Yさん(41歳)は2015年10月に当院に来られました。
タイミングをされて1日後のことです。
以前に肩こりの治療で数回、鍼灸の経験がありました。
不妊治療での鍼灸治療は初めてで、まず高温期をキープする
治療をしました。

前回、タイミング後の1回の治療で妊娠された方の話を書きましたが、
残念ながら、Yさんは生理が来てしまいました。

Yさんは次の周期には初の体外受精にチャレンジの予定でした。
できれば、少なくとも2~3ヵ月くらい治療させていただければと
思います・・・とお伝えしました。
ですが、スケジュールが決まっているものを変更することも難しかった
ようなので、体外受精の周期に合わせて治療させていただきました。

結果、7個採卵して、1個を授精4日目で移植。
残念ながら判定はマイナス。ただし、2個胚盤胞で凍結できました。

Yさんは子宮筋腫があり、大きさは5センチほど。
手術するかどうか悩んでおられました。
ドクターの診察では、妊娠に影響がある場所ではないので、
オペしなくてもいいという意見とオペした方がいいのでは
・・・と意見が分かれYさんはどうすればいいか悩んでおられました。

子宮筋腫のオペをすると約6ヵ月は胚移植できないと言われ、
採卵とかどうすればいいか考えておられたようです。

Yさんは判定がマイナスだったので、次の周期は何もしないで
体質改善を優先してお休み周期の予定で治療に来られていましたが、
子宮筋腫のオペするまでに1周期ほどあったので、
採卵してみてもいいのでは・・・とアドバイスしました。
せっかく鍼灸治療に来ていただいて、体質改善もしているしね。

本来ならショート法のあとは2ヵ月くらいは卵巣を休ませた方が
良いのではと思いますが、オペをすると採卵もすぐにできないので
上手くいけば凍結できるかも・・・とアドバイス。

ドクターと相談されて、クロミッドで採卵することになりました。
4個採卵して、そのうち3個凍結できました。
グレードは4AB評価が2個。G2の評価が1個。

本来なら採卵の予定ではなかったのですが、グレードの良い胚が凍結できて
喜んでおられました。
オペ前に予定していなかった採卵で凍結できたのは、少しこころの余裕が
できたのではないかと思います。

患者さんとのちょっとした会話の中で、こんな方法もあるよとか
あんな方法もあるよとか・・・治療の方向性が見えてくることも
良くあります。

年齢的なことで採卵をするべきか、オペを優先するべきか、
どれくらい休めばいいのか・・・など一人で悩まれておられる方も
多いと思います。
最終的にはドクターと話をしてどのようにするか
決めなくてはならないのですが、セカンドオピニオンとして、
サードオピニオンでもいいし、気にかかったことがあったら
気軽に相談して頂ければと思います。

Omura