このシリーズは、患者さんの不妊治療を乗り越え、
ママになれた人たちのエピソードを書いておりますが、
K さんも苦難を乗り越えた一人です。

前回は脂太り系の方の治療法について書いたと思いますが、
今回は水太り系の方のタイプや症状、
治療法をご紹介したいと思います。

「ちょっとダイエットした方がいいかもね」とアドバイスしたら、
「そんなに食べてないのに、水を飲んでも太るタイプ」なんです
・・・と言われる患者さんは少なくありません。

そうなんです。そんなに食べてないのにぽっちゃり体系で
冷え症という患者さんは多いです。

東洋医学的な言い方をしますと、
脾胃両虚(ひいりょうきょ)や真元不足(しんげんぶそく)による肥満と言います。
生まれながらもともと胃腸か弱く、食べ物の消化吸収能力が
低下して胃に水分が停滞してしまうのです。
そして体全体にむくみが生じます。特に下半身。
体に余分な水分が停滞すると体は陰の方向に向かい、
陽の気が少なくなって体が冷えてしまうのです。
水分を処理する腎臓系の機能も低下し、
生殖能力全般の低下を引き起こします。

要するに恒常的に体が冷えることによって腹腔内が冷え、
子宮や卵巣に悪影響を与え不妊の原因になってしまいます。

水太り系で冷え症タイプの人の治療は、
健脾益腎助気化湿という方法を取ります。
弱っている胃に元気を出すツボを使い、
気が巡るように腎臓系のツボも使います。
消化吸収能力がアップすれば、体は温まってきます。
そして、むくみを取るツボを使い停滞している体の余分な水分を
出します。
こういうタイプの人にはお灸も良く使いますよ。

田内先生のビタミンD の話に書いていたように、
太陽に手のひらをあて、太陽の陽気を吸収するようにすると、
体に陽気が増えてゆきます。
1分でもいいですから、天気のいい日にやってみてください。
けっこう体が温まりますよ。

ちなみに人間の体の前はで背中はです。
ちょっとお散歩に出かけたら、背中に太陽のエネルギーを感じるように
してみてください。
イメージは首の付け根あたりから太陽エネルギーが
体に入ってくる感じです。
首の付け根には、大椎(だいつい)というツボがあって、
いろんな経絡の気が集まる場所なんです。
ですからこのツボあたりに陽気を感じることは、
体全体を温める効果があります。

Omura