私、タヒチに住んでました 12(言葉編続き)
『とにかく何か話しなよ!』
仲良くなったタヒチアンに言われた時に、ハッとしました。
そうだったんです。
何でもいいから何か発声する事が大切だったんです。
黙ったままでは何も相手には伝わらないし、感じてもくれない。
そう、俺は「外国人」なんだから、上手く話せなくて当然やもんな!
と開き直った瞬間に、自然と声を出すコツを覚えていきました。
何でもいいからまず一言! 文章は考えない!
それと、聞き覚えた発音を真似る!
これを実践することに決めました。
この「聞き覚えた発音を真似る」は、のちに役立ちました。
実は、日本で予習しなかったので、全く先入観なく、聞いたままを真似たので、
発音だけは自然に身に付きました。
事前に、本などで独学した状態でタヒチへ行っていたら、
かえってそれが邪魔になって発音の妨げになっていたでしょう。
実際、そういう人は会話がなかなか上達していませんでしたから。
まあ、とにかく、聞えたまんまでタヒチアンになりきって会話を心がけました。
『ありがとう』、『お疲れ様』、『また明日』、『いい仕事だね』、『おいしいね』
自然にすぐ一言出るようになりました。
そうすると、相手は注目して話を聞こうと耳を傾けてくれますし、
例えば、誤りもすぐ訂正してくれましたし、さらに色々教えてくれました。
この頃から、言葉を覚えるのが楽しくなり始めました。
しかし、のちに問題が・・・
なりきりだけで会話していたため、文章が読めない!書けない!ことに気づいたのです。
そこで、帰国した折に、フランス語辞典とタヒチ語会話集を買って帰りました。
当然ですが、読み書きも大切ですよね。
しかし、タヒチ語、フランス語両方覚えるのは大変でしたから、
よく、両方を混ぜてごちゃごちゃの会話していました(笑)。
今ではほとんど忘れてしまいましたが・・・
田内
※中央の左側と右側の屋根は他社の黒真珠養殖場。
仕事の効率が良いので内海の浅瀬に作っている。
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