったからです。
3つのうち2個が受精。1個は3日目の初期胚。
もう1個は胚盤胞まで育ちました。
胚盤胞で移植されましたが、マイナス判定。
3日目の初期胚を移植して妊娠されました。
ですが、赤ちゃんの心拍がでなかったので、
流産され、掻把のオペをされたのです。
その後、当院のホームページを見られて、
ご連絡いただきました。
Yさんとお話をしていて、
Mクリニックで卵管造影して、両方の卵管が
詰まっていると言われていたので、
もう体外受精しか妊娠の選択肢はないものと
思っていたようです。
Mクリニックでは体外受精をする目的で
通院されたので、卵管のチェックは
されなかったようです。
そこで、Yさんにもう一度、卵管造影の
検査をしてみてはどうですかとアドバイスしました。
卵管造影することによって、詰まっていると
言われている箇所が通ることがあるからです。
そこで、YさんはAクリニックに転院され、
ドクターに卵管造影をしてみたいと相談すると、
ドクターは快諾してくれました。
卵管造影をした結果、左は詰まったままですが、
右の卵管が通ったのです。
Yさんから報告を受け、
「先生、めっちゃうれしいです。」
「卵管は詰まっていて、体外受精しか
妊娠の方法が無いと思っていたから・・・」
「ちょっと自信が湧いてきました」
・・・と言ってくださいました。
閉塞している卵管を手術して通す方法も
ありますが、卵管造影や通水検査で
詰まっている部分が通るようになったり、
狭くなっている狭窄部分が広がることも
ありますよ。
一度、卵管が詰まっているからと言われても、
セカンドオピニオンを聞いたり、
転院した際にもう一度、卵管造影検査を
希望されてもいいのではと思います。
YさんのAMH(抗ミュラー管ホルモン検査・
卵巣年齢をはかる検査)は0.49と低く、
実年齢より卵巣に残っている卵子の数が少ないです。
今週期はお薬なしで卵胞がどのように育つか
様子をみている状態です。
卵胞の育つスピードは平均より遅いですが、
育ってくれば採卵になるでしょう。
鍼灸の治療はまだ3回目ですが、
1回目、2回目の治療後に生理が始まって
Yさんはびっくりされたようです。
今まで見たこともない、黒っぽい血の塊が
たくさん出たようです。
その後、すごくカラダがすっきりして
軽くなり、体調が良くなったようです。
それに、いつもお下腹部が硬いのが気に
なっていたのですが、柔らかくなったようです。
初診時にYさんに言いました。
あなたの一番の問題は、血の濁り。
瘀血症(おけつしょう)だから、鍼灸治療をして
2周期目か3周期目の月経時の生理の色はキレイなって
いきますよ。
その前に、子宮の中に溜まっているが瘀血が出で、
赤黒い血塊が出ると思うよ・・・と。
瘀血症(おけつしょう)は血の濁りが原因で、
子宮内膜が厚くなりにくい、質が悪い、
卵胞も育ちにくく質が悪くなってしまいます。
血の濁りがあると、冷え症にも関係して、
お腹の中が冷えてしまい、なかなか妊娠できない
方が多いです。
不妊治療されている方で、
瘀血症(おけつしょう)が
原因の方は非常に多いと思います。
本当にたくさんの血塊が出たので、
Yさんは先生の言ったとおりだと思われたようです。
Yさんには3ヵ月~6ヵ月をめどに
鍼灸治療に来てみたらとおすすめしました。
AMHが0.1以下の人でも、多くの方が
妊娠されて不妊治療を卒業されているので、
Yさんの願いもかなえられるといいですね。
Omura