前回はN さんのトラウマの話を書きましたね。
そこで、「胞寒」(ほうかん)とは・・・から話を進めましょう。

東洋医学では子宮のことを、「胞宮」(ほうきゅう)とか
「女子胞」(じょしほう)といいます。
胞寒は字のごとく、子宮の中が冷えてしまって妊娠しにくい
状態になっているということです。
人間には体を温める「命門の火」というのがあって、命の火があるから、
体が温かくなると、東洋医学では言います。
「命の火」の「門」が寒さで閉ざされると、体は冷え低体温質になります。

冷たいものの食べ過ぎ、若いころから薄着をしていたり、
不摂生な生活で睡眠不足などが続いたりして、全身の血行不全で
冷え性体質になって、特に子宮の中が
温まりにくくなった状態のことが胞寒です。

また、風邪をひいたりしたときに、
風の邪の寒さが子宮に停滞してしまっても、
胞寒の状態になります。

風邪(かぜ)と書いて風邪(ふうじゃ)ともいいます。
「風」の「邪」なのです。

風邪の邪が頭に留まれば頭痛。
咽喉や鼻に来れば、咽喉痛、鼻水、鼻づまり。
胃に来れば、胃腸炎。
腸に来れば下痢。
関節に来れば関節痛。

・・・というふうに、いったん咽喉痛や鼻水が治っても、
「邪」が「風」のように、
体中をうろうろするわけです。
体が弱っていると、鼻水、下痢、胃痛が一度に出て熱が出て、
関節痛になったりします。

N さんの症状はこの「胞寒」で、生理が止まっていたのだと思います。
鍼とお灸を使って、体を温める治療をして3ヶ月して、N さんは自然に
生理が来るようになり、その3ヶ月後、自然妊娠され、
今は二人の小学生のママです。

いつも患者さんに言っていますが、
普段からの規則正しい生活って、やっぱり大切ですね。
いろいろ規則を作ってしまって、がんじがらめにするよりは、
ちょっといい加減なくらいの、ゆるゆるな自分なりの、
できることから始めてはいかがでしょう。
ちなみに、僕の健康法は、ご飯と具だくさん味噌汁。
朝は必ず、温かい味噌汁かスープをいただきます。
そして、クロレラ・・・。このクロレラはまたご紹介したいと思います。

Omura