先日患者さんのNさんが治療に来られた時の話。
ベッドに横になってもらって、「脈」と「舌」を見て、
体の状態をチェック。
脈を診るのを「脈診」、舌を診るのを「舌診」といいます。
漢方を出される先生も同じように、脈診と舌診は
ワンセットと言っても過言ではないくらい、東洋医学の診断には
必要不可欠なものだと僕は思っています。

反対に、脈や舌の状態が把握できないとどこに鍼をしてツ
ボの組み合わせをすればいいか判断できません。
わかりやすく説明させてもらうと、脈が太いのか細いのか、
深いのか浅いのか、強いのか弱いのか、何か詰まっている感覚があるのか、
ざらざらしているのか、空洞な感じがするのか・・・等々をチェックします。

舌は色が白っぽいのか赤っぽくなっているのか、舌の苔が黄色っぽくなって
口の中が粘つくのか、紫っぽくなっているのか、それとも黒っぽくのか、
茶色っぽいのかなどの舌の色のチェックをします。
舌が痩せている感じがあるか、それとも高野豆腐のように膨れてしまって、
歯の跡が舌の縁に出ていないか、
舌の裏の静脈が怒張していて紫の色が濃く出ていないか・・・などを
10秒くらいで判断します。

それと体の歪みもチェックしないといけません。
体が歪んでいると肩こり腰痛もなかなか直らなかったりしますし、
骨盤が歪んでいたり股関節周囲が固いと腹腔内の血行が悪くなり、
子宮や卵巣にきれいな血液が十分に行きわたらなくて子宮内膜の厚さや質、
卵胞の質に悪い影響を与えます。

毎回患者さんの脈と舌をチェックしてから治療をはじめます。
鍼治療に入る前に顔色や肌のつや目の下のくまがあるかないか、
手足の先は冷えてないか、または火照ってないかなどもチェックします。

声に元気があるかなんかも診断の一つになりますね。
鍼をうつ前にいろいろ患者さんの状態をみます。

治療を続けていると脈が整ってきます。脈に元気がでてくると言った方が
わかりやすいでしょうか。
鍼治療の20分~30分の間に脈がいい状態に変化します。
3ヶ月くらいすると舌の色はだんだんときれいなピンク色になっていきます。

脈が整って来たり、舌の色がきれいなピンク色に変化していくと、
月経の色がきれいになっていきます。
肌もつやが出で、元気が出てきます。
声にもはりが出てくるし、風邪をひきにくくなる。
のぼせも冷え症も改善されていきます。

それは妊娠しやすくなっている状態になっているということです。
受胎のチャンスなんですね。

Omura